Episode18x:お迎えにあがりましたわ
生徒会書記「シャドウ・デイモン」が敗走して10日後、シティの風紀委員3人はニューヨークおよびワルシャワにいる学友に会うために、海外に飛び立った。「清子」はニューヨーク、「仁雄」と「和子」はワルシャワという、それぞれの方向に進んでいった。
7月27日(火)昼 ニューヨーク
2人がワルシャワに向けて飛び立つのを見届けた「清子」は、手持ちの地図(紙)を見て、「ラファエル」の住所に向かうべく大都会を彷徨う。
「(清子:)わたくし一人でラファエルさンちまで行けるかしら...。」
馴染めない場所、方角がわからなくなり途方に暮れるなか、「ドロシー」が「清子」の前に現れる。
『"道に迷っている可愛い子、私でよければ案内してあげよう。"』
「(清子:)どちらさまですの?」
『"ドロシー。この都会全体を何でも知ってる自称未来人。とりあえず、私の学校の近くまで歩いて行こう。"』
「(清子:)...では、ご案内お願いいたしますわ。」
「ドロシー」が学校周囲を案内してくれるようで、未来人に導かれるまま歩いていく「清子」であった。
その頃「雅史」は、「ラファエル」の実家で退屈そうにくつろぐ。
「(ラファエル:)生唾の湧くハンバーガーだ、食べなさい。」
「(雅史:)さすがに飽きたよもう。お昼は蒸し貝って言っておきながらも...?人に言えない事情あり?」
「(ラファエル:)馬鹿言え、ロースが燃えてしまったなんてことを口が裂けても...元ネタ知らんか。」
「(雅史:)知るわけないでしょ?」
インターホンの音が聞こえたようで、様子を見に来てみると、「ドロシー」が立っていた。
『"雅史いる?あっと驚くサプライズがある。"』
「(ラファエル:)...ドロシーか。ちょうどいいところだ、入りなさい。」
「(清子:)ごきげんよう、ラファエルさん。」
「(ラファエル:)!!風紀委員か!?さてはコンブリオのやつ、この子に俺の実家を教えたな...。ま、入りなさい。」
「清子」と一緒であることに驚くものの、家に入れさせる「ラファエル」。
「(ラファエル:)これで雅史も驚くぞ...。」
「ラファエル」の実家は戸建て住宅で、今は祖母「アトラス・ザ・グランマ」と暮らしている。
「(清子:)おばあさん、ごきげんよう。」
「(アトラス家の祖母:)ごきげんよぅ。珍しい客だねぇ。」
「(雅史:)その声は...清子!?それも夢なの?僕は夢を見ているの?」
「(清子:)夢ではありませんわよ雅史さん。ご無沙汰しております。」
「(雅史:)夢じゃなかったんだ...。会いたかったよ清子。長旅大変だったでしょ?他のみんなは、杏璃と健太はどうしてるの?」
「(清子:)他の皆さんは元気ですわよ。風紀委員長や和子さんは今、ワルシャワを観光しておりますし、杏璃さんと健太さんは帰宅部3人とともにダイアナさんやハイペリオンさんに護られておりますのでご安心を。」
「(雅史:)...よかった。」
「雅史」は「清子」を抱きしめる...。
...つもりが、「清子」が「雅史」を抱きしめる。逆である。
「(清子:)...わたくしのほうこそ、あなたがたに会いたかった...。一生会えなくなるのが嫌で、ついここに来ました...。風紀委員長だって、4月半ばにいなくなったハンナさんに会うためにワルシャワに向かっていますの...。」
「(雅史:)...僕達だけでなく、姐さんまで...。当然のことだけど...一家ごとなの......?」
「(清子:)風紀委員長によりますと、ワルシャワに退避したのはハンナさんだけで、母親とシモンさんは日本に残りましたわ。」
「(雅史:)姐さん一人でワルシャワに退避するとは考えにくい。ワルシャワで単身赴任している姐さんの父が今の日本の惨状を知って、せめて姐さんだけと一時帰国して、連れたのちとんぼ返りしたんだろうね。姐さんの母とシモンを残して...。」
「(ラファエル:)家族全員連れて行くのはコスト的には無理だからだ。まさか父に連れていかれる形でワルシャワに飛び立ったとは、法的処置やらはその程度ということか。」
「(雅史:)...姐さんの力でもどうすることもできなかった。悔しいけど、ラファエルの言ってることは認めざるを得ないかも。」
「(清子:)雪郎先生の言うことは正論でしたわね。日本の警察が動いてくれませんので、先生自らが来日してきて、わたくしらの街をパトロールしてくれました。今はどこにいるかは知りませんの。」
「(ラファエル:)...コンブリオのやつ、どこでほっつき歩いているのか。...あ、そうだ。清子よ、生唾の湧くハンバーガーいるか?頑なに雅史が召し上がってくれん。」
「(清子:)!!それはぜひ、食べてみたいものですわ。」
『"実はこのハンバーガー、ロナルドブレッズ本家のハンバーガーにそっくりなのに。"』
食卓にハンバーガー4個、そのうち1個は「ラファエル」が既に食した、「雅史」は怪しげなハンバーガー手つかずであるとすると、ざっと3個残っている。「清子」はハンバーガー事情を知らないまま手料理に見せかけたハンバーガーを手に取り、かじる。
「(清子:)ラファエルさん、みかんジュースありまして?わたくし、コーラあんまり飲みませんので。」
「(ラファエル:)注文が多いな。コーラくらいで...コーラでは不満だというのか。そこまで言うのならば、オレンジジュース入れてくる。」
「(清子:)...それにしても、焦げた肉のニオイがしますわね。」
「(雅史:)実はね、ロースが燃えてしまったらしいよ。ばあさんはあまり料理しないらしく、ファストフーズでの外食かデリバリー、それしか選択はないし...それに僕、料理できないもん。」
「(清子:)それなら1ヶ月の間、わたくしが手料理を振る舞いますわ。異論はなくて?」
「(雅史:)清子の手料理...うん、お願いね。」
『"雅史の恋人の手料理、楽しみにしてる。"』
「(アトラス家の祖母:)ごめんねぇ、うちの孫の手料理はいつもそうでねぇ。」
「清子」は1ヶ月の間、「ラファエル」の実家に滞在することになり、ご飯は全て彼女がやってくれるようだ。
7月28日昼 ワルシャワ
ここはポーランド・ワルシャワ。その頃、風紀委員長「仁雄」と「和子」はワルシャワで「ハンナ」を探しているとのこと。
「(和子:)委員長さん、ハンナさんは今どこにいるでしょうかね...。」
「(仁雄:)情報筋によると、ハンナはワルシャワの中にいるらしい。あの父親...ハンナだけを連れて、どうするつもりだろうか。」
「(和子:)まあ、まずは色鮮やかな集合住宅の住民にハンナさんの父親のことを片っ端から聞き込んでみましょうよ。」
「(仁雄:)そうだな、まずは住民に聞いてみるとするか。」
まずは情報収集から、住民に父親の存在を聞いてまわった。わかったことは、一人で買い出しにマーケットを歩いているらしい。手がかりを掴めた2人は、マーケットに移動する。そこに「ハンナ」の父親らしき人物が...。
「(仁雄:)日本人...か?名はなんていう?」
「(ハンナの父:)日本人...君らは娘のクラスメイトか?」
「(仁雄:)いかにも。迎えにあがるべく、ここに来た。ハンナの居所まで案内してもらおうか。」
「(ハンナの父:)今の日本の惨状くらい、君らにはわかっているだろう?娘を日本に送り返すわけにはいかない。さぁ、帰った帰った。」
「(仁雄:)ハンナに会うためにここまで足を運んできて、何の収穫もなく帰るわけにはいかん。1ヶ月くらい世話になる。」
「(和子:)わたしたちはただ、ハンナさんの近況を知りたいだけですよ。」
「(ハンナの父:)...そこまでいうなら、会わせてあげよう。ついてきて。」
「ハンナ」の居所を案内してくれるそうで、2人は彼についていくことになった。
ここは集合住宅、「藤田トオル」号室。この号室に「ハンナ」がいるはず。家にあがった2人との再会はいかに?
「(ハンナの父トオル:)ハンナ、お客だよ。挨拶しといてよ。」
「(ハンナ:)...?」
「(仁雄:)こうして君に会うのは3ヶ月以来か。」
「(和子:)ハンナさん、ご無沙汰しておりますよ。」
「(ハンナ:)ヨシオくん...和子さん......。どうしてここに...?」
「(仁雄:)どうしてもなにも、俺らになにも知らせずに姿をくらました君に会いに遥々足を運んできたのだから。連絡しても返答がなく、何があったかと思い、第三者(雪郎やら)との協力を得て現地へ駆けつけたが元気そうでなによりだ。俺らとともに日本へ帰ろう。弟シモンを置いて姿をくらます姉がいるかってんだ。」
「(和子:)雅史さんがニューヨークにいるという話はご存じですよね?清子さんは今頃、雅史さんのところにいたり。」
「(ハンナ:)...清子さんが?」
「(和子:)そう、愛しの雅史くんに会うために渡米してきたんですよ。」
「(仁雄:)ハンナよ、考え直してほしい。俺らの元に戻ってきてくれ。」
「(トオル:)話はそれだけか?何を言われようが、答えはnieだ。」
「(和子:)何気にポーランド語...。あくまでもハンナさんを送り返さないつもりですよね。委員長さん、どうします?」
「(仁雄:)彼女の心境を知り、考えとく。ハンナ、日本に帰りたいか?......?」
「ハンナ」に今後のことを問いかける「仁雄」。
「(ハンナ:)...日本に戻ったとしても...もう遅い。5月の修学旅行に行けなかった、思い出を作ることはもうかなわない。雅史くん...私のかわいい後輩がいなくなって困惑...戸惑い......3ヶ月前の状況を理解できなかった、こんな私で申し訳ない。」
「(仁雄:)...卒業が近い時期で復学したところで時すでに遅し...か。せめて1ヶ月の間、俺らとともに過ごそう。たとえ意味のないことだとしてもだ。」
「(和子:)清子さんとハンナさんは昨年の3月13日からゲーム友達でしたし、わたしだってあなたとの時間が欲しいくらいですよ。(2009年1月29日リリースのゲームの話ですけどね。)」
「(ハンナ:)清子さんとはヨシオくんを通じて知り合ったもう一人のかわいい子で、あの子のために25000円(2009年3月5日発売の新色ラディアント・レッド19800円+同年1月29日リリースのタイトル5200円、いずれも税込)を費やし、一緒に遊んだくらい。」
「(和子:)1人用ゲームですけどね。清子さんの指導のもとストーリーを進んで、さらに楽しくですね。あたま...。」
「(トオル:)思い出話はそれくらいにしておいたらどうだ。どれだけ語ろうが、状況は変わらないんだ。」
「(和子:)ちょっとばかりか、喋りすぎましたね。そういうことで、勝手ながら1ヶ月間世話になりますよ。親御さん。」
「(仁雄:)航空機の中に座り続けたせいで疲れた、休憩所が欲しいところだ。しばらくの間よろしくな、オトウ。」
「(トオル:)...人の家に上がり込んだ結果か......。1ヶ月間だけ泊まってあげようか。」
ハンナの父「トオル」の号室でお泊りすることになった風紀委員2人。「ハンナ」と過ごす時間ができたようでなによりだ。長旅で疲れているだろう、ワルシャワで英気を養いながらもポーランド文化を堪能するのであった。
それから1ヶ月後...。
8月25日(水)昼 ニューヨーク
世界に名だたる大都市「ニューヨーク」。気がつけば、8月25日すなわち1ヶ月経過した。E.G.ニューヨーク支部のワープゾーンから出てきた「レベッカ」一同は戦力になるべく仲間を探しているとのこと。4人揃って街中おでかけしているものの、一同の姿を目撃した「ラファエル」達は...。
「(ラファエル:)コンブリオ!?それにあのレベッカも一緒とは...。」
「(雅史:)どうしたの?」
「(ラファエル:)この場を離れるぞ。見つかるとかえって面倒になる。」
『"賛成。今すぐ離れよう。"』
おでかけしている4人は「レベッカ」一同の視線から離れるべくこの場を後にした。「ラファエル」の気配に気づいた「アレグロ雪郎」は...。
「(アレグロ雪郎:)野暮用ができたんで、一時的に離れることになる。それと、あんたら自由行動しても構わないぜ。」
それだけの理由で、一時的に「レベッカ」一同から離れることになった。残された「レベッカ」一同は別行動を取ることに。未来人二人と亡命者二人、イギリス代表「マイケル」やイタリア代表「ロバート」は都市を楽しみ、「レベッカ」と愉快な仲間たちとお目付け役「ハルミ」や「ミュゼット」は引き続き仲間を探すことになった。
「(レベッカ:)仲間を探すといっても、情報が足りないな。ミュゼット、君は情報操作員なんだろう。情報ないかな?」
「(ミュゼット:)私に聞かれても......わからないのよ。アメリカでの亡命者は私だけ...ん?もう一人いたような...。雅史のこと?でも、どこにいるのかは知らない。未来人がいるとの情報はないし。」
「(レベッカ:)まぁ、やってみないとわからないことだし、探してみよう。」
そうと決めたレベッカは雅史とやらを探すことにした。その頃おでかけ4人は、「レベッカ」から離れた場所にいる。
「(雅史:)どうなってるのよ?こんな遠い場所まで連れ回って...。」
「(ラファエル:)雅史はコンブリオの手の届かぬ場所に退避しなさい。ドロシーもだ。」
『"どのみち、接触は避けられない。雪郎司令官のほかに、未来人がいたんでしょう?"』
「(ラファエル:)そんなやつ知らん。さ、離れるんだ。風紀委員も雅史と一緒にいてあげなさい。」
「(清子:)お言葉ですが、わたくしは雪郎先生に話がありますの。雅史さん、またお会いしましょう。あなたがたのためにあらかじめ買っておいた前売り券(中学生以下800円なので計2400円。わたくしのを含めると4800円)3枚持ってますわね?今月末(31日火曜日)までなので、レベッカさんを通してまで日本に戻り、色違いの三聖獣を手に入れてくださいまし。わたくしは今日中日本に帰りますので。」
「(雅史:)...また会えるよね?」
「(清子:)ご心配には及びません、わたくし一人で帰れますもの。ドロシーさん、雅史さんをお願いしますわ。」
『"承知した。"』
「(清子:)あー、それから!!わたくしのことはレベッカさんに話さないようお願いしますわ!!」
「(ラファエル:)遅かれ早かれコンブリオが接近してくる。俺が時間を稼ぐ、雅史とドロシーは早急に人混みの中に隠れなさい!!風紀委員、コンブリオとのエンカウントに身を備えなさい。」
「雅史」と「ドロシー」は人混みの中に隠れ、残りの2人はこれから遭遇するであろう「アレグロ雪郎」に対応するべく構える。
数分後、「レベッカ」一同が都会で根気よく戦力になりうる「仲間」を探しているとき、「雅史」は「ミュゼット」を目撃すると、久しぶりのあまりか声をかけてしまう。
「(雅史:)もしかして、ミュゼット?」
「(ミュゼット:)あ...こうしてまた会うとは。立ち話もなんだし、落ち着く場所に移そう。雅史の隣の知らない女も一緒にね。」
落ち着く場所に移動後、「ミュゼット」は「レベッカ」一同に「雅史」を紹介する。
「(ミュゼット:)この人が大原雅史。私の知人だよ。」
「(雅史:)健太と杏璃の奨めでアメリカに逃げてきたはいいけど、アメリカの知人(ラファエル以外)がいなくてね。(いるわけないでしょ?)運良く僕の学園を知っている未来人に出会った、今も同行しているよ。この人はどうも人前でしゃべるのが苦手でしてね、筆談しなきゃっていうタイプだよ。」
『"以後、お見知りおきを。"』
「(レベッカ:)ジンやモルガンに続き、3人目の未来人か。ウェーブがかった黒髪かつドクターの妻の他、来年より内戦が起き、2017年にドカーン。いつものパターンだろうか?」
『"それとは別。二年後に雅史の母校『樋串武学園』は廃校になる。"』
「(雅史:)最初は信じなかったけどね。...それに僕の憧れの国に永住するとは思わなかった。好きなんだもん、アメリカ。...おっと、能書きはそれくらいにして自己紹介いくよ。僕は大原雅史、樋串武学園の元生徒...とでもいっておこうかな。今は自由の国の学校の生徒だよ。自由だから制服は留学?前のままだよ。」
『"ドロシー。未来人。"』
「(レベッカ:)ドロシー...よろしくだが、命がけの戦いになるけど大丈夫?」
「(雅史:)一度は逃げて済むと思った。でも逃げたところでなにも変わらないと考えると、なんかもう...僕だけが助かるだけで、逃げずに留めている杏璃と健太には悪いし。...よし、日本に引き返そう。僕は既に留学生なので今更、樋串武学園に戻る気はないの。ただ、二人を助けたいだけだからね。」
「(レベッカ:)そうと決まれば、さっそく日本...やっぱ怖いな。」
「(ミュゼット:)日本へ戻るには雪郎がいないと意味ないじゃん!!」
「(レベッカ:)雪郎は今ごろ、どこで何をやっているのだろうか...?」
アレグロ雪郎はどうしても外せない用事があって、なかなか戻らない。それはたぶん「ラファエル」を見て、用事を思い出したからだ。行き先はつまり、「ラファエル」の実家であり、今日限りでニューヨークに来た「あの子」に顔を合わせるためだ。身を構えている「ラファエル」は「アレグロ雪郎」の本当の狙いに気づき、急ぎで実家に向かう。
「(ラファエル:)妙だと思ったんだ。俺に向かってくると思いきや狙いは実家とは...こうしていられん!!風紀委員、俺についていきなさい!!」
「(清子:)ら、ラファエルさん!?」
数分かけて到着するも時すでに遅しかも。
「(アレグロ雪郎:)9年前にWTCの下敷きとなってこの世を去ったラファエルの両親...俺にあんたらの形見...神器を貸してくれ。」
「(セレーネ:)...雪郎先生。」
「(アレグロ雪郎:)心配することはないさ。この神器で先生の俺が守ってやるからな。」
アトラス家に伝わる神器のひとつ「センチネルシールド(Sentinel Shield)」は、ありとあらゆる攻撃を完全に防ぐ、名前通り守護者が使う「べらぼうに強い盾」である。
ドンッ!!!
「(ラファエル:)...コンブリオ。わが神器目当てに来るとは...どういうわけだ?やつに怖気づいて、すがりに来たのか?」
「(アレグロ雪郎:)...何勘違いしているんだ。俺はありとあらゆる手段を使って、やつに立ち向かう。守護者の盾を持ってでもな。」
「(ラファエル:)やつは恐ろしい、どんな手を使って対処できるものではないことはコンブリオにはわかっているはずだ。」
「(アレグロ雪郎:)...ロバートチームは全滅した。他に方法はどこにあると?」
アレグロ雪郎の携帯電話(iPhone 4/今月よりG3から機種変更)にメールが来た。緊急連絡とのこと。
「(アレグロ雪郎:)...エマージェンシーか。ラファエルよ、俺とともに戦ってくれるか?」
「(ラファエル:)...遠慮しておく。俺の従妹セレーネの世話をせねばならん。風紀委員は無論、コンブリオとともに歩みなさい。」
「(清子:)雪郎先生のことを考えると出しゃばって、わたくしを差し置いて、おふたりで盛り上がって...雪郎先生についていきたいのは山々なのですが遠慮しておきますわ。ほかを当たってくださいまし。」
「(アレグロ雪郎:)...つれないな。ポルカに生き写しなセレーネに会えて光栄だぜ。」
「(清子:)この子がセレーネさんというですの?ハンナさんの弟シモンさんより小さくて愛嬌がありそうな...。」
「(ラファエル:)今日中日本に帰るのだろう?コンブリオにビジネスジェットで送迎してもらいなさい。セレーネのことは俺が面倒を見といてやる。」
「(アレグロ雪郎:)さ、清子。俺についてきな。」
「(清子:)...よろしく頼みますわ。」
「清子」は「アレグロ雪郎」についていく形で荷物をまとめ「ラファエル」の実家を後にした。
「(ラファエル:)セレーネ、グランマ。いつもすまんな。コンブリオが2人に迷惑かけてしまって。」
「(アトラス家の祖母:)いいのよぉ。なにせあの子はエネルジコの孫だからねぇ。」
「(セレーネ:)...うん、木にしないよ。」
「(ラファエル:)さて、どうしたものか。」
その後、「アレグロ雪郎」は「清子」を連れてE.G.ニューヨーク支部に設置してあるワープゾーン前まで移動した。
「(アレグロ雪郎:)清子よ、日本に帰るといい。ここから先は俺たちのミッションだ。あんたの出る幕はないだろう。」
「(清子:)この装置みたいなものは何ですの?」
「(アレグロ雪郎:)この装置はな、いけすかない伯爵が異世界の技術を駆使して作り出した転送装置『ワープゾーン』といい、わざわざ面倒な航空機に乗らなくとも行き来できる代物だ。この装置で世界を渡ってるからな。さ、帰った帰った。」
「(清子:)...目的地はどこにしますの?」
「(アレグロ雪郎:)E.G.日本支部は...よしておくとして、密かに設置した商店街グラウンドにしておこうか。それならレベッカに気付かず帰れるだろう。ワルシャワにいる風紀委員長にも伝えておいた。あんたの学友に土産話でもしとけよ。」
「(清子:)...幸運を祈りますわ。」
「清子」は初めて見るワープゾーンを潜り、日本へ帰っていった。
「(アレグロ雪郎:)さて、未来人のいるところに行くとするか。」
場所はニューヨークのカフェ。未来人二人こと「立花ジン」と「鈴木モルガン」は、亡命者二人こと「安藤アイ」と「高橋晃樹」から目を離れないように見張りつつ、この場所で会話していた。
「(ジン:)核戦争のない世界...なるほど、そんな未来なのか。」
「(モルガン:)お互い様でしょ。...もしも並行世界の別人がいるという噂が本当だとしたら...。」
「(ジン:)それはありうるな。もう一人のレベッカがいるといいな。」
2人で会話しているうちに、野暮用済ませた「アレグロ雪郎」がカフェに来た。
「(アレグロ雪郎:)一度日本へ戻ることになった。原作者からのエマージェンシーだ。全員集合!!」
彼の号令により皆は、日本へ戻ることとなった。たまたまカフェにいる「レジーナ・バーグマン」が「アレグロ雪郎」に接近する。
「(アレグロ雪郎:)ついでにあんたもだ。」
「(レジーナ:)...。」
8月25日(水)18時 / ワルシャワ25日(水)23時 / 東京26日(木)7時 商店街グラウンド
商店街グラウンドに密かに設置してあるワープゾーンから出てくる「清子」。
「(清子:)ここは...わたくしらの商店街グラウンド...。あ...時差によるか急に疲れてきましたわ...。」
立て続けに「和子」や「仁雄」がワープゾーンから出てくる。
「(和子:)転送装置で早く帰れると聞いて潜ってみましたが、まさかそんなに早く帰れるとは思いませんでしたよ。」
「(仁雄:)...すまん、ハンナを連れ戻すことは叶わなかった。清子のほうはどうだ?」
「(清子:)雅史さんは今頃、接触したレベッカさんとともに日本へ帰っているはずです。」
「(和子:)わたし個人として久しぶりに会いたいですね。3人で映画を見に行きましょうか。」
「(清子:)雪郎先生にお願いして、見に行くとしますかね。」
その後、日本に帰国した「雅史」は直後の修羅場(刺客との戦闘で亡命者は物陰に隠れる。)をしのぎ、お目付け役「ミュゼット」に同伴する形で外出許可をいただき、4人で映画を見に行った。映画鑑賞は翌日「27日(金)」の話である。
「(清子:)わたくしは2回目の映画を見ているでしょうかね...。(引換済のチケット3枚のうち2枚は和子さんとカルウさん。)」
「(和子:)もう一度見ることで新しい発見がありそうですね。」
「(ミュゼット:)クーン、ガオー、グオー。三聖獣の咆哮だけに。」
さらに、映画館でもらえる小さな妖精をゲットしたのであった。
「(ミュゼット:)よかったね雅史。あなたのためにわざわざ財布をはたいてまで前売り券を3枚買ってくれた清子に感謝しないとね。」
もうひとつ言っておこう。三聖獣はその前日、百貨店で引き換えたのである。




