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2連星  作者: akihide
6/12

6話

整備工場幾つかの工房内

「ようやく戻ったな、これで、いつでも戦える。」

レネは搭乗席でモニターのタッチパネルを押していた。電子機器の具合を伺う。

「なんだよ、もう、依頼を受けてきたのか、楽させてくれないなー、それで、どう言ったもんだ」

相棒は半眼でこちらを見て答えた。


「防衛だと、最近ここら付近に発見された研究施設の周囲を警護が今度の仕事さ、どうやら情報が多岐に渡ってしまったらしくてな、盗掘者や対テロリストの襲撃も予想されるらしな、本部に打診して応援を呼んでいるらしい。今、駐留している部隊は小規模で足りないらしい、賄いきれないと踏んで、俺達に及びが掛かったのさ、他にも何人かの傭兵が雇われたらしいな。」

ルシールの搭乗席でグリップを握り手足を動かし状態を確かめた。

手首がグルグルと回転し手を何度も握り拳を作った。


「まあ、今回は軍のそれも連盟の以来だとさ」

「おいおい、連盟かよ、貴族様でも来てるのか」

「多分な、俺達は外周の警護だから、会う機会はないだろうが、話しかけられても、愛想良くしろよ。」

「了解」

ルシールの状態を簡単に確認し手応えを感じた。

大男が

「頼まれていたもの、は取り付けたぞ、試作品だから、連発はできんぞ、これで良かったか」

「ああ、それで構わない、1回使えれば、それでいい」

黒光りするそれはあった。

それじゃあ、車にルシールを乗せて現地に行くぞ。



研究所跡地

研究所に来ていた、既にそこは、跡地になっていた、建物が廃墟となし瓦礫が崩れていた、

いつ建物が壊れてもおかしくない状態だ。戦争の爪痕が時と共に風化してしまったようだ。

周囲に大きなテントを張った物が幾つか有り照明や機械が乱雑に置いてあった、連盟の『スカーレット』が何機かいつでも稼働できる様、立っていた。連盟の制服だ、幾人かと話をしていた、既に到着していた。紹介状を兵士に渡して中に入った。

「どうやら、予定の時間には付いたようだな」

内心、間に合わないと心配したが、

「おおー、レネか、半年ぶりだな」

顔が傷だらけの男が話しかけてきた。歳は40代といった所か、中肉中背だが、筋肉が引き締まっていた。

「ハリスか、又、世話になるな」

ハリスとは何度か仕事がらみで一緒になることがあった。

「俺は今回、此処の傭兵連中の指揮を任される事になった、と言っても、特に動向と指図するつもりはないけどな、まあ聞いてくれ」

手を差し出し握手をしてきた。

「あんたが俺達のリーダーなら安心だ」

こちらも手を差し出し握手した。

俺達は、外に展開しているテントの一つに入った。中にテーブルが有り、何人かが椅子に座っていた、同じ傭兵仲間だろう、ただ、1人は女性士官がいた、連盟の制服を来ていた、俺達のお目付け役か、

中で簡単な自己紹介をして話に入った。

「今回は警護と言うことだが、先程情報が入ってな、やはり、ここをテロリストが襲撃を掛けると予想された。数日中には、此処に来ると連絡が入った。まあ、此処に来る前に話が聞いていると思うが、」

忌々しげに厳しい顔になった。

「ああ、そうだ、なんでも研究所地下施設に研究物資が発見されたそうだ。そいつは大層価値があるとの事で、本部から応援が来るまで警護をするそうだ、さっき軍から報告を受けた、『月の遺産』がどうとか言っていたな」

まあ、気楽にやろうや、配置は追って沙汰するそうだ。それまで自由にしていいぞ・・・

「過去の遺物ね、まあ、それを警護すればいいんだろ、」

「そういう事だ、ああ、後、連盟の佐官が何人か来ている、問題は起こすなよ」

チラリと女性士官を見て言った。



相棒と話していたが視線を感じた、視線の相手はこちらに声を掛けてきた。、

「貴方がレネね」

女性士官が声を掛けてきた

「ああ、そうだが」

「そちらは」

「サテラよ、サテラ・アイリス・シラカネ」

「それで」

ぶっきらぼうに答えた。

「デュエルを見てたわ、初参加で優勝とはやるようね」

「これは、これは、お褒めに頂き恐縮にございます、お嬢さん」

「私、あなたと同じ年頃だとおもんだけど」

ムッとした顔をした。

「君、貴族だろ、俺は、貴族が嫌いでね。」


「いいじゃねいか、可愛らしいお嬢さんと会話なんていいだろ」

相棒は嬉しそうだ

「貴方が操縦技術なら、軍でも十分生かせると思うんだけど、どうかしら」

長い髪をイジっていた。

「なんだ、スカウトか、そうだな、ギャラが高ければ」

「ホントに!!」

「冗談だ、今の生活で満足しているさ」

「いいわ、必ず頷かせてみせるわ」

「聞いちゃいねえな」

「まあ、頑張ってくれ」

俺はそのまま、後ろに振り返り歩き出した、相棒もサテラに手を振って、付き添って歩き出した



連盟将校のテント内

「これで、昇進も間違いないな、ははは、中央の連中も俺の功績に目を見張るだろう」

ワイングラス片手に話かけた。

「それはようござんしたね、」

こっちはやっと開放されて嬉しいよ、レゴスは口に出さずそんなことを考えていた。

あれから、この男の自慢話を聞いて、辟易していた

俺も、同じ現場に立ち寄ったんだけどな。

そうも言わず黙って、相手をしていた。

「これで、出世間違いなしだ、奴らの羨む目が見て取れるわ」

彼は、既にその気になっていた、自虐した笑みを浮かべた。

「これを気に、俺の栄達に邁進するのだ」

ワインを口に含んで言った。



「キュ━━━━ン!!ド━━━━ン!!」

衝撃音が響き渡った。この音からロケット砲だろう。

「何事だ」

「件の襲撃でしょう、報告どうりですね」

「何たることだ、迎撃しないか」

大声で叫んだ

「言われなくてもそうしますでしょうよ、はい」

レゴスは、外に出て当たりの様子を観察して言った



同時刻

「3カードだ」

俺と相棒、に他に雇われた傭兵と休憩時間にトランプをしていた

時間つぶしにポーカーで少額の賭け事をしていた

「残念、フルハウスだ」

「だあ、またやられた、レネ、お前イカサマでもしてるんじゃないか」

なかなかに白熱していた

「しないよ、それより、さっさと、払え」

「ああ、くそ、わかったよ、もう一度だ」

チップをこちら側のテーブルに投げ渡した。

相手はどうやら、完全にカモになっていた、俺はイカサマをしていない、ただ相棒がデューラーをしている為、いい札が切ってくれる、それだけの事だ、後で、山分けだな

他のテーブルではブラックジャックをしていた。携帯ゲーム機器で遊んでいる奴もいた。

休憩時間まで張り付いた緊張をしても身が持たなくしょうがないのでしている。

そうこうしていると、

「ピッピッピッ━━━━!!」と

腕時計から電子音が鳴った

交代の時間だ、ここまでだな

俺が席を立ち上がると、

「勝ち逃げかよ」

「又、相手してやるよ」

「ホントだな」

未練がましく言った


周辺を歩いていると、兵士達が何かを廃墟からトラクター車で物を出しているのがわかった

「あれが、件の物か」

「らしいな、これといって、目新しいものはないと思うけど」

『Rago』だった、機体のカラーリングは白色をしていた。見た限り、標準よりやせ細っているが、確かな光沢と美しいフォルムをしていた。後部にはなんか羽みたいなものがしょっているが、武装はどうなっているんだろう。

機体性能は、と少し興味は沸いたが今は仕事が大事だ、無事に仕事を終わらしたい。

それに、何か得体の知れなさが感じられた


「配置に付くぞ、どこから来るかわかった物じゃないからな、それに、そろそろ、くる予感がする」

相棒に言い放った。

「了解」

相棒は安請け合いに答えた

『ルシール』に乗り配置場所についた。



後方から迫撃音が何度も聞こえた。

「来たか」

こちらにも何台かの戦車や機体が近づいてきた。

「うじゃうじゃ出てきやがって」

現場は騒音や雑音で騒ぎになっていた

「BAAAAAAAAAAAAAA」

こちらもマシンガンで打ち返した、

自走戦車には当たったが機体には当たらなかった、が相棒のライフルが火を噴き2体の「Rago」に命中した

敵機は煙を上げて動かなくなった。


他の場所でもドンパチをやっている頃だろう

俺達は与えられた場所で防衛するだけだ

こちらに向かってくる敵をダガーナイフで串刺しにした。すぐにきびきを返して、撃つ。

敵機体から脱出する為に人が出てきた

いちいち相手するつもりが無いため、見逃し次に行く

半刻がなって周りには、敵機体はいなくなっていた。



照明弾が上空に照らし上げた。

どうやら、引くらしい。

今回は下見かも知れないな、こちらは、それ程の損害を与えず連中は引いていった

だが、被害は多かった。傭兵連中は激戦を何度もくぐり抜けた強者だ、練度も有り、軽微の被害が出ても早々やられたりしない。

だが、連盟の兵士はどうだ、練度が低く、実戦を経験した物が殆どいない為、やられ放題だった。数の方でも、少なからず有利だった状態が、今では消え失せていた。

機体のアチコチに煙や火が噴いていた。

「あーあ、結構やられたな」

「そうだな、もったいねー、あれ、連盟の最新式『スカーレット』だぜ、見る影もねーぜ。

量産機とは言え、正式採用された逸品なのに、使い方がなっちゃいない。」

無残に打ち捨てられた機体が15を数えた。こなごなになっていて修復も不可能だろう。

「これじゃ、次来た時は、ヤバイな」

「あっちの練度は馬鹿にできないしな」

「危険手当ももらっておきゃ良かった」

憂鬱な気分になった。


まあいい、今日の仕事は終わりだ、

「続きのポーカーでもするか」



対策室では、今後の状況と、戦況を思い浮かべた。

思った以上に被害が出ている、俺達にも相応以上の働きが期待されているとさ

「つけは、こっちに回ってきたか、割に合わんぜ」

嫌だ嫌だと相棒は首を左右に回した。

「そう言うな、その分だけ、払いも良くなる、あっちはなんだかんだで親方創業だからな、多めにふんだくるから励め。」

ハリスは笑って言った

「援軍はいつくるんだ、そうもたないぜ、」

「まだ、幾日か掛かるとさ、」

「物資があっても、人がいないんじゃキツイな、又、襲撃をかけられたらと思うとやってられんぜ。」

先程の、打ち捨てられた機体を思い浮かべて発言した。

「次は本格的に来るぜ。」

こういった感はよく当たるもんだ

「とにかく、軍の兵士は期待出来ないからお前たちに、次も期待しているからな」

「軍の『スカーレット』の一機も横しやがれってんだ」

「それはいいな、そろそろ、次の機体に乗り換えようかな」

「報酬にそれも付けてくれ、壊れた機体の残骸も、もしかしたら治せるかも知れないし」

「そうすれば、儲けもんか」

話が段々それていった。


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