表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

110/349

諦めさせるためには

高坂昌信「もし極楽寺の周囲を馬場や山県。それに真田の旗で埋め尽くされていたら、信長はどう出るでしょうか?」

内藤昌豊「多勢に無勢。即逃げる態勢に入る事になる。」

高坂昌信「一方、その全てが佐久間の旗印であったらどうでしょうか?」

内藤昌豊「佐久間は……。」

高坂昌信「連吾川に拵えた土塁に布陣しています。」

内藤昌豊「極楽寺に居るはずの無い佐久間が居る……。しかし佐久間は信長の重臣。何か不測の事態が発生しているのは確かな事ではあるが、様子を伺う事になるな。」

高坂昌信「信長は、将軍様に呼応し裏切った松永久秀を許しています。」

内藤昌豊「何故ここに居るのかの事情を聴き……。」

高坂昌信「何か不満に思う事があるのであれば……。」

内藤昌豊「出来る限りの事はするから持ち場に戻ってくれ。」

高坂昌信「翻意を促す行動に出ます。」

内藤昌豊「逃げ出すまでの時間を稼ぐため?」

高坂昌信「はい。ただ目的はそれだけではありません。極楽寺周辺は長篠同様山県が管轄していました。故に土地勘については問題ありません。怠りなく備えをすれば、脱出するのは不可能であります。しかし相手は信長。恐らくでありますが、包囲を盤石にしましても信長を捕らえる事は難しいと見ています。

 そのために必要なのが重臣佐久間信盛の旗印であります。織田信長から見て極楽寺の周りは安全地帯であります。我らがそこに到達するためには信長が仕掛けた連吾川の罠を越えなければなりません。突破は困難であります。仮に突破出来たとしましても時間は掛かりますし被害も甚大。とてもではありませんが信長の本陣に迫る事は出来ません。当初、私もその考えでありましたが……。」

内藤昌豊「酒井の動きを見て、鳶ヶ巣への道を探し当てた?」

高坂昌信「はい。極楽寺周りは手薄でありますし、信長も我らが無傷で攻め込むとは考えていない事でありましょう。極楽寺が攻められる恐れがあるとするならば、味方の裏切りしかありません。」

内藤昌豊「そこに重臣中の重臣である佐久間信盛が裏切り、備えをする必要が無いため何もしていない。信長と身の回りの世話をする者しか居ない極楽寺を狙われ……。」

高坂昌信「佐久間は、美濃尾張への抜け道を知っています。」

内藤昌豊「たとえ包囲を脱したとしても、無事。岐阜に戻る事は難しい。ならばここでと諦める……。」

高坂昌信「その可能性を少しでも高めるために、佐久間の旗印の輸送をお願いしたい。」

内藤昌豊「わかった。ただ断られたら持って帰るからな。」

高坂昌信「ありがとうございます。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ