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終焉に終焉を。  作者: 終焉を迎えたTomato
第二章 世界の英雄たち
20/82

EP20 会議の前に

王国に戻って商店街を歩いていたら目の前に大勢の人が通っていく。

「フィエール、あれはなんだ?」

「あれは、サテウス軍の精鋭部隊、とても少ないが、それでも、力は尋常じゃない」

「精鋭部隊...言われてみれば、そんな感じがするよ。多分、もう軍の中でも準備が始まっているようだな」

「ああ、なんせ7万だ。多ければ多いほど、時間がかかるからな」

「会議、どうなるんだろうね」

俺は出席を命じられたが、ユズと結愛は命じられてない。

「和人、会議の間どうすればいい?」

「周辺の情報収集をしてほしいところだが、それは会議後、専門家に聞いてみる。だから、ユズは結愛と一緒に観光でもしててくれ」

「情報収集なら私もできるよ?」

「いいや、大丈夫だ。戦闘が始まった時に疲れていたらダメだからな」

「うん、分かった」

「会議では、もちろんレザー・エリア様もいらっしゃる。それと同時に地理学者などの専門家もくるそうだ。会議中に聞くことも可能であろう」

「そうか、ちょうどいいな」

会議の前に、作戦に使うかもしれないものや、お土産を買った。こんなに買ってそれでもまだ9万8千キリル余っている。やべえな...

お土産を買って分かったが、おそらく1キリル10円だろう。


ー午後ー

昼ごはんをレストランで食べ、やることがなくなった。

「さて、もうやるべきことはないが、お前らなんかやりたいことあるか?暇なんだが」

「私はないぞ」

「私もー」

「私もない!」

「まじか、全員ないとはな...ってかフィエール、今まで気にしてなかったけど、お前俺らと一緒に行動して大丈夫なのか?」

「問題ない。なぜなら、騎士はもう辞めているからだ」

「え?じゃあお前は今何してんだ?」

「私は今、村の手伝いや街の警備、魔物の討伐などをやっている。報酬はないが金には困っていない、王国からもらっているからな」

「なるほど。ボランティアみたいなもんだな」

「ボランティアというのは分からないが、貴様が言うのであれば、間違ってないのだろう」

「なんだその信頼は...」

「ボランティアっていうのは、報酬などももらわずに、人の手伝いをする人。みたいな感じかな」

「ボランティア...いい響きだ。これからはそう名乗ろう」

「うん、いいじゃねえか」

やっぱり、協力は大切だと実感した。

「じゃ、やることねえし、ホテルに帰ろうぜ!」

「そうだな」

宿に戻って、やることはただ一つ!風呂に入って寝る!....って2つだなこれ。

「宿...どっちだっけ...?」

「さてはお前...地理赤点だな!?」

「な!なんで分かるの?!」

「バカだからな!」

「うぅ...」

「本当に、仲がいいなお前らは」

「お母さんとお父さんみたい!」

「え?!」

「は?!」

「ははは!本当、結愛の言う通りだ!とても中の良い夫婦のようだ!」

「ちょっ、フィエールまで...」

「結愛ちゃん、”まだ“夫婦じゃないよ!」

(まだ←これ大事)

そんな話をしながら宿の方へと向かった。

「疲れた〜」

「そうか、ならあそこの階段で休もうか」

「そうだね〜私も疲れた」

「うむ、そんなことより、あれを見よ」

「ん?」

フィエールの指先には、美しい天からの贈り物が空を覆っていた。それはもう思わず見惚れてしまい、時間が過ぎていくほどに。

「もうこんな時間か...それにしても綺麗だな」

こんな空、いつぶりだろうか。

それから数分四人で夕日を眺め、宿に戻った。

しっかりとやることはないが、なんでだろうか。今日の出来事は、いつも以上に鮮明に覚えている。

それだけ、それだけ楽しかったと言うことだ。


明日は会議。ここから始まる新たな世界。

きっと平和だ。大丈夫。


ー翌日ー

「...おはよう」

朝早く、目が覚めた。結愛もユズも寝ている。

そういえばフィエールがいない。どこにいるのだろうか。そんな事を考えながら、歯を磨いて顔を洗って、朝ご飯を食べて。ゆったりとする。

しばらくすると、フィエールが帰ってきた。

「おはよう和人、よく眠れたか?」

「ああ、ぐっすり眠れたよ」

「そうか、それはよかった」

「どこか行ってたのか?」

「少し散歩にな、最近の趣味なんだ」

確かに、今日は散歩日和だ。きっと気持ちいいだろう

「さて、今日の会議だが、どこに向かえば良いんだっけ?」

「中央都市アサールの、中央区域にある貴族館だ」

「あいよ、道案内は任せた」

「ああ、まかせろ」

朝、それは、一日の始まりで、スタートラインだ。

「私はこの世界のことを熟知しているつもりだ。だが、すぐにこの世界を離れるのだろう?なら、貴様の世界のことを詳しく教えてくれ」

「ああ、もちろんだ。行き先のことは知っておいた方が良いしな」

そこから俺はずっと、フィエールに俺らの世界について話した。

車のことやビルのことや、国のこと、文化のこと、

たくさんのことを話した。フィエールは飽きることなく、真面目に話を聞いてくれた。

何を何時間話したか分からなくなるくらい、それだけたくさんの話をした。気づけば、会議の時間が迫っていた。

「そろそろ会議の時間だ。準備をしよう」

「もうそんな時間か...えーっと...何かいるんだ?」

「メモ帳、筆記用具...ぐらいじゃないか?」

「昨日買っておいてよかったな!」

「紙はここの特産品でもある。その証拠にすごく滑らかで丈夫だ」

「すげえ!ってなったよ、触った時も。けど、実はこっちにもあるんだ...」

「だろうな、先ほどの話からも分かる。貴様の世界の技術力は、計り知れないからな」

よし、そろそろ出発しよう。




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