豆柴、屋台に舌鼓をする
犬の食べてはいけない野菜など詳しくないため、間違えた知識があるかも知れません。
野菜に限らず果物なども、コレなら食べて大丈夫などあれば教えて下さい。
冒険者は、リーダー兼剣士は双子の兄のジップ、武道家はジ双子の弟のザップの男性2人、魔法使いはエルフの美女リン、槍術家は赤髪をポニーテールにした小柄な女性シュリの4人パーティで、パーティ名はイーグル。
俺は皆の歩くスピードに合わせ、歩くスピードを調整しながら歩き、話を聞く。
「イヌコロは、俺達が質問すると返事をするけど理解しているのか?」
「あ!私も知りたいわ!ハイなら1回咆えて、イイエなら2回吠えて?」
『わん!』
「「「「お〜〜!」」」」
ふふん。お利口さんな豆柴それは俺のこと!
「わんちゃんは飼い主はいるのかな?」
『わんわん!』
「いないんだ。名前は?」
『わん』
「名前気になるわ」
「名前あるのかー」
『わん!』
「イヌは飼い主に捨てられたのかな?」
『わん…わん?』
「あやふやな返答だな。仕方ないかまだ仔犬だし…」
はずれ。異世界転生でまめしばと言うのが大正解。
「それだ!ザップ!」
「そっか、わんちゃんは仔犬だから、今の状況が理解できないのね」
「捨てたやつの名前なんかヤメて、俺達が付けようぜ兄さん」
「名前付けたいよな…」
「駄目だ。イヌだって選ぶ権利があるからな」
優しく微笑むジップに、俺はわん!と答えたら、皆に仕方ないと笑われた。
街に入る前に、木陰に隠れ小さい犬用リュックを取り出し、小さいポケットにお金を入れていたら、リーダーのジップさんがお金を入れた。それを見た、ザップさんリンさんシュリさんが次々お金を入れた。
『わうん?』
「ベアブルから助けてくれてありがとう。怪我もなおしてくれて。そのお礼よ」
「そうだぜ、イヌコロ。餞別だ!」
「俺も」
「私も。あと…チュ」
おぉぅ…シュリさんから…ホッペタチューだ!役得役得、ムフン。
財布には金貨1枚と銀貨5枚、持参金を含めたらかなりの金。気をつけねばならないな。
『わん、わーーーん!』
「元気でな」
「ありがとうね」
「またな!」
「またどこかでー!」
『わーーん!』
俺は走り出し、壊れた外壁から街に侵入した。
街並みは平和そのもので、俺の愛くるしく歩く俺の姿に、皆さんメロメロメロンクリームソーダだ。
「あら可愛らしいワンちゃん、良かったら食べる?切れ端の蒸したチキンだけど」
『わん!』
切れ端を小さな皿に乗せ、差し出してくれた。蒸し鶏だが、ジューシーで美味い!
「お腹空いていたのね!」
『わん!』
「ふふふ、お水もどうぞ」
『わん』
ゆっくり水を飲むと、お腹いっぱいになり眠たくなり、欠伸が出てしまった。
屋台のお姉さんにお礼を言い、街の木の根元の小さな穴を見つけて、中に入り毛布をひいて昼寝を堪能した。
目を覚まし、夕方の街を散策しつつ、夕飯にありつくため様々な屋台を見て回るが、犬には駄目な野菜やら入っているが関係はないけど、とりあえず素通りする。
『わん』
昼間食べた蒸し鶏屋台があり、俺はトテトテ走った。
『わん!わん!(ください!)』
「あ?犬?帰れ帰れ!」
あれ?コワモテオヤジ?昼間の美少女は?あれ?
「はぁはぁ…父さん!足りなくなったカボチャ!」
「リーナありがとうよ」
「はぁはぁ…はぁはぁ…あれ?昼間のワンちゃん」
こんなコワモテオヤジから、どうしたらこんな美少女が。遺伝子の謎は異世界でも同じか。
「ふふふ、また切れ端?」
首を横に振る。
「どうしたの?」
「リーナの知っている犬か?」
「昼間お腹空かしていたから、売物にならない切れ端をあげたの。お水も」
「そうか。ほら、切れ端だ」
更に首を振る。
そして、財布から銀貨を1枚咥えて差し出す。
「……あっははは!そうかそうか!リーナ犬はな、この屋台で金を支払い食いたいんだと!あっはははは!
良し、銀貨1枚なら2日分は食えるからな。食べたくなったら来いよ」
皿には鶏肉と蒸し野菜、ゴマペーストのタレを掛けてくれた。水も用意されいたれりつくせりな俺はがっついた。
甘いカボチャ、程よい硬さのブロッコリー、鮮やかなニンジンに酸味が程よいトマトは蒸しても美味い。蒸鶏は、食べやすいよう解されていた。
『わふ…ん(美味かった…)』
俺はコワモテオヤジと美少女娘さんにお礼を言い、欠伸をしながら昼間に見つけた寝床に寝に行った。
読んでいただきありがとうございます。
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