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終焉に終焉を。  作者: 終焉を迎えたTomato
第二章 世界の英雄たち

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30/87

EP30 運命

俺らは結愛のところへ戻った。

「結愛!」

「和人!」

「結愛ちゃん!元気だった?」

ユズはすぐ結愛の方へ向かった。

「うん!」

「ならよかった」

そんな時、大きな地響きとともに、世界が揺れた。

「じ、地震か?!」

「うわあああああんこわいよぉぉ!!」

「だ、大丈夫だよ!」

その揺れはかなり長く続いた。

「アリスト大陸やここら辺は地震が多いのか?」

「い、いや地震はあまり起きないが...」

おそらくだが、方角的にアルファ大陸の方だろう。

「地震の可能性はあるにはあるが、低い...ってことか」

その後、少し沈黙が続いた。

ユズは結愛を慰めて、 フィエールは困惑、俺はというとあることを考えていた。それは、

もう手遅れっていう可能性、もう逃げられないかもしれない可能性....数多くの可能性だ。

「.....」

(これも、俺のせいなのか....だったら、俺が守らねえと...いや、俺のせいじゃなくとも守らねえとな、

でも...俺なんかでいいのだろうか...世界を滅ぼした俺なんかで...)

「和人...悪いことを考えるな」

「え?」

「人が、生きる意味を価値を、そして希望を捨ててしまったら、生きていけない。それはたとえ不老不死でもな。人間は、希望がないと生きれないんだ」

「...ったく、お前らに助けられてばっかだな、ありがとう」

「うむ。さて、作戦を練ろう」

そこから3時間ほど会議をした。エリア様は途中からきた。

「つまり、まとめると俺が空高く飛んで魔法陣を召喚。それでお前らを聖天地へ送る。その後俺も聖天地へ転移する。そんな感じだ。なんか質問とか意見はあるか?もう始めるぞ」

「ないよ!」

「私もー」

「...うむ、それでいいと思うぞ」

「...」

「エリア様?何かあるなら遠慮なく言ってくれよ」

「...でしたら一つ、その、先ほどの話を聞いていて思ったのですが...全員を巻き込んで転移ということが分かりましたが、和人様がもし、自分を転移させることに失敗したら、私たちはどうすれば...」

「あー、それはユズに任せる」

「私?!」

「...うん、ユズだ。異論は認めん」

「で、できるかなぁ....」

「大丈夫だよ。俺が来るまででいいからさ。その間に、みんなをまとめたりしておいてくれ。例えば...

村の作る位置とかな。ログハウスを南として、世界樹を中心に丸く囲むように作ってくれればいいからさ。

...クラリスとザレットはとなりにしない方がいいと思うが」

「わ、分かったよぉ...」

「ありがと。よし、会議は終わり、俺は転移の準備してくるから、また後で、多分聖天地でな」

「うん、バイバーイ」

俺は都市の外へ出て、準備をした。その後、聖天地へ転移させた後、少しの“やること”のための準備をした。

「よし、これでいいな」

敵意のある奴を残しておくための呪文を刻んだのを確認してすぐ、俺は空高く舞い上がる。(ちなみに音速を超えている)

(成功できるかな....)

だんだんと陸地が小さくなっていく。

(エールって....平面なのかよ....)

そうエール、つまりこの世界は平面でアルファアリスト大陸しか存在しなかったのだ。

冷静になって考えれば、アルファ大陸が最初に消えていったのも、これで説明がつく。宇宙空間にいるが、平面の世界は案外多いようだ。エールを除き3個...

「平面でも安定して存在できるんだな」

今までずっと球体だけが安定するかと思っていた。

まあそんなことはどうでもよくて、早く魔法を使い、転移させないとな。

心の中で詠唱する、無詠唱魔法だ。きっと転移させてすぐ、大陸は消えていく。それは、神エールがアルファ大陸側で崩壊を抑えてるのを見たからだ。

...きっと神エールは俺の存在を知っている。それも詳しく。

そして詠唱が終わり、転移が始まる。次元間転移魔法だから、かなりの体力を消耗するだろう。正直、俺が帰れるかはわからん。

でもそれでもやるしかない。たとえ2度と帰れなくなったとしても。

転移が終わる頃、アルファ大陸側で崩壊を抑えてるエールの姿が消えた。そしてその崩壊が、この世界を飲み込んだ。

...ギリセーフだ。

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― 新着の感想 ―
面白かったです。 全体を通して、和人という主人公の「罪を抱えながらも前へ進もうとする姿」が丁寧に描かれており、読後にしっかり余韻が残る作品でした。 物語のスケールは大きいのに、焦点は常に人の心に向…
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