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ステータスチートはロクでもない  作者: 西洋躑躅
第一章:"  "の勇者
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初めて魔物を殺した時のお話

平原を歩き回る事30分、俺達は未だに魔物と遭遇出来ずに居た。


「全然魔物姿が見えないんだが、30分経ってもエンカウントしないとかゲームならバグを疑うレベルだぞ」

「これはゲームじゃなくて現実なんですよ?街のすぐ外何ですから魔物が見当たらなくて当たり前ですよ。むしろ街から出て即エンカウントとかする方が可笑しいんですよ」

「そりゃそうだ、とはいえこのままだと日が暮れてしまいそうだしもうちょっと街から離れた所まで――お?」


街から離れた所まで移動しようと街とは反対の方向に視線を向けると、人間よりも小さな影が目に入る。


「なぁあれがそうじゃないか」

「どれの事です?」

「ほら、あっちの方に居る小さい奴だよ。あれ魔物じゃないか?」

「んー…私には全然見えないんですが」


もしかしてステータスの影響が視力にもあるのだろうか?。

だとすれば視力なんてどのステータスに依存してるのだろうか検討も付かない。

体力といい、歩く速度や視力にまで影響してくるなんて、ここは早急に椿のステータスを上げなければ、ALL1のままじゃ不安過ぎる。


そんな事を考えながら影が見えた方向に歩いて行くと影もこちらの存在に気付いたのかこちらに近づいて来る。

その頃には椿にも影の姿が見えたのだろう、近寄ってくる影を前に怯えたように俺の背中に隠れてしまう。


「おい、隠れてないで出て来いよ。魔物なら椿が倒してレベル上げないと」

「い、いきなり私からとか無理ですよ!一番手は明継さんにお譲りします!」

「なんだそりゃ、順番なんて先でも後でも戦う事には変わりないだろ。まぁ分かった、じゃあ今回は俺が行くからそこで見てろよ」


そう言いながら俺は鞘から剣を抜き構える。

影は既に影と呼べる程不確かな物では無く、ハッキリとした輪郭を持った人型の魔物だった。


所謂ノールという奴だろう。

獣の顔に人間のように二足歩行をし、手には武器を持っている。


「ノールか、確かギルドマスターの話だとこの平原で出てくるモンスターの中で三番目に強いんだっけ?」

「そ、そうです。素早い動きで相手を翻弄する反面、攻撃力や防御力は大した事は無いと」

「初戦の相手には不足はないな…ところで椿、何時まで背中に張り付いてるつもりだ?。そうくっ付かれたら身動きが取れないんだが」

「仕方ないじゃ無いですか!!怖いんですもん!!」

「HP2000もあるし、防具だって揃えたんだから早々やられたりしないって!!俺が魔物を倒す間だけだから!ちらっとだけで良いから!」

「嫌ですよ!ギルドマスターさんも言ってたじゃ無いですか!そうやって油断した勇者から真っ先に死んでいくって!私は決して油断なんかしません!常に万全を――ッ明継さん!!」


椿のその声で俺はノールの存在を思い出し前を向く。

ノールは既に俺のすぐ目の前まで迫っており、右手に握られた棍棒を振り上げていた。


「このっ!!」


ノールが棍棒を振り下ろすよりも速く、俺はノールの右肩を斬り落としそのまま首を薙ぎ払う。

ノールの首は宙を飛び、勝負はついた――そう思ったその時、首だけとなったノールが俺目がけて大口を開け襲い掛かってきた。


ザシュッ!!


嫌な音と共に辺りに鮮血が飛ぶ。


「あっぶねぇ…まさか首だけになってまで襲ってくるとは、魔物の生命力は恐ろしいな。いや、ゲーム的に考えたら腕や首が取れてもHPが0になってなかったのかもな」


俺は剣で串刺しにしたノールの頭部を見つめながらそんな事を考える。


「っと、経験値経験値…今のでどれくらい入ったんだ?」


血を払うように剣を振り、血と共にノールの首をそこら辺に飛ばし、ステータスを開いて獲得した経験値を確認する。


「たったの1か…ステータスの高さがもろに獲得経験値に影響してるっぽいな。この分じゃ魔王倒しても貰える経験値は1かもな。レベル上げるのは相当しんど「明継さん」」


一人ぶつぶつと考え事をしていた所に椿の声が聞こえ我に返る。


「おっと悪い、考え事してたわ。怪我は無かったか?」

「あ…はい、おかげ様で怪我は無いですけど…その」

「なんだ、何か気になる事でもあるのか?」


何か言いたげな様子でチラチラと俺の顔を見る椿だったが、俺の顔とノールの亡骸を交互に二度三度見た後


「いえ、何でも無いです」


そう言って黙り込んでしまう。


「何だよ可笑しな奴だな。もしかしてグロいの苦手だったか?」

「得意という訳ではありませんが、すみません気にしないでください」

「そうか?まぁ何かあったら遠慮なく言えよ」

「はい…分かりました」


そう答えたものの何処か浮かない表情の椿を連れて俺は再び魔物を探す為に歩き始めた。

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