1話
砂漠。地球温暖化による気温の変化や地質変動によって起こる。そして人類の英知によって環境破壊による現象砂漠化とは、人が住んでいたところや植物の生えていたところが気候変動や人間の活動によって不毛の大地へと変化することです。
今、地球上にある陸地の約1/4(36億ヘクタール)が砂漠化の影響を受けています。
さらに、世界の砂漠は毎年6万平方キロメートルものスピードで広がっている。このままいけば、地球上にある陸地すべてが砂漠となるでしょう。また、砂漠化によって9億人(世界人口の約1/6)の人たちが何らかの影響を受けている。
「BOOOOOOOOO」
砂塵が舞う道なき砂漠を滑走する車がある。車にしては大型で後ろに荷台があり、大型コンテナボックスが巻きつけられていた。
後ろにはさらに7台の車が並走していた。俺達はキャラバン隊の護衛を依頼されて来ていた。
車内ではFMIラジオから音楽が流れていた
「FMIのDJトムがお送りします。」
カシャカシャカシャっとテンポ良い曲が流れた。
「全然見えないな、目的の東方交易キャンプまで後、どれくらいだ」
「おおよそ100キロ」
通信衛星を介して地図マップを見て答えた。
「おいおいまだそんなにあるのか、早くつかんと日が暮れちまうぜ、嫌だぜもう」
「黙れ、喋ってないで前後左右とちゃんと警戒しろ、昼間のテロリストモドキの襲撃で、
左舷上腕の機能が齟齬を侵している、前々から応急処置騙し騙しでやってきたが一度整備に出す。キャンプに着いたら早急に直さんと、もうすぐ付くというのに、要らん経費が入った」
「なんだよ、着いたら豪快に散財しようと思ったんだけどな」
「あきらめろ、嘆いても、たどり着かん、それにしても弾薬の補給もしんとな」
そういってレーダーで周囲を観測し警戒する。
山の様な砂漠の瀑布に往々としていた、時折、鉄の塊が道すがら見えるが戦争の名残だ。
戦車や飛行機、よくわからんコンテナ、人工物が野ざらしに捨ててあった、掘れば旧時代の遺物が見つかるかも・・・
時折、ビルらしき建物が崩れかかって点在しているが、コンクリートが風化して崩れ、窓は割れているのが容易にわかる。
砂に埋もれている建物もあるだろう、既に打ち捨てられた主無き廃墟そのものだ。
結局相棒の嘆きも気にせず、日が暮れ始めた。
夜になりキャンプまで30キロで野営の準備をした。明日には、何もなければ到着だ。
相棒の溜飲も汲めるだろう
自動小銃を肩に引っさげて集団を円にして歩いた。
集団から少し離れた所に、手頃な鉄の残骸に座り、辺りを見回す。
夜の砂漠は暗い、火を起こし辺り爛々と照らした、明日には着くと知ってか、周りでは踊ったり、騒いでいる馬鹿が大勢いた、陽気に歌まで歌って、五月蝿くてしょうがない。
「いい気なもんだぜ、まったく」
「お前もな」
頬や首筋についたアザに目視する
「いやな、昼間の活躍に踊り子達が群がってな、仕方なかったわけさ」
両手を広げながら言い訳なのか自慢話なのか行ってきた。相棒の話の様子を想像して辞めた。
ハァと頭を降って周囲を警戒しながら相棒と連れ立って歩く。
時折、集団に手を振ったり、愛想良く話したりした、主に相棒が。
俺達は、集団から簡単な食事を拝借して腹を膨らませた。
尻ポケットからスキットルを取り出し口に含んだ
アルコール成分が高い蒸留酒『ウイスキー』だ、相棒にも渡した。
「いいのか、まだ護衛中だぜ」
相棒から酒精の匂いがわずかにした、自分の事を棚に上げながら、騒いでる連中を見ていった
「問題ない、もう今夜はこないよ」
「勘か」
「勘だ」
「そうかい、なら、大丈夫だな、お前の勘はよく当たるし」
そう言って、スキットルを口に含んだ、そして投げ渡しながら飲みやった。たわいのない話をして時間を潰した。
しばらくすると、ほのかな酔いが回り気分が良くなった
相棒を見ると同じで(ここに来るまでにかなり飲んでいた)かなり酔っているようだ。
そんな時、なにげに呟いた言葉がいたに耳に響いた。
「それにしても、月の女神様も酷い事するぜ、都市だった所を砂漠にして仕舞うんだからな」
地面にある砂を握り、夜空にばら撒いた
月だ。
人類が誕生する前から存在し共に悠久の時間と歳月を歩んでいる。
灯りや方角、時には時間を示す太陰暦として有り難られた。それが、今では忌々しく思えた。
大戦によって人類、いや地球は月を敵としていた。
仮想敵国、月、侵略国家、セレーネ帝国
50年前、地球と月は戦争を起こした。
人類史上始まって以来の恒星間戦争の始まりだ。
処女作です。