豆柴、シークレットスキルを知らぬ間に付与される
悲観していても、泣いていても、お腹は空くし眠たくなるし、当たり前に朝は来る。
目覚めは朝食の良い匂いと、明るく頼もしい仲間のお早う。
『おはよう』
「おはよう、まめしば。今日も…カワユイー!」
「こらこら!あまり強く抱き締めたらノワールが苦しいぞ!」
「おはよう、ノワール。良く眠れたかしら」
シュリさんに抱き締められながら、わん!と吠えれば、リンさんはふんわりと微笑んでくれた。
「さて…と。朝飯後休憩したら、出発すんぞ」
「荷物整理しないと…リン、薬草とかどう?」
「道中探さないとね」
おー…何1つ変わらん朝だ。
「まめしば〜、後2時間で出るぞ」
「メシ食え!」
「私達もでしょ!リンのサンドイッチはボリューム満点なのよ!」
気にしてないのか?昨日の話俺だけ気にしていたのか。
皿に置かれていくサンドイッチは、野菜サンドイッチ、蒸し鶏のサンドイッチ、燻製魚のサンドイッチ、トマトと野菜のスープは栄養満点!
「野菜も終わりか?」
「ジップさん!終わりました。次の村まで4時間半ですし、食料は大丈夫です」
『次の村は泊まり?』
「そうなるだろうな。買い出しやらしないとならない」
サンドイッチを食べながら、4人の会話を聞き、1つ欠伸をした。
冒険者チームは、1人1人助け合い、戦い、笑い泣く。チームワークが無ければ成り立たない。
俺はどうだった?
新人にも部下にも仕事は回したが、皆が皆プライベートを優先し、疲れて眠たくなりミスをする。それを、俺だけが叱られていた。部下の責任は上司だと言われて。
それからだ、仕事は全てしてきた。回さず話さず俺だけでしてきた。ミスする心配すらないからな。
何かを言いたそうにする上司や部下達を無視し、仕事を持ち帰り4時まで仕事していたな。
『失敗は…しない…したくない』
今度こそ、俺は間違えたりしない。
だって、もしかしたらこれはチャンスかもしれないから…。
東京のとある大企業。
あるサラリーマンが仕事のし過ぎで過労死し、サラリーマンのマンションからはミスを彼だけのせいにし罵る上司、仕事をせずサボる部下、それを補う様に働く彼の映像を録画したハードディスクが見つかった。
それらの証拠は、ホワイト企業をうたう会社にとって大打撃となり、一気に経営は傾いた。
彼を罵った上司はクビになるも何処の企業も雇わず、それは彼の部下達も同じだ。
【んふふふ。借りは返したわ。私の眷属を助けてくれたんだからね。
建前として、人口がとか話してあるけど。簡単に異世界転生なんて出来ないわよ】
【にゃおん!】
【え?シークレットスキルをやれ?】
【じゃぁ、ある条件…魔物を100匹倒したら人間にもなれる、はどうかしら?】
【にゃにゃにゃーん!】
【最高?ふふ、ありがと】
紫の髪を揺らしながら綺麗に微笑むのは、この世の者とは思えない美女だった。
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