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黒髪のマキ  作者: Rainbowproject
3/18

第三楽章【春】

―次の日・・・


キーンコーンカーンコーン・・・




カレン 「おっはよー」


マキ 「あ、おはよ」


カレン 「・・・??あれ、どうしたの?なんか様子が変だけど」


マキ 「・・・社会の教科書、家に忘れた」


カレン 「えー!珍しいね。隣の人に見せてもらいなよ」


マキ 「うん・・・」





ガラガラ・・・




先生 「は~いホームルーム始めます」


マキ (あれ。隣の人休み??)





― 一時間目


マキ 「先生。」


社会の先生 「どうしました黒川さん?」


マキ 「すいません・・・教科書忘れました」


社会の先生 「珍しいですね、うーんと・・・あ、高野君の隣もお休みみたいだね。よし、高野君、黒川さんに見せてあげなさい。黒川さん今日だけ移動して。」


マキ 「ありがとうございます」


高野 (ええええ・・・!!)






マキは筆箱とノートを手に、高野の隣の席へ移動した。


マキ 「ごめん、宜しく」


高野 「お、おう・・・」


生徒 「ラッキーだな高野~♪」


高野 「な、なんだよっ」


社会の先生 「では、授業始めます~」







―三十分後・・・


社会の先生 「・・・という事なんですね。では、図の1を見てみてくださーい」


高野は教科書をマキへ近づけた。


高野 「・・・はい」


マキ 「あっ、ありがと」


高野 「お、おう」




高野はちらっとマキの様子を伺った。

ノートの字はとても整っている。試験前の時期になると、他の生徒が彼女のノートをコピーしたいと集まってくるが、それはただ彼女が人気だからというだけの理由ではないだろう。


しかも、朝の光がちょうどいいくらいにマキの黒髪を照らしていて。

まるで映画のワンシーンみたいに、彼女が一層美しく見える。




高野 (あー・・・やっぱり美人だなぁ)


社会の先生 「高野?・・・高野!!」


高野 「へ?」




高野はふと前を向いた。

周りの友達もニヤニヤしながらこちらを見ている。




社会の先生 「答え分かった?」


高野 「え!俺当てられてました!?」


生徒 「あはは・・・!」




高野は赤面しながらも、必死に何かそれらしい答えを言おうと、教科書の単語を急いで探した。

すると小さくマキがノートに何かを書いて、

そっと高野のほうへ寄せた。




高野 「・・・じっ・・・十七条の憲法・・・」


社会の先生 「正解だ!なんだ、ちゃんと聞いてたんだな」


生徒 「やるじゃん高野~」


高野 「いやぁ、あっぶねぇ~♪」


みんな 「ははは・・・!!」


高野は、先生がまた話し始めたのを見て、解放感と安堵でため息をついた。


高野 (あ・・・あっぶね~マジで!)


マキは何もなかったかのような顔をして、またノートをとり始めていた。




高野 「ありがとうな!助かった・・・」


マキ 「ん。」






― 二十分後・・・



キーンコーンカーンコーン・・・


社会の先生 「じゃ、終わります!」


みんな 「ありがとうございました~!」




マキは自分の持ち物をまとめて、椅子をしまった。


マキ 「ありがとう」


高野 「あ、うん」







―放課後・・・



カレン 「いや~今日も疲れた!」


マキ 「うん、まぁよかったよ。明日は学校休みだし、教科書もなんとかなったし」


カレン 「うん!・・・高野の隣になったね」


マキ 「ごめん、なんか」


カレン 「なんで!私は関係ない・・・し」


マキ (好きなんだなぁ(笑))


カレンの頬がほんのり赤く染まったのを見て、マキはくすっと笑ったのだった。

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