懐かしい顔
「……お邪魔します」
「…………どうぞ」
どうしてこうなったのか、、、
遡ること
――2時間前――――
そもそもの文通相手
姉のあおいに連絡することになった
「姉ちゃん、俺が空手してる時の文通相手覚えてる?
なぎささんって人」
「……あぁ!あんたのこと好きな子でしょ?
覚えてるよー!」
……どんな覚え方だよ!
しかも手紙の内容そんな感じだったのかよ?!
ぐるぐると疑問が浮かぶが目の前にいるのでオープンなことは聞けず……
「その人と今一緒にいるんだけど……」
「え!そうなの?会いたいから家まで連れてきて!
17時半には帰ってくるから!!じゃあ!急いで仕事終わらせるから!!」
ブチッと電話を切られて
有無を言わさずこの状況になってる……
母親には姉ちゃんの友達がくると伝えておいた
家までの道中気まずくて何も話すことがない
何せ俺も女性経験がないのだ
「……お邪魔します」
「…………どうぞ」
とりあえず家に案内して中で待ってもらうことに
「おかえり〜」
中に入ると母から声をかけられる
「姉ちゃんの友達連れてきた」
「……お邪魔します」
「いらっしゃい〜、あおいまだ帰ってきてないの、
ゆっくりして行ってね?
航のお友達でもあるの?不思議な繋がりだね?」
……とても不思議な繋がりです、はい。
「母さん、テコンドーと空手優勝しまくってたなぎささんって人だよ」
「そうなの?すごいじゃない!」
全然覚えてなさそうだな笑
「ただいまー!」
姉のあおいが帰ってきた
「なぎさちゃんでしょ?懐かしいねー!
すっごい垢抜けた?かわいい〜!」
久しぶりなのに距離感バグってる姉
ヨシヨシとなぎささんを撫でている
「お久しぶりです……
覚えててくださって光栄です!」
「文通ね、私がしてたの!航の字が下手くそで読めなそうだったから笑」
「……そうなんですね、私航さんだと思ってて……」
「なぎさちゃん、航のこと好きだったもんね?笑」
「…………」
「…………」
爆弾投下しやがった!!!
「姉ちゃん、昔の話掘り返さなくてもいいじゃん」
「そうだね!ごめんごめん!!
私の部屋で少し話そうー!」
なぎささんの背中を押して部屋に連れて行く
大丈夫かな……
「ただいま〜!」
父親が帰ってくる
「りこちゃーん、誰かお客さんきてるの??」
りこちゃんとは母親のことだ
お父さんは望、2人は仲が良く普段から名前で呼び合っている
「望くん、おかえり!
あおいと航の友達なんだってー!
望くん航が空手してる時の優勝してた女の子覚えてる?」
「……いたね、確か!そんな子が!!」
「その子が遊びに来てるの」
「へぇ〜、不思議な繋がりだね〜!」
「一緒のこと言ってる!へへ」
イチャイチャするのは目の前ではやめて欲しい笑
「なぎさちゃんも晩御飯食べて行くかなぁ?」
母に問われて、聞きに行くことに
「姉ちゃん」
コンコンと部屋をノックして尋ねる
「晩御飯一緒にどうですかってよ」
「えっ!私ですか?」
貴方以外誰に言うんだよ
「うん」
「なぎさちゃん食べて行って?
まだお化粧の途中なの」
「……遊びもんにすんなよ」
「だって、素材が良いから!!」
母さんに食べて行くらしいと伝えて
一緒に食事の準備を手伝う
呼びに行くと少しメイクを施されたなぎささんがでてくる
「航、どう?」
「うん、よくわからない」
「お母さんー!!!どうー??」
「えー!かわいい!!!」
女同士で盛り上がっている、
うちのレディースはうるさい
「いただきます」
みんなでテーブルを囲んで夕飯を食べ始める
いつも4人だから5人いると少し狭いな……
「今は何してる人?お仕事とかは……?」
お父さんがなぎささんに問いかける
「……医療事務してます、薬局の受付の仕事です」
「空手はいつやめたの?」
俺も聞いてみる
パッと目が合うけれどすぐ逸らされる
「……空手は中学校で辞めました、
テコンドーも……
中学校の入学式で男の子相手に技仕掛けてしまったので」
「…………」
話の雲行きが怪しくなりなぎささんが話し辛そうにまた続ける
「それで、中学校で友達作りに失敗してしまって
そのまま高校、大学もずっと1人だったんです
だから、今日嬉しかったです、友達いなかったから……」
「……そっか、」
「そうなの〜?こんなに良い子なのに!
また遊びにおいで?」
「そうだよ!また会おう!うちに来たい時、航に連絡して?笑」
「何で俺だよ」
「航が帰ってくる時にうちに連れてきたら?ふふ」
こいつら、面白がってるじゃん……
「姉ちゃんが今連絡先聞けばいいだろ!」
「あー!航!!照れちゃってー!」
夕飯を食べ終わり、なぎささんが帰ることに
「航、送ってってあげなさい」
「お父さん、送ってってよ」
「お父さんビール飲んじゃった笑」
あー風呂まで入って帰りたかったけどまぁいいか、
「じゃー俺もまっすぐ帰るわ」
荷物の準備をしてなぎささんと一緒に帰る
「お願いします」
「あー、はい」
なぎささんの家まで送っていく
「婚活、どうするんですか?」
「私、早く結婚しないといけないんです
なので、続けます」
「そっか、頑張ってね」
「変じゃない人ってどうやって見分けたらいいんでしょうか」
「変な人じゃないですかって聞けば笑」
「そうですね!」
「いや、冗談だから笑」
「あっ、すみません……」
「ここです、ありがとうございました」
……自分の職場からかなり近いとこだった
「……お疲れ様でした」
あんな天然記念物みたいな人いるんだな
正直、もうこれきりで関わることはないと思っていた




