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終焉に終焉を。  作者: 終焉を迎えたTomato
第一章 未来の守護者
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EP2 準備

さあ、これからどうやって“終わらせようか”

 ユズの母の傷を魔法で治して、部屋へと戻った。

「今度こそ寝よう」

「うん、ちょうど眠くなってきた、まだまだ聞きたいことはあるけど、おやすみなさい」

「おやすみ」

 そうして眠りについた。ユズの寝顔はどこか安心しているようだった。お母様の傷が癒えたからだろうか。

 ――翌日――

「起きてください!」

「あと10分、10分だけ〜」

 眠い、とにかく眠い。

「....えい!」

「うわあ!!」

 一瞬なにが起こったのか分からなかった。

「え?水?なにこれ?」

「綺麗な水道水」

「き、綺麗なだけマシか....」

 いきなり冷たい水をかけられた。まあお陰で目が覚めたんだけどね。

「お、おはよう....ユズ.....」

「.....おはよう」

 だめだ、怒らせちゃったかも。

「今日はどうするの?」

「もう傷も癒えてきたし、そろそろ行こうと思う。だから、今日はそのために必要な日用品とか食料を調達しに行こうと思うんだ。ユズもくる?」

「うん、私も行きたい。」

「分かった」

「あ、お母様の様子は?」

「まだ見てない」

「じゃあ見に行こっか」

「うん」

 ユズは下を向いて何かを考えている。

(よくなってるといいなぁ.....)

 階段を降りる。魔法によって傷は治った、かなりの重症だったが、もうすでに体は魔力に適応し始めていた頃に治したから、問題はないだろう。そんなことを考えていたらお母様の眠る部屋に着いた。少し緊張しながらもドアを開けた。そして目に入ったのは、窓の外を眺める、美しい人だった。

「お母様!!!」

 ユズは真っ先に飛び出してお母様に抱きついた。

「目覚めたみたいですね、よかったです。」

「あ、この人は和人君、昨日の夜お母様の傷を治してくれたの」

「ありがとうございます」

「いえいえこれくらい、当たり前のことです」

「私は、ミカと申します。今なにが....?」

またしても急な自己紹介だ。遺伝か?遺伝なのか?

「分かりました。ではミカさん、今の状況を説明します。」

 俺は今起きていること、魔法のこと、そして終焉のことを話した。

「私が知らない間に.....そんなことが.....」

「残念ながら、今も続いていて、たくさんの人が苦しんでいます」

「........」

「お母様、僕は、この終焉を終わらせたいと思ってます。なのでその準備として、物資を調達に行きたいのですが、娘さんも行きたいと言っていて....」

「うん、私も行きたいの、お母様を治してくれたし、何より、人を助けたいから」

「.....分かりました」

 彼女は、少し考えてから言った。

「ありがとうございます!!ありがとうございます!!」

「お母様!ありがとう!」

 許可は得た。ユズを守りながら、物資を集めよう。

「....ただし、条件があります」

「あ、はい....それは.....?」

「それは、極めて難しく、苦しく、危険です.....この世界の....終焉を終わらせてください.....」

「....任せてください、僕が必ず、終焉に終焉を告げます」

「お、お母様、和人君....」

「どうした?ユズ」

「わ、私も和人君と一緒に行きたい。終焉を終わらせたい!」

 驚いた。でも、本当にいいのだろうか、いや、本人が言ったんだ、俺は尊重しよう。あとは、お母様の考えで決めよう。

「.....」

「ユズ.....いいでしょう、和人様と行きなさい」

「....様??」

「やったあ!!!!!」

「本当にいいのか?世界中を旅することになる。

 途中で死ぬかもしれないし、後戻りはできない。それでもいいのか?」

「うん、いいの。だって皆んなのためだもん!」

「.....分かった、約束だ」

 ユズはにっこりと笑顔で返した。


 ただ一つ気になったので、質問してみることにした。

ユズ....どうして"お母様"って呼んでるんだ?」

「特に理由はないよ。強いて言えば、かっこいいから、かな?」

「そ、そうか....」

想像以上にしょうもない理由だった。

その後装備を整えるために、外へ出たが、あまり収穫は得られなかったので帰ってきた。ビルに着いてお母様に報告しに行くと、ないなら倉庫内の物を持って行きなさいと言われた。最初は申し訳ないので断ったが、何度も言われるので必要な物だけ持っていくことにした。


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