EP14 終焉の対処法
大阪に着いた、まずは終焉を探して、そのあと少し調査をした。結果分かったのは、終焉は通常通り、問題はその周りのことだった。終焉を中心に、重力が歪んでいる。そこに常時クスリでもやってるかのようなキマってる魔物たちがうじゃうじゃいる。正直数が多すぎてキモい。匂いもかなりきつい。
調査に2時間ほどかかったが、10分に一回は吐きそうだった。
ユズと結愛は、テントの設営をしてくれている。あらかじめテントの立て方を教えておいて良かったぜ...
ユズのところに戻るともう既にテントが立っていた。
ただ中にユズはいなく、結愛だけがいた。ユズは魔法の練習に行ったそうだ。
「結愛、アルト村ってどんなところなんだ?」
「アルト村は、すっごく綺麗な小麦畑があるんだ!」
「小麦畑...見てみたいな、いつか見に行けるといいな」
「いつか一緒に行こうね!和人!」
結愛は目を輝かせながら言った。どうやら、結愛は元の場所、アルト村に戻れるかもしれないという希望をなくしていないようだ。
「和人のことも教えて!」
「え?俺?....俺はもうあんま覚えてないかな...」
....なにをどう教えたらいいんだ?というかそもそもあまり覚えていない。
「えー残念」
「ま、また思い出したら教えてやるよ」
「えいっ!!」
ユズが少し成長してる気がする、でもまだまだだ。
「結愛も練習してきたらどうだ?」
「うん!和人もいこー!」
「俺はちょっと体が痛いからな、もう少ししたら行くよ」
「はーい!」
テントの中から、ユズと結愛の練習している姿を眺める。さて、終焉をどう対処するかを考えなければ。
ここの終焉は、並のサイズだ。ただ、魔物の数がとんでもない。先に魔物を一掃しなければ、道は開かれないだろう。問題は、どう魔物を一掃するかだ。魔法でやった場合、終焉を消す魔法が離れなくなる可能性もある。刀で戦って場合、魔力は温存されるが時間がかかりすぎてしまう。時間がかかると、魔物が復活するかもしれない。何かいい解決策はないのだろうか.......
「いい考えが浮かばねえ....」
「何のこと?」
「うわぁ?!.....何だユズか」
「私もいるよ!!」
「あ、ああ結愛、もう練習は終わったのか?」
「今は休憩!」
「なるほどね」
「で、考えってなんなの?」
「それは、終焉の対処法だ。なかなかいい案が浮かばなくてな」
「魔法でバーン!ってやっちゃダメなの?」
「やめといた方がいい。終焉を消す魔法が使えなくなるかもしれないし、そもそも魔法が効くのか分からない」
「なんかをぶつける?」
「うーん、何をどうやってぶつけるかだよな」
「魔法を使わない方法...銃とか?」
「あー銃ね、でもどうやって銃を手に入れるんだ?」
それから3時間ほど会議をした。
夕陽が地上を照らす。少し休憩時間にしようか。
和人「いい案が思いつかないから、少し休憩にしよう」
「うん」
「お、ハモったw」
「じゃあ私外を散歩してくる」
「おう!気をつけてな」
「お腹すいたー」
「そうか、ならなんか作るか」
「やったあ!」
結愛が腹を空かせたので、ポテチでも作ることにした。
「少し待ってろ、ポテチを作る」
「ポテチってなあに?」
「えーっと、ポテチっていうのは、薄いじゃがいもを油で揚げて、仕上げに塩をかけたりして味をつけたやつだ。作るのはめんどくさいが、めっちゃうまいぞ。じゃあ作るから、結愛はそこにいてな」
人類から感情が無くなった世界で突如、感情を取り戻した主人公ー青葉幸奈とその友達の海棠璃、オリヴィエ・ノアと「はーい!」
結愛は本当、元気だった頃の妹のようだ。とても元気いっぱいで、それでもまだ幼いところはあって、世話の焼けるやつだ。懐かしいな、明里が病気になってから、ずっと会えなかった。なんの病かは知らないが、時々母から嬉しそうな明里の写真が送られてきた。明里のそんな顔を見ると自然とこっちも幸せになれた。
明里とは9歳差で、様々な事情で別居をしていたから話す機会があまりなかった。もし過去に戻れるなら、もう一度明里と話したい。いつものようにくだらない話をして。
「まだー?」
「...あ、もう少しだ」
記憶を振り返っていたらいつの間にかできていた。
「結愛、これがポテチだ」
「....はむっ」
結愛がカリっという気持ちいい音を立てて食べた。
「おいしい!!なにこれ!」
喜んでもらえたようでよかった。
「ただいまー、ってポテチ!」
ユズが帰ってきてすぐ、ポテチを手に取った。
「ん〜おいしい〜」
良かった。自分でも数枚食べてみたが、我ながら、上手くできたと思う。そしてあっという間に無くなった。食べ終わって20分ほどしたあと。
「じゃあそろそろ会議を再開しようか」
「何かいい案は見つかった?」
「いいや、何にもない」
「うーん...」
「なんかねえかなー?」
そんな時だった。世界ノ結合、さっきまでとは違う。
思わず空を見上げたが、先ほどのよりさらに拡大している。嫌な予感がするがお陰でいい案が思いついた。
「...これなら、終焉に対抗できるかもしれない」
この考えが使えるか分からないが、でも可能性はある。
「ユズ、結愛、いいアイデアが思いついた」
「本当?」
俺は2人に説明をした。おそらくこの世界の余命は少ないだろう。だからできるだけ早く確実に消す必要がある。