第七話 悪魔とは
「悪魔…」
『悪魔。それは下界の生き物を神の信仰から悪の道へと誘惑し堕落へと導く存在。極悪非道。神々に仇なす者』
『とにかく悪い奴やな』
シルクさんの話でも過去に国々が力を合わせて悪魔を討ったって話もあるし。
シルクさん自身も悪魔にあんな傷を…
『この考えは間違いや。元々悪魔はそんな気性の荒いもんは滅多におらん。基本地上の生き物になんか興味はない。自分が攻撃を受けた時やっと反撃するんや自分から危害は加えん。後は理性がない半端者か』
『ほんでやここから本題や。じゃあ何で悪魔がこんなに悪く言われてるかやけど…』
神話時代ルシファーは大天使だった。
ルシファーの力は強く人々や他の天使達の信頼が厚かった。
それをよく思わなかった神々はルシファーに適当な理由をつけて下界へ堕天させた。
それからルシファーは地上で堕天使という身を隠し人族としての暮らしをした。
そして色々な種族との交流を深めていった。そんな様子を見ていた神々は面白く思わず、ルシファーを神に仇なす者、悪魔として神々を信仰している信者たちに教えを説いた。
それからルシファーは地上で活動する事をやめ、地の底、地獄で暮らすようになった。
そして、時が経ち地獄には身勝手な神々に嫌気がさし堕天した天使達や元々棲んでいた魔物がルシファーを王とし国ができた。
それが今の魔国。
神々は自分の言うことを聞かず堕天して行った天使達に腹を立てた。
しかし、神々は直接下界へ行き、攻撃する事はできない。
下界に干渉できる強力な天使達も皆堕天して行った。
そんな手出しのできない状況に陥り、怒りの矛先は地上の生き物に向いた。
地上の生き物達は神々による洗脳で争いを起こし多くの命を失った。
そんな様子を見ていたルシファーは地上の争いを止めるために単身で神々に戦いを挑んだ。
結果は神々の勝利。
神々の気分は良くなり地上の争いは無くなった。
ルシファーは深い傷を負い地獄で息を引き取った…
『それから何万年と経った今神々はまた地上へちょっかいを出そうとしている』
「また戦争が起きるって事?」
『そうや、何の理由もなく色々な種族が対立して戦争を起こす…もちろん同族でも』
「酷い…」
『そこでや、儂ら悪魔と呼ばれる種族つまり堕天使が唯一神々を殺せる。その中でも儂らはルシファーの血を受け継ぐ者や』
「だから神を殺せと…」
10年前の約束…
『そうや、だからこれからお前には強くなってもらわなあかん』
「待って、でも現時点で君の言うことを全て信じる事は出来ない」
『まぁそらそうやろうな。でもとりあえず強くなっておくに越したことはないやろ?』
「そうだね…でも僕はレベルが…」
『そうやったなお前はレベルが上がる条件知らんかったんやな』
「条件?」
『そうや、儂ら堕天使はちょっと変わっとってなレベルが上がる条件は…』
『女の血を吸う』