第10話町防衛戦5
探している単行本がない....どこにあるんだ...
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しばらく戦い続けたら魔物の数が減り、変異個体と思われる猿の援軍を呼ぶ声も聞こえない。町を守り抜いたのだという気持ちがみんなに伝播していった。
それを感じ取ったのかガイさんがみんなを集めて勝どきを上げる。
「俺たちの勝ちだーーーーーーーーーーー!!!」
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」
その後、魔物の集団を退けた俺たちは周囲に散乱しているドロップアイテムを集めて防衛に参加したメンバーで分配することになったのだが...
「中位の素材も均等に分けてくれよ。」
「下位のだけ分配して中位のは狩ったプレイヤーのものだろ。」
困ったことに二つの派閥ができてしまった。
俺個人としては吸収さえしてしまえば残りの素材は正直要らないと言えばいらないのだが、野ーライフはスケルトン召喚のための供物として必要だろうしマイの意見を聞かずに勝手に決めていいわけではないだろう。
これにはガイさんも困った顔をしていたので俺が森で仕留めた大猿の分の素材を早い者勝ちでやるからそれでどうだろうかと提案した。本当にいいのかと聞かれたがアイテムボックスにも素材はあるし森の素材も中位のものは少なかったと思うのでOKをだした。
「お前ら!中位の討伐に行っていたアヤトから森の中にある素材を早い者勝ちで譲ってもいいと言われた!もう中位の素材を持っているやつ以外はそれで手を打ってくれ!」
ガイさんがそう言った途端、分配派のプレイヤーは我先にと森の中に入っていった。
「助かったぞアヤトあのままだとプレイヤー間に亀裂が入っていた。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。もう素材は持ってますし、森の中にあるのも急いでいて取れなかったものですから。」
「それでもだよ。これで町が完成するのは確定したが、あの変異個体と思われる猿の魔物がまだいるからな。次いつ襲撃されるかわかったもんじゃない。」
「あの叫び声ですね。あの後にプロパガンダと聞こえたのですが意味わかります?」
「プロパガンダだと?扇動とかそういう意味だったような気がするが、魔物を扇動という形で他の魔物にけしかけることができる能力ということか?変異個体というのはつくづく規格外だな。」
扇動....扇動か.....俺たちの町に襲いかかるように魔物を操れるならかなり厄介な能力だ。なんせ自分は遠くから魔物をけしかけるだけで勝つのだから。
対処法としてはそれこそ襲撃してきたときに変異個体を探しだして討伐しなければいけない。
どちらにせよもう一度襲撃してきたときに見つけだして町で防衛しているときに少人数で討伐しなければならない。
「まあ俺が戦った変異個体もやっかいでしたからね。本来ならもっと大変だったでしょうし。」
「本来なら?まあ詳しくは聞かんが。まあとにかく助かった。これで次の防衛戦の時にやる気に関わるからな。」
「さっきも言いましたけど、いいですよ自分の分も確保してるんで。それじゃ俺は仲間のところに行きます。」
「おう。またよろしくな。」
「はい。ということでお土産の大猿の素材ね。」
「ありがたいけどいいのかい?アヤトはもう吸収したのか?」
「ああもう吸収した。手に入ったスキルを(軽業〕か〔STR強化〕で迷ったんだけどな〔STR強化〕にした。ステータス加算は意外にもDEXだったんだよな。」
「木に登っていたり岩を投げていたからじゃないの?」
野ーライフと話していると途中からマイがどこからともなく会話に参加してきた。いや怖いよ.....気配しなかったんだけど.....
「いや、どうやってそんな静かに来たんだよ。なんかスキル取ったのか?」
「いや〜実はもう一個取っててね〔静音〕というスキルで移動の際の物音がものすごく小さくなるの。」
「めっちゃアサシンじゃん。怖いよ。」
「確かに一芸に特化していっているね。集団戦や暗殺に強いね。」
いや、集団で戦っていたらいきなり指揮官が暗殺されるって怖すぎだろ。地味に物理面は硬いし魔法には弱いけど、当てるには自分や味方ごとやらなきゃいけないのはやりにくい。
なんとも敵に回したらめんどくさそうな構成になっているな。
「そういや野ーライフのスケルトンも反則級だったな。」
「あああれね、私も見たけどあれは確かにずるいわね。何度もスキルが発動できていたからMP消費じゃないだろうし集団戦だったら骨の素材とかそれこそ現地調達できるしね。」
「いやぁあれは雑魚相手にしかあんなに効果ないよ。それに集団戦じゃなかったら自前の素材を使わなきゃいけないからね。」
「いや、それでも壁にもできるし便利だろ。」
野ーライフの構成は雑魚処理と壁と魔法攻撃ととりわけ役割が多いような気がする。パーティーの隙間を埋めるような構成になっていてとてもありがたい。普段の戦闘でもボス戦でも役割があるようになっている。
「まあ反則具合でいったらお前が一番なんだけどなアヤト。」
「まあそうよね。瞬時にその場に適した体の変身にVITは減るものの自己回復あって、HPが減るごとにステータス強化でさらに強くなる。極め付けは固有系の吸収による永続的な固有能力の取得よね。」
「まあ固有武器や固有防具はずっと使えるものもあるかもだけど、装備だとどうしても使わなくなるものが出るだろうしね。」
「まだ装備は吸収できないんだけどな。」
「いつかできるようになるでしょ。そういう進化をしていったらね。」
まあそうなるだろうな。今は変身に進化の方向性を向けているから吸収も強化されていって装備も吸収できるようになったら固有系の装備も吸収してさらに強くなれるだろうな。
お互いの構成にツッコミつつ俺たちは町に戻っていった。




