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豆柴海内無双  作者: 福本真理
6/14

豆柴、決断する

豆柴の名前に迷っています。

どんな名前が良いですかね?

皆に散歩や鍛錬や川遊びに誘われても、恥ずかしさやらで中に入れずにいる。ご飯やら睡眠もだ。


吐くまで泣いてザップさんの服を汚したり、あの日を夢に見てオネショしたりもした。何も食べれない時もある。


この世界の俺以外の生死は、関係ないと思っていたのかもしれない。

俺以外は、この世界に詳しいし、何が危ないとか分かっているから。


「イヌコロ、少しでも食え…」

「水しか飲まないのは…」


俺は2人に擦り寄る。


「イヌコロが話せたらなぁ」


ビクンと反応してしまった。


「話せる…のか?」


顔すら上げられない。


「イヌ、話せるなら顔を上げてくれ…。話せるからと言って、どうこうしたりしない」

「話せるの?」

「まじかよ…」

「わんちゃん…」


揺らぐ彼らの瞳に、俺はどうしたら良いか分からなくなった。




夜になり、ザップさんが火の番をしていたから、ノソノソと起きて隣に蹲る。


「イヌ、眠れないか?」

『うん』

「そうか、酒は好きか?」

『前の世界では飲んでいたよ。ビール、日本酒、ウイスキーにワイン』

「ニホンシュとウイスキー、聞いたことがないな」

『ウイスキーかブランデーなら、ブランデーが好き』

「飲んでみたいものだ」

『ザップさんなら、ウイスキーが合うかも』

「そうかそうか(笑)」


ザップさんを見上げれば、白い歯を見せニカリと笑顔をみせてくれて、俺は嬉しくてつい涙を流してしまった。


「泣くなイヌ」

『わぅ…わぅ…』

「カワイイのが台無しだ(笑)」


むにーとホッペタを引っ張られ、涙は引っ込んでしまった。


『俺は、俺は皆と…皆といたい。話す犬なんて不気味だけど、皆と……いたい…』

「やったー!」

「わんちゃんよろしくね!」

「イヌコロ〜〜!」


背後から皆が現れ、俺を高い高いする。


「イヌコロ、名前は?」

『まめしば』

「「「「は?」」」」

『まめしば』

「まめしば、が名前か?」

『うん』


高い高いされたまま、皆はフリーズした。




翌朝、名前を何回も聞かれ、まめしばと言えば、またあやふやなビミョーな顔をされた。

どうやら、まめしばと言う名前が気にいらないらしい。失礼だな。まめしば、カワイイだろ!


「さて、と。先ずは紹介からしようか。

俺はリーダーのザップと言う。剣士だ。よろしくな」

「俺は、ザップの双子の弟で武道家のジップ!シクヨロ!」

「私は魔法使いのリンよ。よろしく」

「私は槍術士のシュリ!」 


ほー、剣士、武道家、魔法使い、槍術士。近中遠距離とバランスが良いし、俺も含めるとバランスがまとまるな。


『まめしばです、よろしく』

「なぁ、名前変えないか?」

『どうして?』

「もう少しピッタリな名前があるぜ」

『どんな名前?』

「皆で考えるから楽しみにしとけよ!!!!」


ジップの言葉は不安しかない。




読んでいただきありがとうございます。


感想、誤字脱字等よろしくお願いします。

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