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終焉に終焉を。  作者: 終焉を迎えたTomato
第三章 確実に世界を救うために。
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EP41 故郷への準備を

やっと退院の時間を迎えた。

そして直ぐ会議だそうだ。

あれ?会議が今日ってもう8日経ってたのか?

まあいいや。

「和人様!こちらです!」

「分かった。会議はあとどれくらいで始まるんだ?」

「あと20分ほどです」

「なーるほど。ありがとう」

あと20分の間。まだ誰もいない会議室で少し考えをまとめておこう。

「和人!やっほー!」

「いつも通り騒がしいなレシオは....」

「ありがと!」

「褒めてねえよ?!」

ホワイトボードに書きながらツッコミを入れた。

早く地球に帰りたい。早くユズに会いたい。

「こ、こんにちは....」

人見知りっぽい人が真っ先に到着した。

「こんにちは。えーっと....あなたは....?」

「え?あ!えーっと.....わわわ私は!!!!」

「ま、まずは落ち着いて....」

「は、はい!」

「和人様、この方の代わりに自己紹介?をしますね」

「ありがとう....それでいいのか?」

「うん!うん!」

彼女は静かに頷いた。

人が苦手なようだ。それも物凄く。

「彼女はアリア。この母船の総司令官の次に偉い人」

え?マジで?という顔を浮かべてしまったが、アリアは少しこちらを見つめた後に頷いた。

「でも、アリアは記憶がほとんどないの」

「ん?どゆこと?」

「彼女を見つけたのは、一つ前の世界で、倒れていたところを母船側の住民が見つけたの」

「なるほど....少し気になるな」

「それだけではなく、その世界に誰もいなかったんです....」

「マジか....」

んなことより、どうして俺の周りに男性はいないのだろう....

いや、それは置いといて、記憶がない上、世界に人がいなかったから何も聞けなかった。ざっくりまとめるとそういうことだろう。なんか昔の俺みたいだ。

「そういえば、総司令官は?」

「....総司令官は、亡くなりました。163歳でした」

「長生き....なのか?」

「い、いえ。最近では医学の発展により普通に300年とか生きやがりますので短い方ですね」

「そ、そうか....何より、残念だ」

「はい....」

300年が長いのか....と思ってしまった。

そろそろ俺も....

「こんにちは....!」

「あ、こんにちは」

その後、残りの7人(遅刻したレシオを除く)がやってきて無事(?)会議が始まった。

レシオは2時間遅刻しやがった。あとで説教でも喰らわせたいな。

会議では、今後の作戦のこと、総司令官が俺になること(全員賛同)。そして何より、地球に戻る方法について。終焉のことも含めて念入りに会議をした。6回も休憩を取るほど時間を要してしまったが、作戦はがっちりと決まった。

準備と実行。あとはそれだけだ。


翌日。実行に移るための準備をしていた。

「あと5日か....」

「大丈夫ですよ。原子炉の方も史上最速で修繕しましたし。それに、あなたですので」

「....ははは!そうだな。ありがとう」

俺は軽く笑って返した。

原子炉は完全に治った訳じゃないが、しっかりと点検すれば問題なく運行できるほどに戻った。

「クレリア。残りの燃料を運ぼうか」

「はい!」

今はもうちょっと時間がかかりそうだ。

なぜなら、数十トンというとてつもない核燃料を運ばないといけないからだ。

幸いにも、乗り物があってよかった。

ホームセンターとかで木材を買う時に使う、取手と板だけの物にセグウェイのような運転席と、助手席が付いた物だ。そのくせ、馬力はものすごい。なんせ数十トンもの荷物を載せてスイスイ移動できるんだからな。

「....喉乾いたな。なんか飲むか」

「直ぐそこを右に行くとカフェがあるみたいです!」

「OK。了解。そこに行こうか」

途中にはしっかりと休憩を挟んでなんとか一日が終わる前に運ぶことができた。

核融合炉に燃料をぶち込み、仕事を終えた。

新しい作業方法で修復したというのが少し心配だったが、しっかりと点検をしているようだったので、その心配は薄れた。

「クレリア。お疲れ様」

「和人様もお疲れ様です」

....こんなに女性とこんな仲良く作業をしていると帰ってからユズに怒られそうだ。

「このあとどうしようか....」

「近くに温泉ありますよ」

「マジで?!宇宙なのに?!」

「はい。周りは天然岩石ですので成分も似ているかと」

「じゃあ行ってくる」

「はい。....わ、私も行きますよ?」

「あ、うん」

クレリアは俺の腕を直ぐに掴んだ。

やめてくれ、ユズが居るんだ。


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