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黒髪のマキ  作者: Rainbowproject
5/18

第五楽章【風】

―次の日・・・



今日も快晴。絶好の休日だ。

マキはいつものようにコーヒーを堪能して、

朝の爽やかな時間を楽しむ。




マキのお母さん 「あら、今日も早いのね」


マキ 「なんか起きちゃった」


マキのお母さん 「そ。いい天気だし、散歩でも行ってきたら?」


マキ 「そーするよ。」


マキのお母さん 「んじゃ、ついでに牛乳とパン買ってきて☆」


マキ 「はいはい」





― 十五分後・・・



マキ (どこ行くか・・・)



春の心地よい風が、北鎌倉の朝を包む。

マキはなんだか高揚して、走りたくなった。



タッタッタ・・・


マキ (あ、なんかいいかも)



すると、後ろからクスっと笑い声がするのが聞こえた。

振り向くとそこには高野がいた。




マキ 「た・・・高野」


高野 「おはよ・・・ぷっ・・・」


マキ 「な、なんだよっ」


高野 「はは・・・ごめん、マキ、笑顔だったから(笑)」


マキ 「は、はぁ!?私だってそんなときもあるよ」




マキは少し照れたように下を向いた。



高野 「珍しいなって思ったんだよ(笑)・・・毎日散歩してんの?」


マキ 「まぁ、たまに?」


高野 「そうなのか~。俺も身体鍛えなくちゃいけないからランニングしてたとこだ☆」


マキ 「そうなんだ。邪魔したね」


高野 「呼び止めたのは俺のほうだからな・・・あ、もしよかったら一緒に走らないか?」


マキ 「いいけどさ、カレンに見つかって疑われても知らないから」


高野 「え、アイツは・・・その・・・」


マキ 「はいスタート!」



気づくとマキはささっと走っていった。


高野 「あ、待てよー!」




タッタッタ・・・



高野 「意外と走るの早いんだな」


マキ 「そう?」


高野 「サッカー部の俺と同じペースなんてなかなかだぜっ」








― 十分後・・・


二人は小さな公園に着いた。



マキ (ふ~・・・疲れた。)


子供 「あ、高野おにいちゃん~」


高野 「よ。」


子供 「このひとだーれ?かのじょ?」


高野 「こらっ(笑)学校のおともだち。マキってゆーの」


子供 「へ~かっこいい~」


高野 「だろ?」


マキ (子供好きじゃないんだけどな・・・(苦笑))


子供 「お兄ちゃん、遊んでよ」


高野 「んああ・・・いい?」


高野は裾を子供にひっぱられながら、マキの方を見た。



マキ 「いいけど」


子供 「やった~!」


マキ 「じゃあ、私座って待って・・・」





そう言いかけた時、マキも子供たちにグイっと引っ張られた。




子供 「お姉ちゃんも~」


マキ (え・・・)


子供 「きてきて~」


マキ 「ちょ、ちょっと私はいいから」


子供 「いいの~~きて~!」


マキ 「うわっ・・・」




マキは砂場へ連れてこられた。




子供 「お兄ちゃん、お姉ちゃん連れてきたよ~」


高野 「お~・・・ははは、連行されたか」


マキ 「ちょ、ちょっと高野!笑ってないでこの子たちどうにかしてっ!」


高野 「・・・もしかして、子供嫌いだったりする?」


マキ 「っ・・・」


高野 「あ、図星か」


マキ 「うるさいっ」


子供 「ね~泥団子つくろ~!」


子供 「いぇ~い!」


子供 「わー!!」


子供 「きゃーー!!」


マキ 「はぁ・・・」







― 一時間後・・・


高野 「お、もうこんな時間か。みんなまた会おうな!」


マキ (あぁ・・・やっとここから抜け出せるみたい・・・)


子供 「うん、ばいば~い!」


子供 「今度はサッカーしようね!」


高野 「おう、じゃあな!」





マキたちは公園を出た。



マキ 「はぁー・・・」


高野 「はは、疲れた?そんなにマキが子供嫌いって知らなかったから・・・(笑)」


マキ 「もーすっごい疲れたんですけど」


高野 「ごめんごめん(笑)でも、楽しかっただろ?」


マキ 「んー・・・」


高野 「へへ。じゃ、俺たちも帰るか」


マキ 「うん。また学校で」


高野 「おうっ」







マキは家に帰った。


マキのお母さん 「お帰り!いつもより長かったわね」


マキ 「疲れた~子供の遊び相手させられたし・・・(苦笑)」


マキのお母さん 「いいじゃない♪・・・で、牛乳とパンはー?」






マキ 「あ」






春の少しヒヤリとした風が、北鎌倉の朝を包む。





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