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終焉に終焉を。  作者: 終焉を迎えたTomato
第七章 友情ノ章

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EP91 最果ての地より。

終末が訪れる。

邪悪なではないただの魔物と、終焉に創られ、侵された魔物。

双方、攻撃し合うことはなく、あくまで戦闘は人間達と行っている。


ふと、神聖教について思い出した。

神聖教は俺を神と崇め祭る宗教団体。

恐らく、親終焉団体だ。

もし、神聖教のような宗教団体、組織がこの世に存在するのなら、人間対人間。ただの世界大戦が始まるだろう。


飛行機の音が、次第に大きくなる。

見た目は本当に初期の戦闘機で、羽なども木製だろう。

雲を突き破り、不特定多数の飛行機が顔を出していく。

車がないのは、まだこの国に浸透していないだけかもしれない。

じゃあなぜスマホを?というのはさておき、今現在の状況はある程度理解した。


まず一つ。軍事力。


この戦う兵士達も、そのほとんどがただの冒険者。

一部空中浮遊が可能な程度で、本当に、見習いが大多数。

ラシュトール聖者決定戦。という名目ではあるものの、これはただの魔物と人、そして終焉の戦争に過ぎない。

正規の軍も、見えている範囲では十万もいないだろう。

北東の、最果ての地よりやってきた彼らも、きっと五万程度だ。

飛行艇、飛行船......技術力はピカイチのようだが、それは魔物に効くのか?


かの昔。俺が戦争へ赴いた頃の空軍へ派遣された記憶。


『地点Rに敵兵、歩兵戦闘車、戦闘用ヘリ6機。地対空ミサイル推定700発!』


「了解。魔物の数は?」


『ゼロだ。空爆を要請する』


「了解」


無線から聞こえる指令。

俺はただその言葉に従った。

お国の為と。引き金を引く。


戦闘機の操縦にも慣れた頃。

一機、また一機と堕ちて行く中国、ロシアの国境にいた。

と言っても、北朝鮮と観光は合併し、日本やアメリカの勢力が一点に集中している場所だ。北海道から出発し、空中給油を重ね、南東から攻めていくこの小隊は、一機の犠牲を出したものの、空中支援を完遂させた。


ただ、問題は、敵の殲滅後であった。


『警告!警告!周囲に危険度7。災害級の魔物が出現!手の空いた者は地点R、Kの警戒に当たれ』


「魔物かよ......!」


急旋回。ナイフエッジ。

魔物の状況を確認しながら、目的地へ向かう。


この時だった。

魔物には、ミサイル、マシンガン。すなわち、銃火器が効かないのだ。

まだ魔物の解明も進まず、突如として現れたその怪異に、俺らはただ怯えるしかなかった。


13、14だっただろうか。当時の年齢は。


魔物に効かない攻撃を続け、危うく民間人を射殺するところだった。



だから———


「.......対魔獣兵器?」


という考えが頭をよぎった。


というのも。魔物に銃火器が効かない理由。

それは、魔物の周囲に目に見えない魔力の膜がある為だ。魔力や刀等で攻撃した場合、その幕は自然に溶け込み、一部が消滅、もしくは弱体化する。

その為、その攻撃がしっかりと入り、ダメージを与えられる。

一方、銃火器の場合、なぜか弾薬が反射されてしまう。

爆発する物であれば、その膜の表面で爆発を起こし、攻撃は通らない。


魔学者達は、想いがあるかないか。ではないかと考えているそうだ。




『誰か!助けて!!息子が!娘が!!!』


その声の主。見たところ30代の若いお母さんだ。

少し汚れた服を着ていることから、裕福ではないことが伺える。

その目線の先は、火事が発生している。

恐らく家だったんだろう。そして、そこに息子、娘がいるのだろう。きっと小さなお子さんだ。


俺はそっと下へ降りた。


「大丈夫ですか?お子さんはここですか?」


『はい……私は大丈夫ですが……』


「……大丈夫です。今助けるので」


途端に泣き崩れる女性。

少しすると一人の男性が慌てて駆け寄った。


『ソフィ!大丈夫か?ルーラは?アルグレスは?』

『この......この中.......まだこの中なの......』


少し。声が聞こえる気がする。


魔力探知にはかからない。まあそうか、小さい子供ならば当然だろう。


大きく息を吸い込み、詠唱する。

丁寧に、慎重に、一つミスれば、ここら一帯が水に呑まれ、子供達は当然即死する。

即死だし。まだいいか。


【神ヨ静メタマへ邪智暴虐ヲ。ソナレバヤガテ灯火消エ行ク】


空間に、直径2、3cmの水の粒が浮かび、やがて炎を埋め尽くす。

消える直前に火に入れば、やがて小さな二つの体が見えた。


ルーラとアルグレス。であってるだろうか。

ひとまず二人を救出した。

前線はまだ耐えられる。

まだなんとかいける。


少し前だろうか。離れたところで、大きな音がする。


「とりあえず、この子達は見つけた……意識を失ってるようだ。中央道の辺りで、少女が治療をしているはずだ、そこへ向かってくれ」


『ありがとうございます!なんとお礼したら良いか!』


「そうだな。......生きろ。じゃあな」


手を振り、空を向く。

そう。彼らがやってきた。

支援に来たのだ。

これで勝てる。


俺は、中央道の、戦場と市街地を分けるように流れる川を目の前に、その龍を睨んだ。


抜刀。

刀身が少し青白く光る。

あの龍は、まだまだ警戒中だ。きっと攻撃できない。

ならば、やることは一つだろう。


戦うのみだ。

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