豆柴、プッツンする
豆柴が従魔登録します。
朝起きてから、ザップさんとジップさんと午前中に従魔契約をしに行くと、冒険者登録所の従魔と戦う。
従魔のレベルやらを確かめるためらしい。面倒くさいけど、お昼は奮発してくれるらしいから頑張るけどな。
闘技場には沢山の観客。
そして、トラみたいなのと熊とデカい鶏がいた。
『ザップさんとジップさんの指示に動くのか?』
「俺より兄貴のだな。俺はイヌコロの記録係だ」
『殺したら駄目だよな?』
「イヌ可愛らしい顔で物騒な。出来たらな、だがイヌなら大丈夫だろ?」
『気絶にしとく』
「「上等上等(笑)」」
1戦目トラに翼があるヤツ
翼で攻撃もあるが、鋭い爪と牙が攻撃されたら一瞬でお陀仏らしい。
ならば、一撃必殺で行くか。スピードMAXにして、強化せず頭突きかな…。一応相談するか。
『ザップさんとジップさんの意見が聞きたいけど』
「何だ?」
「ん?」
『俺の作戦は、スピードMAXで頭突きなんだけと…強化しないから防御は今のままなんだが』
「スピードMAXか…強化MAXにして普通に攻撃もありだが…。一撃必殺をするなら、スピードも防御もMAXだな」
「それか頭のみ強化してもアリだな」
『スピード3割、強化頭のみMAXか?』
「だな」
『リョ!』
俺はレフリーに呼ばれ、闘技場の真ん中に行く。
「グルルル…」
『わん』
「始め!」
俺は直様スピードMAXにし、危機を感じ身体も全て強化MAXにする。
ブォンっ!
ピシッ!ツー…。
顔を掠めたのは尻尾で、口まで血が流れ鉄の味が広がる。
あの尻尾が、俺の宇宙1カワユイ顔を傷付けた…。
プッツンー。
スピードMAX強化MAXをし、デカブツの顎下に頭突をかまし、蹌踉めいた瞬間、デカブツの後ろ脚を払い、腹を丸見えにし倒れ俺は飛び上がり後ろ脚を揃え抉る。
「ッギャォォ!」
『俺のプリチーでカワユイ、凛々しい顔に傷を付けたな?許すまじ……デカブツ猫野郎が』
気絶してるデカブツ猫野郎を蹴り上げ、上に放り上げ、地を蹴り俺は空中踵落としを決めた。
『まだまだだ…代償ははらわないとなぁ…宇宙1カワイイ顔に傷を付けんだからなぁ…』
ピクピクしてるデカブツ猫野郎に手を掛けようとした瞬間、レフリーからストップがかかる。
それでも動く俺を誰かが抱き締めた。
「はいはい、イヌ。終わりだ終わりだ」
『ザップさん…コイツは俺の宇宙1カワユイプリチーで、宇宙1凛々しくイケメンでもある俺の顔を…傷付けた!許せん!巫山戯んなよ、デカブツ糞猫野郎!猫風情が俺様を傷付けたんだ!この顔に!!!!』
「うんうん、確かにコイツが悪いな。だがな、意識すらないからコイツ。そんなヤツいたぶってもつまらんだろ?」
『でも…ザップさん、俺のカワユイ顔を…』
「泣くな、イヌコロ。リンとシュリも見てるぞ?」
泣きながら観客席を見渡せば、リンさんシュリさんがいた。
『わぁぁぁああああん!』
タタタタタと走り、リンさんシュリさんに抱き着く。
『怖かった……』
「大丈夫よ、ほら怖いのは倒れたし」
「強かったね、怪我したのに戦うなんて偉いよ!」
『くぅぅん…』
2人にチヤホヤされてる間に、泣き疲れ眠ってしまった。
「こ、怖かったって…」
「犬より向こうが怖がっていたよな…」
「子犬のが強いとかってどうなんだよ…」
「生きてんのか?ギルドの従魔」
「可愛くて強くて話す犬、売れそうだよな〜」
「やめとけよ、双子もだが女性陣もヤバいぞ」
「…まじかよ…」
などと噂されていたのは、俺以外知っていた。
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