表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
New Nicochu Wars: Rise 2010 / ニューニコチュウ襲来 ライジング2010  作者: 原作:Rebecah Creative Studio / シナリオ原案:桃太郎V
2/11

Episode14x:希望の序章

 陥落していく日本から脱出し、なんとか渡米できたキャプテン「大原雅史」は、「ラファエル・アトラス」や「佐藤打斗(ビート)」、「七面緋音」や「アダム・エデン」とともにニューヨークで暮らすことになった。政治亡命または難民に該当する3人の永住権は「ラファエル」や「アダム」が申請してくれるそうで、しばらくの間だが市民権を手に入れるに違いない。日本を離れれば追手が来ない、あるいは...さすがの追手もそうやすやすと国外に手出しできない。おかげで、ニューヨークで暮らす環境を入手した。


 到着後、ニューヨーク州出身2人および地元の人は早急に亡命者3人を迎え入れ、「ビート」はE.G.

本部にいる最高責任者兼FBI長官「エネルジコ・コンブリオ」や超官「エドガー・グッドウィン」に保護され、「雅史」は「ラファエル」の家、「シチメン」は「アダム」の家でホームステイを始めた。この新環境を受け入れ、通学先の学校で謎の少女「ドロシー」に出会い、どういうわけか樋串武学園のことを知っているようだ。


 今年、平成22年(西暦2010年)...。


 4月15日(木)15時 ニューヨーク 雅史の場合


 ここはニューヨークの学校。かつて「ラファエル」が通った母校で、ヨーロッパの生徒がたくさんいる。「雅史」は14歳-15歳なので、五ヶ月でGrade 9に進級する。それは、日本とアメリカの学校に大きな違いがあるとのこと。公用語が全部アメリカ英語ゆえか、今の環境になかなか馴染めない「雅史」であるが、「ラファエル」のフォローか先週8日で知り合った謎の少女「ドロシー」の交流を深めることによって、なんとか乗り越えた。


「(雅史:)君がいてくれて助かるよドロシー。」

『"どういたしまして。"』

「(雅史:)それにしても樋串武学園を存じてるし、君は何者よ?ここに来て間もなく真っ先君から僕に話しかけといて、未来人と称して二年後に学園は廃校になるという冗談を言うたり...とか。」

『"誰も信じてくれないだろうけど私は未来人だって先週からそう言ったのに...。"』

「(雅史:)ま、学園を存じているのは確かだし、とりあえず君の未来人やらの設定を信じることにするよ。」

『"信じてくれるかは怪しいけど、信じてくれるならそれでいい。"』

「(雅史:)...ここではサッカーやる場所ないし、ラファエルんちに帰ろう...。杏璃や健太がいなくて心細いし、今でも音信不通の姐さんが気がかりで落ち着かないし。......清子。」

『"いい友、持ってるね。そんな友が気がかりで不安なら、いつでも付き添ってあげる。私、君の学園を知る未来人なので。"』

「(雅史:)好きにどうぞ...。」


 4月7日(水)7時30分 ニューヨーク シチメンの場合


 ニューヨークの学校。さかのぼることほぼ一週間前。

「(ジェシカ:)お姉さま!!お姉さまなの!?やっぱりお姉さまだ、私だよ私、ジェシカ孔雀。覚えてるよね!?」

「(シチメン:)私に構うな。」

「(ジェシカ:)ちょっと待ってお姉さま!お姉さまってば!!」


 感動の再会にもかかわらずドライな反応を見せる「シチメン」である。


 4月1日12時 カリフォルニア ミュゼットの場合


 さかのぼることエイプリル初日。

「(ミュゼット:)あの...その...雪郎。」

「(アレグロ雪郎:)...なるほどな、あんたが噂の伯爵の下女か。事情を説明しなくともわかってる。伯爵に見放されいて、あんたを助ける者はいないと。それで、俺の手を借りたいとでも言いたいんだろ?」

「(ミュゼット:)全部お見通しかよ...。...やばっ、私の大事な荷物が手違いでニューヨークに流れてしまったかも...。」

「(アレグロ雪郎:)あんたの手荷物ならラファエルが気づいてくれてな、E.G.本部が弟分ビート含め丁重に預かってるらしいぜ。本部から流出しては一大事なら今から取りに行くか?だが、もう遅い。忘れ物は後にしたらどうだ。」

「(ミュゼット:)ちぇ...。それより雪郎のそばにいるのは誰よ?」

「(アレグロ雪郎:)ああ、この子はハルミ、七面晴海だ。イタリアから呼び寄せてやった。」

「(ハルミ:)...アネキの妹っていえばわかるよね?」

「(ミュゼット:)ア、アネ?あぁ、アネさんの事ね。ラーメン屋の大将代理の妹か...。え?妹いたんだ...。初耳だ。アネさん、家族の話してないし...当然だよね。」

「(雪郎:)そういうことだ、ハルミをよろしく頼むぜ。...繰り返し言う、俺に助けを求めたいんだろ?なら話が早い。実は俺、祖父の指令を受けてるんだ。陥落した日本へ赴き、奴の悪行を調査しろって。いわゆる情報収集ということでな、ミッションに欠かせない人材、すなわち情報操作員が欲しいところだ。あんたに限らず、うちの情報官を引っ張ってきたぜ。それと、俺の知人ブラーは今、日本支部で俺達を待ってるからな。さあ、協力してくれるか?」

「(ミュゼット:)どのみち日本に引き返すことになるか...。わかったよ、どんな手を使ってでもテリーを止めるためなら...!!」

「(アレグロ雪郎:)よし、決定だな。というわけでHey, エルエー、新米の情報操作員ミュゼットをよろしくな。」

「(ミュゼット:)エルエーって...?」

「(エルエー:)はい、私がエルエーです。1週間後に日本へ出発すると聞きましてね、短期間で情報員を教育いたしますので以後お見知りおきを。」

「(ミュゼット:)なにこの人の形をしたヒューマノイド...。雪郎の秘密兵器か何かかな?ま、いいけど...。」


 一週間足らずで日本へとんぼ返りに向けて短期間で教育を受ける「ミュゼット」であったが、教育の過程で情報処理室に籠もったり、第三者に密告する、テリー側についた「セシル」とその2人に「アイス早苗」の捕縛指示といった不審な動きが見え見えである「エルエー」のウラの顔を知ることになった。


「(エルエー:)何でもありません。ただの気のせいでしょう。」

「(ミュゼット:)...。」

「(エルエー:)それと、私を上官って呼んでも構いませんよ。何せ私は新米の情報官ですから。...あ、そうそう。転送装置『ワープゾーン』使ってみてはどうでしょう??北京市にあるDr.デカボットの工場から取り寄せました。この装置でメリーランド州にあるE.G.本部までひとっとびですよ。きっとあなたの忘れ物が見つかるはずです。」

「(ミュゼット:)ワープゾーンって...帰宅部幹部の能力で設置されたポインタ間を行き来するようなもの?ううん、こっちの話。」

「(エルエー:)出発する1日前ついでに本部へ飛んでみてはどうです?私はここで待ってますから。」

「(ミュゼット:)あ、うん。」


 Dr.デカボット製転送装置「ワープゾーン」を潜り、メリーランド州にあるE.G.本部へ移動する「ミュゼット」。本部に到着後、待ち構えていた祖父「エネルジコ」から部屋の鍵を受け取り、例の忘れ物を確認した。


「(ミュゼット:)...また、ドクターに感謝しなくちゃね。」

「(ビート:)よかったね。」

「(ミュゼット:)私はそろそろ戻らないとね。ちびっ子、部屋の鍵預かってよ。信頼できる人はあなたしかない...だから。」


 忘れ物とは「アーシースーツ」のことで、来るべき聖戦に備え風紀委員2人「和子」や「清子」とともに作ったパワードスーツだ。これさえあれば、周囲の味方の傷を癒すことさえ可能だ。無事ここまで運んでくれた「ラファエル」やE.G.本部に感謝しよう。せっかくだから目の前の忘れ物を持ち出したいところだが今はその時ではないのか、「エルエー」のウラの顔を懸念するのか堂々と持ち歩くわけにはいかない。部屋を出て施錠し、部屋の鍵を「ビート」に預け、本部を後にした。その後、「ビート」は「ジャズ賢一」にたらい回しのように部屋の鍵を押し付けた。面倒事に巻き込まれることを恐れてのことである。


 4月8日木曜日、ロサンゼルス空港にて「アレグロ雪郎」、「ハルミ」とともに日本へ赴くべくカリフォルニアを出る。12時間費やし、日本に到着した3人は、一旦「ダイアナ」が暮らしているオンボロ集合住宅「グッドウィン号室」で寝泊まることにした。


「(ダイアナ:)ミュゼットはなんで先生と?ラファ兄は一緒じゃなかったの?」

「(ミュゼット:)話せば長くなる。雪郎を引っ張って戻ってきたって感じかな。」

「(アレグロ雪郎:)俺に助けを求めてここに来たということだ。よろしくな、ダイアナ。」

「(ダイアナ:)あ、うん。...それより先生の知人ジローラモが日本支部で待ってるはず。ここより支部で泊まればよかったのに。」

「(アレグロ雪郎:)長時間フライトで疲れてるんだ。1週間ほど休ませてくれよな。」

「(ミュゼット:)よし、そうしよう。そのほうが学校通えるし。...始業式当日出られなくてすまなかったな、カルウ...和子...。私の制服は、小屋に置いたままだった...てへぺろっ。」

「(ハイペリオン:)ほれっ。色黒女がいない間に、小屋から取ってきたぜ。場所を調べてくれたダイアナや風紀委員2人に感謝しろよな。」

「(ミュゼット:)...私のために小屋の場所を特定したダイアナ、清子や和子と制服を取ってきてくれたインキュバスにマジで感謝だね。わざわざありがとさん。」

「(ダイアナ:)...ジローラモに伝えておくよ。せっかくだし、カップ麺をごちそうする?」

「(ミュゼット:)...それはさすがに飽きる。」

「(アレグロ雪郎:)...いただこうか。」


 英気を養ってから15日木曜日のAM4時、本格的な調査に乗り出した。


「(ミュゼット:)はぁはぁ...無理......。追われる。」

「(ハルミ:)急がなきゃダメよ!!あ......、なんとしても更なる証拠を探さないと。」

「(アレグロ雪郎:)今のところ掴めたのは、例の悪行の証拠だけだ。」

「(ハルミ:)でも、これだけじゃ証拠が足りない。くっ、あの依頼人に頼まれ......。」

「(ミュゼット:)あの依頼人って誰なの?あの女?(杏璃が深く関わり過ぎたあの女...?私の場合はドクターを通して知ってる。2年前のフェスティバルの客席でね。)」

「(ハルミ:)ミュゼットには知ってるだろうけど、あの原作者を名乗る人よ。」

「(ミュゼット:)...そんなことより早くここを離れよう!!ほら、黒ローブの男が来てるし!!」


 手にした情報を共有するために、事務所「E.G.日本支部」へ向かった。


 イタリアから来た「アレグロ雪郎」の知人「近藤ジローラモ(通称:ブラー)」が1週間ただ1人で待ち続けていたのか、しびれを切らす。

「(ブラー:)うー、遅い遅い!!何時間待てばいいのか、何時間経てば気が済むのか、さっぱり!!......ショボーン。」


 AM9時頃より3人が日本支部に到着する。


「(ブラー:)やっときた!!例の証拠はどうしたのかいかい????」

「(ハルミ:)...ごめんなさい、これしか掴めなかった。」

「(ブラー:)えーーーーー!!!どうして!!何故これしか掴めなかったんだ????????」

「(ミュゼット:)しょうがないよ。ドタバタした挙げ句に、これっぽちだよ。(この人、初めて見る顔だし...。)」

「(アレグロ雪郎:)残念なことに、裏社会に詳しいアイス早苗から連絡が途絶えたままだ。」

「(ブラー:)じゃあ、どうするんだよぉぉ!!!!!証拠がなければ常習犯は止められない!!!!だったら、僕一人で行くのらー!!」

「(ハルミ:)それはダメ!!」

「(ブラー:)どうして???????何かいけない事???」

「(アレグロ雪郎:)詳しいことは俺の妹に聞いてくれ。」

「(ブラー:)君の妹って誰の事らー????」

「(アレグロ雪郎:)マリア愛美だ。身をもって経験した妹なら知ってるはずだ。」

「(ブラー:)愛美さんか??????????わかった、すぐに聞いてくる来る!!!!」


 「ブラー」は「マリア愛美」のもとへ向かうために支部を飛び出る。


「(アレグロ雪郎:)相変わらず足が速いな。あいつは。」

「(ミュゼット:)あのー雪郎。私の知人に会いたいけど。」

「(アレグロ雪郎:)そうだな。パトロールついでに、顔を合わせるとするか。風紀委員こと清子とやらに興味があるし、直接会って話したいものだ。」

「(ミュゼット:)そうと決まれば、さっそくあの学園へ行こうよ!!あそこに清子がいるはずだから!!」

「(ハルミ:)...清子って誰なの?」

「(ミュゼット:)私の知人よ。気になるならお話しする?」

「(ハルミ:)...いい。知らない人とは話さない主義なので。」

「(アレグロ雪郎:)...朝から調査してクタクタだろ?休憩してからパトロールしようぜ。」


 12時30分まで休憩を挟んで、3人はこの支部を出て、パトロールを始める。手始めに樋串武学園へ向かった。


「(アレグロ雪郎:)ほう、ここがラファエルが通っていたあの学園か。さあ、昼休みが始まる頃だ、足を踏み入れるとするか。」


 現時刻は13時ちょうど。「アレグロ雪郎」は校庭に足を踏み入れる。...裏庭に人の気配がした。


「(アレグロ雪郎:)待て。裏庭に女子2人がお互い睨み合っている。見物だな。」

「(ミュゼット:)...どう見ても喧嘩する寸前じゃん。...止めないと。」

「(アレグロ雪郎:)まあ待て。赤の他人である俺が出くわしても仕方ない。他校の生徒であるあんたもだろ?」

「(ミュゼット:)ぎくっ...。」


「(清子:)どうしてあなたがたがここにいるのです?雅史さんと一緒に渡れないとは...。」

「(杏璃:)...。」

「(清子:)...そんなあなたがたのために生徒会は死ななきゃならなかったのです?身近な人が6人亡くなられているというのに!!...何か言いなさい。レベッカに深く関わりすぎたせいでテリーとかいう心のないカタに命を狙われ、雅史さんが国内退避を余儀なくされたのも何もかも全部あなたがたのせいですわ。」


 一方的に3人揃って国内退避できなかった「杏璃」を責める「清子」。


「(杏璃:)...。」

「(清子:)返す言葉もありません?...へっ!!!!雅史さんの幼馴染のくせに黙りこんで...まるで自分には幼馴染の資格がないようなものですわ!!!陰気くさいのも大概なさい!!!!」


「(アレグロ雪郎:)げ...バンジョーベアーに意地悪するジンジョーみたいだと思わないか?」

「(ミュゼット:)これはさすがにやばい...!!」


「(杏璃:)...何よ......元はと言えば、あんたが傲慢先輩揃って無駄に出しゃばったせいでしょうが......何よ......その目は......あんたの目を見ると無性に腹立ちます......。」


「(アレグロ雪郎:)傲慢先輩ってあいつか?俺に自分の手柄を横取りされまいとヒッシに出しゃばる、ラファエルとはそういうやつだ。」

「(ミュゼット:)(小声で)そんなことより...2人を止めようよ...!!」

「(アレグロ雪郎:)部外者の俺達が止めてどうする?かえって面倒になるだけだ。この目で見守ってやろうじゃないか。」

「(ミュゼット:)...どうなっても知らないよ。」


 「ラファエル」に連絡しようと裏庭に来た「ダイアナ」が出くわす。


「(ダイアナ:)せ、先生!?学園で何しに来たの?」

「(アレグロ雪郎:)おっ、ダイアナか。ちょうどいいところにきた。あの2人を止めてくれよ。大喧嘩が始まるぜ?」


「(杏璃:)...不愉快です、あんたのその態度が不愉快で仕方がない...。」


「(ミュゼット:)不愉快?清子のどこが冬海だよ。冬海だけに?」

「(ダイアナ:)あっ。」


「(清子:)...不愉快ですって?根暗のくせにそんなことが言えますわね。わたくしは冬海風紀委員でも何でもありませんわ。」

「(杏璃:)......。!!!!!」

「(ダイアナ:)だめっ...!!」


 さすがの「アレグロ雪郎」もこれは一大事であると判断、女同士の大喧嘩に介入する。


「(アレグロ雪郎:)おっと大喧嘩はここまでにしな。こんな場所で大ごとになりゃあキリがないぜ。2人とも校則はしっかり守らないとな。」

「(清子:)あなたがたはあの時の...海水浴場で見かけて、11月よりメールを通して知り合った雪郎先生!?それにどうしてミュゼットさんが戻ってきたのです?ラファエルさんとともに飛んだはずです。」

「(ミュゼット:)それにはわけがあってね...。ドクターが用意した片道切符がカリフォルニア行きだったからもう、ついに接触したのよ。」

「(清子:)それで、雪郎先生を引き連れて戻ってまいりましたってところかしら?」

「(アレグロ雪郎:)助けを求めるほど深刻な社会情勢である...と。ま、そうなるよな。」

「(清子:)では雪郎先生、聞いていいこと?雅史さんは元気ですの?ラファエルさんから聞きまして?」

「(アレグロ雪郎:)ああ、ラファエルから聞いた。例の亡命者なら元気だ。ついでに弟分ビートも本部が保護したらしいぜ。」

「(清子:)弟分ビート...あぁ、海水浴場のちびっ子さんのことでしたの。雪郎先生って、あなたがたは自分の人脈に恵まれていますわね。」

「(アレグロ雪郎:)可愛らしいおかっぱ女子の褒め言葉、ありがとな。」


「(杏璃:)...邪魔しないで...出しゃばらないで!!」


 楽しげな顔でお喋りする2人に「杏璃」は憤怒する。


「(ダイアナ:)あ、だめっ!!」


 暴れ出す「杏璃」を制止する「ダイアナ」。その光景をを見た「ハルミ」は陰から出てきて、「杏璃」に話した。


「(ハルミ:)もう見てられない。どうして怒りだすのか私にはわからない。でもね、こうやって八つ当たりするのはよくない。」

「(杏璃:)...あんた、誰です?この学園の人じゃありませんし、入校許可証もらってないなら出ていってください。」

「(清子:)あら?誰かと思えば、赤毛さんの妹さんじゃありませんこと。」

「(ハルミ:)アネキを知ってるの?」

「(アレグロ雪郎:)ほう...さては会ったな?」

「(清子:)あ...赤毛さんは日本にいません。それにアメリカ大陸の面積があまりにも大きいため、探しようがありませんわ。行き先聞いてないのに...。」

「(アレグロ雪郎:)...ラファエルのやつ、彼女を匿ったつもりだろうがいずれ居場所が割れる。コンブリオ家の目は誤魔化されないからな。」

「(ハルミ:)雪郎、長話しているところ悪いけど...昼休み終わるよ。」

「(アレグロ雪郎:)おっと、お喋りが過ぎたか。清子よ、よければ8月にニューヨークへ来てくれるか?渡航ビザは俺が用意しておくからな。」

「(清子:)ビザさえあれば、雅史さんに再び会える絶好のチャンス...では、その時はよろしくお願いいたしますわ。」

「(アレグロ雪郎:)では後日改めて連絡する。あー、杏璃だっけか?幼馴染の1人とともにアメリカへ行けなかったからといってもいじけるな、落ち込むな、くよくよするんでない!!不条理な世の中を覆すためにはレジスタンスが必要だ。結成して、巨悪に立ち向かえよな。さてパトロールの続きだ、もう行くぜ。ダイアナ、清子をよろしくな。」

「(ミュゼット:)戻ってきてごめんな杏璃...。私は雪郎と行動をともにするから。」


 3人はパトロールの続きをするために、学園をあとにした。


「(清子:)わたくしはそろそろ教室に戻ります。...杏璃さん、次からは敵同士です。生徒会風紀委員として徹底的にあなたがた帰宅部を指導してやりますわ。...行きますわよ、ダイアナさん。」

「(ダイアナ:)杏璃、ごめん...。」


 生徒会おふたりは、自分の教室へ戻っていく。「杏璃」ノココロハボドボドダ!!幼馴染とともにアメリカへ行けなかったことや「清子」の意地悪で心はボロボロ。その場で絶叫したいものも、どうしようもないので、しばらくの間、考えるのをやめた。


 日が暮れて一日のパトロール終了後、E.G.日本支部に「レベッカ」がいるらしいが、今はその時ではないので接触は避けたいところ。今の状況を考えてみると、3人はどこで寝泊まりするのか?答えはズバリ、「グッドウィン号室」である。


「(ダイアナ:)どうして泊まる場所は日本支部じゃなくて、この号室なの?」

「(アレグロ雪郎:)それに問題あってな...見覚えのある靴跡からして、レベッカが日本支部にいるらしい。今はその時ではないんで堂々会うのは後回しにして、あんたの号室で寝泊まりすることにするぜ。そう、2ヶ月間な。」

「(ミュゼット:)雪郎、フォルテ中学校行きたい。和子に会いたいんで。」

「(アレグロ雪郎:)ハルミの保護下にならいけるぜ。久々の学校の友に会って来い。俺は風紀委員長に話があるし、都立高等学校へ向かわねばな。」

「(ハルミ:)明日からは一緒に行きましょ。」

「(ダイアナ:)どうしよう、カップ麺が尽きてしまう...。」

「(アレグロ雪郎:)案ずることはない、俺がご馳走を作ってやるぜ。インドカレーにメキシカンタコス、ブリトー。」

「(ダイアナ:)普段では全然食べない献立ばっかり...。」


 2ヶ月間ご飯当番は全部「アレグロ雪郎」がやってくれるそうだ。しばらくの間、毎日カップ麺じゃなくてよかったな、「ダイアナ」。「ハイペリオン」にとって、御主人様「ラファエル」や超官「エドガー」以外の手料理はマズいとテレビの前の皆さんは思われるだろうかな。


 4月16日(金)それぞれの昼休み


 まずはフォルテ中学校。


「(和子:)...そんなあぶない世の中で、わたしたちに構わず逃げたはずなのに、どうして戻ってきたのですか?忘れ物があるとか?」

「(ミュゼット:)そうじゃない、私はただ、和子が恋しくなっただけ。カルウやチイアの顔が見たいし。ほら、ハルミが見守ってくれるし。」

「(和子:)それはつまり...しばらくの間、一緒にいるってことですよね。...校外の人に限らず、わたしが守ってあげますよ。」


 場面転換(エンブレムターン/Scene transition)、都立高等学校。校門にて。


「(アレグロ雪郎:)あんたが清子の風紀委員長か。」

「(増田:)ここに俺を呼んだのは、話があるということだろう。ならちょうどいい。俺のクラスメイトのハンナが人知れずいなくなってしまった。教科書を手に取った翌日にな。心当たりがあるなら教えてほしい。」

「(アレグロ雪郎:)あんたの学友のことか?知らないぜ。心当たりがあるとしたら、法的で対処できる相手ではない巨悪とみて違いない。今のあんたじゃあ対処するのは困難だ。なるべく奴を相手にしようなどと考えないことが唯一の対処法だ。」


 2月3日水曜日より「ラファエル」の言葉を思い出す「仁雄」。


「(ラファエル:)『法的措置を取らせて対処できるものではない、コンブリオの言うことは正論だ。ジャパンの警察はあてにならん!!俺は巡回を継続する。帰りたい奴は帰ってもいい。』」


「(増田:)ラファエルの言うことは本当だったとは...恐れ入った。奴やらとの接触を回避することが唯一の対処法...か。よし、心得た。」

「(アレグロ雪郎:)俺の人脈を使って、あんたの学友を探してみる。発見次第、改めて連絡する。そのために清子を通してあんたと会ったからな。」

「(増田:)ハンナの捜索、よろしく頼む。」


 忽然と行方をくらました「ハンナ」の捜索は「アレグロ雪郎」の知人がやってくれるようで。よかったな「仁雄」、夏休みまで気楽に待っておこう。


 6月8日(火)23時 / 東京9日(水)13時 メリーランド E.G.本部 鑑別所前


 バサカは脱走した。取り調べや裁判での責任追及を恐れてか、鑑別所から飛び出たとのことである。


「(ラファエル:)止まれ!!そこのバンダナキッド、止まりなさい!!」

「(バサカ:)...。」

「(ラファエル:)さあ怖がらず、おとなしく鑑別所へ戻りなさい。」


 おとなしく従う今の彼ではない。「バサカ」は密かにくすねた閃光弾でくらます。


「(バサカ:)...じゃあな。」


 まばゆい光を浴びる「ラファエル」、彼は闇の中へとくらましていった。その後の「バサカ」は「ガジュ」を追うために暗闇の中で警備員の目を掻い潜り、本部のワープゾーンで日本へ転移した。


「(ラファエル:)...しくじった。」


 9日(水)13時 越中(ノウエツ) ワープゾーン前


 ここまで脱走した「バサカ」は「ガジュ」に対する憎悪を抱いていた。


「(バサカ:)ガジュはどこだっぺ?バサカ、必ずガジュに仕返しするんだっぺ!!俺っちの人生をメチャメチャにしてくれた恨み、思い知るがいいんだっぺ!!!!!!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ