表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/16


少し顔を赤らめたシキ様に言われて、私は慌てて視線を外す。私自身もかあっと顔が熱くなっていくのが分かった。

シキ様の目に見入ってしまい、気づいたら見つめ合うみたいになってしまっていた。……自分で言っておいてアレだけど、不思議なくらい綺麗って何!?シキ様はそういう意味で聞いたんじゃないよ!!


「……とにかく、本当に横流しなのかは置いておいて、この町の結界道具の管理が杜撰(ずさん)だったせいでユウちゃんが重傷を負ったのは事実です」


私が逸らしてしまった話をシキ様がそう言って戻してくれる。


「なので僕はユウちゃんのことを含めて、ここ数日の調査の結果を国王を含めた政府の方々に報告しました」

「王様にも……」

「うん、ユウちゃんがあの魔物を倒してなきゃ死人が出ていたからね。女の子がたった一人で闘ったって聞いてみんな驚いてたよ」


“普通の女の子”はナイフ一本で魔物を掻っ捌いたりしない。驚いて当然だ。


魔法が使えない代わりに、格闘術とかナイフの扱いとか、知り合いのおばあちゃんに体術という体術を叩き込んでもらった。

だけどその結果、ただでさえ魔力がないせいで結婚相手には向かないと周りの男性達に言われていたのに、この腕っぷしで更に結婚のチャンスが遠のいてしまった。


そして今回、お腹を貫かれたわけだから、そこに生々しい傷跡が残るのは絶対。

死ぬところだったことを思えば傷跡だけで済むのは幸運ではあるけど……。


――魔法は使えない、

――腕っぷしは異常に強い、

――おまけに、傷物の身体。


“お嫁さんになりたい”。諦めかけてはいたけど子供の頃から、兄さんにもないしょで見ていた夢はいよいよ叶わなく……


「……というわけで、ユウちゃんのお腹の傷跡まで完治させるのが、僕の役目になります」

「えっ?」


いつのまにか話が進んでいたらしい。


「傷跡まで治るんですか?」

「ユウ……。話はちゃんと、聞く」

「ごめんなさい……」


兄さんにたしなめられて謝る私に、シキ様が「えっと、」ともう一度言ってくれる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ