第1話強化のススメ
おはようございます。
第二章は第一章よりも長くなる予定です。なので更新ペースが落ちるかもです。申し訳ない。
ブックマークをしてくださっている方はありがとうございます。
今回ブックマークをしてやってもいいよって方はよろしくお願いします。それではどうぞ
今回の猿の襲撃で受けた損害は外壁の4割が倒壊、そこから投げられた岩によって破壊された建物が5軒。外壁にドでかい穴が開けられてものすごく見通しが良くなってしまった。しかしこれでもまだいい方なのだ。初めの頃はどうしていいのかもわからず、猿どもの襲撃についても何も準備していなかったため、全ての外壁と建物が壊され邪魔な岩まである状態の時もあったのだ。
もう何度も満足な対策も打てないまま何度も襲撃されてみんなもう慣れいるので、いつもならみんな愚痴を言いながらでも作業を再開するのだが今回は違った。
.....石材が足りない。と
「第二エリアに行こう。」
これは町(予定)のちょうど中央地点に今回町づくりに参加したメンバーが集められ、町づくりの代表者が最初にみんなに言った言葉だった。
みんなが?という顔をしていたので理解されてないと思ったのか代表者は「石がな、足りないんだよ。」と言い今回の襲撃で、外壁を完成させるために必要な分の石が無くなってしまったので、第二エリアに行き新しい素材を探そうということだった。どこまでいけるようになるかは分からないが最低でも石を採石できる場所があると踏んでいるらしい。
なので目的の素材が手に入れることができるまでは工事の規模を縮小し現在、石をとっている場所から出来るだけ取るらしい。猿も建設が再開されていないのがわかれば手は出してこないだろうということだった。
―――――
ここは森の奥に入った場所で俺たちは絶賛ボスとの遭遇待ちだ。
森のボスは群狼と、鬼そしてビックスライムの3体が確認されている。この中の群狼と鬼は取り巻きも一緒に出てきて、その数はパーティーメンバーの数によって変わるらしい。
「それでこの中の魔物のどれを狙うかという話だけど。俺は鬼かな。」
「おっ。アヤトなにか理由があるの?」
「そりゃあ俺が今まで吸収してない魔物の種族だからな。もう狼とスライムは吸収したし。」
「なるほどね。戦力強化でもどんなスキルを持っているかでも一度吸収しておきたいと。」
「そゆこと。他のみんなは?」
「私はスライム以外なら何でも、スライムは溶かせられないし。」
「俺としても今回はどれでもいいかな。」
「それじゃあ最優先目標は鬼で。」
ということで鬼と遭遇するため森の中を歩き回っているのだが一向にエンカウントしない。鬼や群狼は固定で出現するエリア、いわゆるボスエリアというものがなく運営に問い合わせをしたものが言うには「弱すぎる魔物は固定のエリアを持つことができません。」という回答が来たらしい。なのでこの2体はプレイヤーと同じように森を移動しているらしい。掲示板では発見報告なども挙げられており、どの個体でも討伐した場合は次のエリアに行けるようになるらしい。
「しかし、こんなにも合わないとは思わなかった。あんまりにも合わなかったらどうする?」
「そうよね、エンカウントしなきゃ次のエリアには行けないわけだし。」
「そうは言っても2人ともずっと並んで待っているのはいやだろ?」
そう最後の1体ビックスライムは唯一場所が大体把握できるボスなのだ。ビックスライムは水場で一定数のスライムを狩ると出現するボスで確定で現れるため大勢のプレイヤーが押し寄せていて順番待ちになっているのだ。
「あんまりやりたくなかったけど3人バラバラで探すか?」
「それしたら私2体1になるんだけど。」
「マイさんは1体しか相手にできないしね。それじゃあ俺とマイさんがペアでアヤトは1人で行くこれでどう?」
「え、俺1人なの?」
「そりゃあ俺後衛だし、マイさんは複数と戦うの向いていないからね。その点アヤトは火力は十分だし回復もあるし何の心配もないだろ?」
「いや、まあそうだけど.....。」
「うんじゃ、これで決まりね。それじゃ移動しようか。」
そう言って俺と別の方向へさっさと野ーライフとマイは移動していった。.....くそうさっさと行きやがってこうなりゃさっさと見つけて狩ってやる。俺は独りで森の中を走り出した。
・・・・・
野ーライフside
「それでどうしてわざわざアヤトと離れたの?」
最初に聞いてくるのがこれだから、マイさんは察しがいいと言わざるを得ない。
「まあねこの前のイベントで俺たちは戦わなかったけど、相手とアヤトの変異個体の固定系のスキルや武器の性能が段違いというのはわかったよね?」
「そうね、今あるスキルと装備より2つぐらい頭抜けていると思うわ。」
「それでね、俺たちにはあれほど突き抜けた性能のスキルは持ってない。そして変異個体も狙ってエンカウントできるわけじゃない。だけど強みになりそうな物なら持っている。」
「バジリスクの抜け殻のことね?」
「そう、アヤトが吸収したことで脱皮という回復スキルを得たことでこの抜け殻の特性が分かった。」
「これを使って回復スキル付きの装備でも作ろうってこと?」
「それじゃあマイさんが装備できないけどね。取り敢えずはパッと思いついたのがそれだったということだよ。」
「確かに他の人を回復できるのは強みになるわね。」
「そうだろう?だから町ができて、まともな設備ができた頃に生産者に秘密裏に製作を依頼しようと思ってね。」
「ちゃんと信用できる人を探さなきゃね。騒ぎはカンベンよ。」
そうだよねとお互いに笑いながら言い合っていたがこの後、想像よりも大きな騒ぎが起こることは流石に思わなかった。




