蒼
腐蝕していく世の中を見て育った子どもに、夢を語ることは非常に難しいでしょう。
己の私利私欲に走る姿は、強欲な人間の本来の姿かも知れません。
しかし、それと同時に人間は矛盾を抱いた存在で、どこまでも無垢な姿を時として見せましょう。
貪欲なまでに無垢な人間を欲することもまた、人を愛でるが故か。
無垢なる愛とは裏腹に滲み出た蒼は、どんな業よりも濃く、どんな甘言よりも甘く、まるで母なる海を取り込むかのように骨の髄にまで染み渡り、最も人らしく染め上げるのです。
ああ、これが私か。