そしてイマは白の空寂に帰す
人には今という時間を感じることは難しい。
今を考えたらその瞬間からそれは時の流れに流され過去となり、
先を考えてもそれはまだ起こりえぬ未定の未来。
変えられぬ過去と
思いのまま叶えられぬ未来。
そして
その時流の渦中にあるのは
私だった存在と
私に成り得るかもしれない存在。
常にこの二者でしかない。
今の私たる存在は、一体何処にあるのだろうか。
そしてそれを証明するものはあるのだろうか。
人が人たる証のごとく掲げる発達し過ぎた自我は、
時にその証明し得ないものに悩み苦しめられる。
人の子よ。
汝の存在とは何ぞや。