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2話め

「魔唱! この前のテスト、また赤点だったからいつものところで補習な」

 僕が魔唱ちゃんに勉強の話を聞いている時、タイミング悪くこの学校の悪魔の角らしいものを生やしている先生が余計なことを言い残していく。魔唱は勉強しただけモノになることがなかなかない、苦労が報われないかわいそうなタイプのようである。


「勉強だけが人生じゃないぞ」

 さとるがなぐさめようとするが、彼女のプライドは傷ついてしまったみたいだ。僕のせいではないとはいえ、支えてあげたいと思っていたのだが……

「うるせ~、笑いたければ笑えばいいじゃない」

 彼女の落ち込みは半端ではない。誰も私に近づいてくるなオーラが強大だ。元を正せば先程のタイミングの悪い先生の呼び出しが悪いのだが、気持ちが落ち着くまではその場を動く気力がなさそうだった。



 数日後の休み時間、いろいろとあったけれど僕は魔女見習いの魔唱ちゃんとそれなりに仲良くなっていた。学校の正門と裏門が見渡せる開けた場所に地獄の番犬がいることを彼女に教えてもらう。

「あれが学校の番犬でケルベロス」

「わ――――――!!」

 番犬らしく初めて見た転校生を警戒するケルベロス、僕としては教えとけよと思ったが、それはそれで面白いので楽しむことにする。 三つの顔でケルベロスが別別なことを語りかけてきた。

「見覚えがないな」

「怪しいぞ」

「ココを通りたければ俺らを倒してみせよ」

 問いかけが楽しそうなのでさとるはそれに乗った。

「よし」


 地獄の番犬ケルベロスが勝負方法を決めなかったので僕が勝手に勝負方法を指定する。

「じゃんけんポン」

 勝ったので『あっちむいてホイ』と指を上に指すと、ケルベロスが三つの顔を上・右・左に向けた。

「負けた~」

「そりゃ負けるよ」

 魔唱がケルベロスの行動にツッコミを入れずにいられないのは無理もない。ケルベロスが下を向くことは番犬像にとって有り得ないことだと考えられるから。


 学校の中庭や校庭の見学を続けるさとると魔唱。

「あっ、ゾンビ犬」

「わーお」

 ゾンビ犬を追いかけたら面白そ~と思った僕、ゾンビ犬がその気配に気づいたのか、考える脳がないからただの偶然だかはわからないが、裏庭で何かを埋めるために穴を掘りまくっていた。

「埋めまくっているな」

 いろんなものを埋めているゾンビ犬の行動に興味のある魔唱ちゃん、彼女は気になって調べてみることにする。

「ボールにエサ」

 

 やるとしたらとことんやりたいさとるは魔唱ちゃんに便乗してそこら辺の土を面白がって砂遊びみたいに掘り返す。

「犬だからな、骨とか埋めているかも」

 僕がそんなあり得る話をしているとどこかで聞いたことのある声が聞こえてくる。

「助け……」

 どういう経緯でそうなったのかは不明だが、お偉いさんがゾンビ犬に埋められていたようだ。

「校長――――!?」

 魔唱ちゃんにとってとてつもない衝撃だったようであった。



 私はメデューサ、怪物の載っている書物とかでは人間年齢だと四十歳に見られるからメデューサの娘と考えてもらっても良い。私の特殊能力は生まれつきなのでどうしようもない、私と目を合わせると石化してしまうので友達は作れません。

≪僕がいるよ~≫

「机さん」

 妄想と取ってもらっても構わないけど私には机さんの声が聞こえる、机さんがいるのだ。妄想を続けるメデューサは寂しさも感じない幸せだと思い込んでいるところである。


「きみはいつも独りだけど友達いないのか~?」

 さとるが悪気なくメデューサに質問する。

「うわああああああ!!」

 せっかく仮想世界で満足しようとしているのに(虚しい満足感だが)現実世界に戻されて悲しい気持ちになったメデューサであった。


 さとるはメデューサの能力を知らないのか軽い気持ちでメデューサに聞く。

「僕と友達にならない?」

「え……!?」

 メデューサは能力が怖がられていて誰もに近づかれることさえほぼなかったので、最初は聞き違いかと思った。

「転校してきて間もないだろ、僕は。いいかい!?」

 さとるがフレンドリーに誘うと蛇頭娘ちゃん(メデューサのこと)が嬉しさからか体を震わせていた。

(友達・・・生きてる友達……)

 喜びのあまり感涙しているメデューサ、この喜びをどう表現するか考えているようである。

「……赤飯!! お赤飯……!!」

 メデューサが喜びのあまり、万歳で嬉しさを表現している。

「え、何かおめでたいことあった!?」

 メデューサの尋常じゃない喜びようにビックリしたさとる。彼女が過ごしてきた無為の日常を知っていたら無理のない喜びようであった。


 これを夜中に読んだら・・・怖くないです(笑)


ホラーな存在がいるだけで、ギャグ要素が強いので。

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