その9 魚と店員とお昼と
好きなお寿司はえびです。皆さんは何が好きですか?
俺たちは今本を探している。すると、
「ええっと、これかな?」
葉山が目当の本を見つけたらしい。しかしそれは、
「それはルリデレラじゃなくてルンデレラだな。違う本だ」
「そっか、・・・じゃああっち見てくるよ」
そう言うと葉山はスタスタと可愛らしい足どりで本を探しに行ってしまった。
それにしても結構探した。これは本が置いていないという困った問題かもしれないな。
・・・よし!店員に聞こう!俺は自力で探すのを諦め、店員さんに聞くことにした。
(いや、最初からそうしておけばよかったじゃろ)なびにつっこまれる。
(おいおいなび、ツッコムなよ。お前はわからないかもしれないが、店員に話しかけるのは結構きついんだぞ)
(ふっ、この軟弱者が)
(なんだと!)
・・・よし、
「店員さーーーん!」
俺は勇気を出して店員さんに話しかけた。すると、筋肉ムキムキ、ハゲ頭に黒く焦げた身体の店員さんが俺の方を振り向き、
「へい!なんでしょうか!何を握りますか?」と言った。
あれーーーー?ここ寿司屋だっけ?
「は!すみません!本屋でバイトする前は寿司屋でバイトしてたもんで!毎日毎日、マグロに帆立、サーモン、イカ、エビ、いくらとなんでもかんでも握ってたモンで!癖なんですわ!いくらをいくらなんでも握りすぎましたわ。タハーーーーーーーー!」
・・・・クセつえーーーー。
まさか最後にいくらをかけた親父ギャグを言うとは思わなかった。タハーーーーーーーーと笑うとは思わなかった。この人に聞いちゃって大丈夫なのだろうか?
「あの、ルリデレラという本はこの本屋にあるでしょうか?」
「るりデレラ?はい!分かりました!ルリデレラサガシマーーース!」
「いや?どーいうテンションだよ!」
「すみません、注文受けた時のテンションが残っちゃて。テヘペロ!」
そう言って頭をかく店員。・・・・
「デハ調べます!マグロ------------------------!」
店員さんは大きな声でマグロと叫び始める。
・・・うるせーーーーー!
「いや何してるんですか!」
大声で叫ぶ。
「調べてますっっっっっっ!」
調べてるだと!?
「見つかりました!」
おお!遂に見つかったか?
「この本屋にはありません!」
いや!ないんかいーい。驚いてすっころんでしまう。
となると別の本屋に行くしかないか。
俺はクセのつよーーい店員さんにありがとうございましたと言い葉山のところに向かった。
「そうか、なかったんだね、残念だなー」
そのことを話すと葉山は肩を落として残念がった。かわいい。
「ということで次は一駅先の蒲焼書店に行かないか?」
と俺は提案した。
「蒲焼書店はここの本屋より大きくてもしかしたらあるかもしれない」
「蒲焼かーーー。うん、行こう!」
力強く肯定してくれる葉山。
ということで俺たちは駅に向かおうとした。
しかしその時、
「これが青春か〜ーーーーーー!?」
知らないおじさんに指をさされて怒鳴られた。
だから誰だよーーーーーーー!
そして蒲焼書店に着いた俺たち。
しかしそこにもルリデレラはなく、俺たちは一旦ファミレスに行くことになったのだった。
そしてここはファミレス「ザンザリア」。席に着いたはいいが俺は困っていた。なぜなら目の前には選択肢があるからだ。うーーーーーーーんメンドーーーーーーー。そこには
[選択肢3/A脂っこいステーキ(1200円)/B海鮮丼(980円)/Cオムライス(760円)]
(うーーーんこれはどうしたものか?)
(これに関してはお主が食べたいものを選べば良いんじゃないか?)
なびがアドバイスしてくれる。
なので。
(B!)
俺は欲望を選んだのだった。
「村上くんは海鮮丼。お魚さん好きなの?」
「あ、ああ。」
そう答えてしまう。
魚と肉なら肉が好きだが、本屋であそこまで魚の名前を聞いたので今は魚が食べたくて仕方がない。
あの選択肢の中では2番目の高さだし、まあいいだろう。ついでにドリンクバーもつけて注文する。
そのあと、葉山と本のことを話していると料理がやってきた。
俺はマグロやサーモン、いくらがたっぷりのった海鮮丼。
葉山はたまごやハムが入ったサンドウィッチだ。
「「いただきます!」」
2人で同時にそう言って食べ始める。
葉山はサンドウィッチを一口食べると・・・
「おいしい〜!」
目を輝かせながら感動した。かわいいなーーー!
俺も海鮮丼を食べる。うん、うまい。脂がたっぷりのったマグロにの(いや食レポするなよ)
・・・・なびに邪魔されたのだった。
食べ終わったあと俺は喉が渇いたので「ドリンクバー行ってくる」
と飲み物をとりに行った。そして戻ってくると。
葉山がナンパされていた。
・・・マジかーーーー!




