霞色の先の私
いつも
僕は君と一緒にいて
僕は君のことなら
なんでも知っていると
思ってた。
でも
あの日振り返った僕の前に
君はいなかった。
繋いでいたはずの手も
いつの間にか
虚空を掴み
彼のことが
分からなくなった。
でも
本当は
そこにいたのだと
思う。
いつも
自分という存在は
よく知っているようで
本当は
ノイズがかっている。
私は誰?
私の思考は私のもののはず
でも
……違う。
これは私じゃない。
私はどこにいるの?
ねぇ、この手を離さないで。