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苦恋

作者: 七海

今年中学校に入学した由香の物語。

胸が高鳴る入学式。

初めての先輩という名の恐怖と憧れ。

対して良い学校ではないが平凡に暮らせればいいかなと思っていた。

小学校の時の友達、綾乃と同じクラスになった。

クラスは2組で教室に入るとまったく知らない人ばかりのクラスだった。クラスの人に

「よろしくね。」

と緊張しながら挨拶を交した。

その中で仲良くなった美佳と亜衣と小学校の友達綾乃とあたしは毎日のように仲良く過ごしていた。

大分慣れた二学期だった。友達の亜衣が先輩に恋をしたのだ。休み時間に

「校庭に遊びに行こうよ」

と誘われ遊んでいた。いつもその先輩は校庭で遊んでいたからだ。

「まじカッコイイ」

と喜びはしゃいでいた。

あたしは興味が無く一人で下駄箱の方に何故か向かっていた。その時1つ上の先輩がいた。その瞬間あたしは何かに惹かれ恋に落ちた。その先輩の名前は狩野涼という名前で偶然にも休み時間に校庭で遊んでいたのだった。先輩を見ると嬉しさがこみあげてきて胸の高鳴りが大きくなる。ああ狩野先輩と仲良くなりたい。

ずっとそんな事を考えていた。ある日亜衣がずっと想いをよせていた先輩に

「アドレス教えてください。」

と言った美佳と綾乃とあたしは陰で応援していた。でも亜衣は

「ごめん。無理。」

と断られてしまったのだった。

あたし達3人で亜衣を励ます事しかできなかった。

そしてあたしは亜衣と同じように狩野先輩にアドレスを教えてもらおうとしていた。

でもできなかった。あたしも断られたらと考えるとどうしても無理だった。

あたしは2年生になって狩野先輩が3年生になった。

もう忘れてしまおうとしている時に美佳が狩野先輩のアドレスを3年生の女の先輩に教えてもらってくれたのだった。

とても有り難かった。嬉しくて嬉しくて家に帰り早速メールをしてみようとした。

「[初めまして中2の由香デス●>▽<●]こんなんで良いのか?まぁ良いか。」

メールを送ってみた。

何分かしてメールが来た。

胸が高鳴る中で受信フォルダを開いてみたらただのサイトのメールだった。

「なんだよっ!紛らわしいメールすんな!」

一人でブツブツ文句を言いながらメールを待っていた。

何分待ってもメールは来なかった。

1時間ほどたってまたメールが来た。

また胸が高鳴る、そして受信フォルダを開いた。

やっと来た狩野先輩からの返事だった。返事の内容は

「返事遅れてごめん!俺は狩野涼」うわぁぁ優しそう。自然に顔がにやける。

「急にメールしてごめんなさい。」そんなメールを続けていた。

彼女はいないらしい。

そしてモテるみたいだった。

あたしの顔は見た事あるらしく知っていた。

でも気付いた。

高校という壁を。

もう学校では見れないと。

だから決意した。

卒業式の後、告白すると。

決意した時はもう三学期だった。

後何ヶ月かしかない時の中であたしは待った。卒業式を。

卒業式前日。ちょっとだけ髪型を変えてみた。

「気付いてくれるかな。」

卒業式が始まった。

一人一人卒業証書が渡され狩野先輩も渡され、少し切なかった。その後のあたしの頭の中は

「付き合ってくれるかな」

そんな事ばかりだった。卒業式も終わり

「卒業おめでとう。」

とメールを送った。

「ありがとう。」

と返って来た。

「そして告白しなきゃ。」

と考えていた。でも手が動かない。思い出したのだ。亜衣の出来事を。

「もし断られたらどうしよう。」

「もしキモいって言われたらどうしよう。」

あたしは好きといって先輩を失いたくなかった。

「もう諦めよう。」

簡単に言った言葉。

後々苦しくて悲しいと知らずに。

諦めてからもう1ヶ月がたった。あたしの胸には悔しさと苦しさと悲しさが残った。

「あの時告白していたら」

そう考えると涙が溢れていた。

失うのが恐かったんじゃない。自分が傷付くのが恐かった。

「ああ、あの時に戻れたら」

。悔しくなった。

「いつになったら忘れられるの?」

「あたしには春が来る?」

「逢いたいよ。」

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