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終焉に終焉を。  作者: 終焉を迎えたTomato
第四章 記憶の闇に

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72/86

EP72 過去の未来

「Apocalypse」という組織が気になる。

というか組織なのか?

他にも、聖天地を表しているような絵や、読めない文字が発見された。どこかの古代文明の遺物だろうか。

しかし一番気になるのはアポカリプスと書かれたもの。少なくとも、この神社と何か関係があるのだけは確かだ。

クレリアのタブレットにも知られていないこの組織が、この世界にどんな影響を与えるのだろうか。

「和人様ー?」

「....え?あ、ごめん考え事してた」

「そうですか、これを見て下さい」

「何これ?」

「過去の出来事をまとめた電子書籍です」

クレリアに見せられた画面には、小さく大量の歴史が載っていた。

クリアだけでなく、地球も、エールの歴史も載っていた。

もちろんそこにはフィエールの名もしっかりと記され、なんなら何個もあった。ぱっと見、四十の功績がある。

フィエールは現在、エールとエリアのところで現在の状況等をまとめている。

依然、二人は目を覚さない。

apocalypseとの関係性がもしかしたらあるのかもしれない。

どちらにせよ、引き続き調査が必要だ。

「クレリア、やっぱりどこを探してもそんなの....」

「つまり、歴史に掲載される事なく、この文明に見つかる事なく生活しているということ、もしかしたら、クリアより高度な文明かもしれません。ですから、この『Apocalypse』を探すのは困難....」

クレリアは黙った。遠くの一点を見つめていた。

神社の中、右側にある小さな池の端っこ。大きな松の木が生え、その周りを美しい花が囲んでいる。

数秒黙ったクレリアはその後、また考え込んだ。

「クレリア?どうした、なんかあったのか?」

「....い、今、何か人影が見えた気がして」

「人影?」

もう一度、俺は視線の先を見た。


直後、視界が歪み、終焉が世界を滅ぼしている最中の世界にタイムリープ?した。

空は赤く染まって、大地は常に揺れている。

鉄筋コンクリートでできたビルも、マンションも、頑丈な岩盤でさえも破壊した。

終焉は、弱まる気配を持たず、一向に規模が増して行くだけだ。

「和人様!避けて!」

クレリアの叫びのおかげで、俺は間一髪落石を避けることができた。

空に浮かぶ黒い煙、どこかで火事が起きている。

その煙の中に、とてつもなく高度の高い黒煙が存在した。

その煙を辿って行くと、西の方....つまり、あれはきっと富士山が噴火し、発生した噴煙だろう。

先ほどの落石も、噴火によるものだ。

俺はしばらくの間眠っていたから気づかなかったが、確かに火山灰が地上に満遍なく存在していたのを思い出した。

....終焉の影響か、あの時の状況は少しおかしかった。


もう既に、この世界は崩壊していたのを忘れていた。

楽しい日常が、大切なものがそこにあったから、俺はずっと忘れていた。


クレリアのタブレットは割れて、画面左端が映らなくなっている。

「クレリア、あれは....」

スクランブル交差点、横断歩道の中央で、三人の全身を黒い布で覆い、マスクをつけた女性らが集まり、手を繋ぎ輪を広げている。

あれが『Apocalypse』の組織、終焉の愛護団体のようなものだろう。

名前かっこいいな....

その後、彼女らの地面には魔法陣が出現し、終焉に向かって放たれた。

終焉は、皇居の真上、標高は不明。

黒く赤く、まがまがしい光の束が、何度も何度も送られていく。

どうして、彼女らはそうするのだろうか。


しばらくの間、彼女らの行為を眺めていた。

すると、一枚の紙切れが風に乗って来た。

そこには、


何故我らを観測できる。

観測者よ。過去の未来を、見届けるのだ。

貴様の愛など、希望など、夢など、全ては無意味。

きっと、黒き眼球が。

全てを救い。

全てを変え。

全てを創造してくださるだろう。

観測者よ、貴様のその無力さを、味わうがいい。


と記されていた。

宗教か何かなのだろうか。

黒き眼球、それはきっと終焉を表しているだろう。

『過去の未来』という言葉が気になる。

....いやそれって今のことでは?と思うが、まあ多分それは言ってはいけないお約束だろう。


クレリアにこの紙切れを見せて、とりあえず保存した。


数秒後、何も起こらず、神社へと戻った。



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