表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/71

34

馬車の御者は僕がすることにした。


「君は御者もできるんだね」

「…馬達が僕の言葉を聞いてくれるだけですよ」

「そ、そうか…」


バルバロは困った表情で呟いた。


「お姉様は剣がお強いのですね」

「お姉様って…やめてくれるかしら?様付けされるのは気持ち悪いわ。私はエルナよ」

「も、申し訳ありません…」

「謝らなくてもいいわ」


エルナはサラさんに対して、

面倒な表情で話している。


「え、エルナさんは剣がお強いようですが、何処かで学ばれたのですか?」

「なに?学ばなきゃ使っちゃいけないわけ?」

「え?い、いえ…そういう訳では…」

「彼にも聞いてたけど、生きる為に身につけただけの話よ?それが悪いのかしら?学ばなきゃ使っちゃいけないのかしら?」

「…エルナ」

「…はいはい。そうね。私も彼も生きる為に身につけただけなの。どこで学んだのかって聞かれたら、自分自身で学んだんじゃないかしら?」

「そ、そうだったのですね…も、申し訳ありません!…その…私…」

「…謝る必要はありませんよ。気になってしまうことは聞きたくなりますよね?…ジンもよく聞いてきますので…ですが、生きる為に…試行錯誤して必死に生きている人が大半ですので…お聞きになる際は、そのことを考えた上でお聞きになった方がよろしいかもしれませんね」

「そ、そうですね…今後は、気をつけますね」

「俺は俺は!?」

「え?な、何がですか?」

「えー!兄ちゃんと姉ちゃんには聞いてるのに、俺には聞いてくれないわけ?」

「え、で、でも…」


サラさんは悩んだ表情で僕を見ている様だ。


「…聞いてあげてください」

「は、はい。でしたら、ジンさんは」

「あー!さんって言わなくてもいいぜ!俺もサラって呼んでいいかな?」

「え、えっ!?」

「え?ダメ?」

「い、いえ…だ、ダメじゃありません…けど…」


バルバロは少しだけ困った表情をしていたが、

ジンはその事には気付いていないようだ。


「で、では…その…じ、ジンはどこで剣を学ばれたのですか?」

「俺はね!姉ちゃんに教えてもらった!姉ちゃんってさ!めっちゃ強いんだぜっ!もうさ!ビューって走ってバッシャーって魔物をやっつけていくんだ!」

「そ、そうなのですね」

「すげぇ強いのっ!そんな姉ちゃんに教えてもらったからさ!俺も強くなったんだぜ!」

「教えてくださるのはエルナさんだけなのですか?」

「んー?兄ちゃんは色んなことを教えてくれるかな?お金の稼ぎ方とか、焚き火に火をつける方法も教えてくれたし…あっ!知ってるか?人ってな!気配ってのがあんだぜ!魔物にもあるみたいでさ!まだよくわかんねーんだけど…そういうことも教えてくれたりするぜっ!」

「お二人とも、お優しいのですね」

「うん!だからさ!姉ちゃんって口が悪いからさ…サラもビックリしちゃったと思うけど…姉ちゃんのこと嫌いになんないでよ…」

「…私は嫌いになんてなっていませんよ」

「本当に?」

「はい、本当です」

「よかったぁ〜」


ジンとサラが笑顔で話している姿を見て、

エルナは何も言わなくなった。


「…バルバロ。魔物が来ます」

「っ!」


僕がバルバロに声をかけると、

バルバロは驚いたようだったが、

すぐに戦闘体制に入った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ