第二十八話 村
『おった。あそこや』
森の少しひらけている場所。
ダランさんに抱えられ倒れている父さんが居る。
他のみんなは無事……みたいだね。
……アイツが上級悪魔か。
「確かになんだか、普通の様子じゃないね」
上級悪魔の目は虚ろで悪魔の特徴と言える赤い瞳が黒く、くすんで見える
『あいつが術者か』
近くではニヤニヤと気持ちの悪い笑みを浮かべながら戦いを傍観している悪魔がいる。あっちは何かが混じっているような感覚はなく純血の悪魔のようだ。
もう少しでたどり着く…
『なんや?あいつらでも倒せそうやな』
そう。上級悪魔の魔力が弱まり生命反応も弱くなっていっている…
このままいくとみんなで倒せちゃいそう…
と思ったその直後。
上級悪魔の内側から膨大な魔力が膨らんでゆく。
『ヨナ!!』
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「『やぁ』じゃないわよ!」
サラは驚いた表情を一瞬で笑顔に変えて言った。
ふぅ。
危ないところだった…〔魔障壁〕でなんとか爆発を抑え込めた。
〔魔障壁〕
魔力を高密度で組み合わせた壁。壁の強度、面積は魔力量で大きく差が出る。
さっきまで上級悪魔がいた場所を見ると地面がえぐれて上級悪魔が居たという痕跡はなくなっていた。
ものすごい爆風で服とかはボロボロになっちゃったけどなんとかみんな無事みたいだね。
「ごめんね、サラ遅くなって」
そう言って僕はサラに手を差し伸べる。
「ヨナそのわたし耳が聞こえなくて…」
サラは耳を指差しそう言う。
『さっきので鼓膜がやられたんやな』
〔ハイヒール〕
サラへ回復魔法をかける。
「あ、ああ。あー」
サラは発声し耳が聞こえるか確かめている。
「聞こえる?」
僕がそう問うとサラは勢いよく抱きついてきた。
「き、聞こ、えるぅううぁああぁ!!」
耳が聞こえることに喜んだ表情をしたと思ったら、いきなり泣き出した。
「感情表現が豊かだね」
『お前ってやっぱ鈍感やな』
鈍感?なんのことだ?
そんなことよりも…
「無事でよかったよサラ」
僕はそう言いながら優しくサラを抱きしめる。
本当に無事でよかった。もう少しでも遅れていたら…
「うぅうん。グスッ。よかっ、た。グスッ」
サラがこんなに泣いてるの久しぶりに見た。
「「「ヨナ(くん)!!」」」
うわっびっくりした!
突然村のみんなが僕の名前を呼んだ?
無視するのが普通じゃ。
僕は村のみんなの顔を見る。みんななんだか申し訳なさそうに僕のことを見ている。
みんなは僕の近くへ歩いてくる。
え、なにか悪い事をしてしまったかな…
「「「ヨナ(くん)!!本当に!」」」
みんなが一斉に頭を下げる。
「「「ごめんなさい!!」」」
えーっと。
……
「…大丈夫ですよ。はは。」
僕は笑顔でそう応えた。
「ヨナ!そんな簡単に!?」
サラが抱きついて僕の胸に埋めていた顔を上げ言う。
「ほんとにすまなかった。ヨナ」
ダランさんに肩を持たれながら頭を下げる父さん。
「父さんまで…」
「私達はヨナくんに酷いことをしてしまった!何年という月日ヨナくんに苦痛を与えてしまった!それをヨナ君は簡単に…」
「いいんですよ。ダランさん」
確かにこの15年間村との関わりはなく疎外されてきた。
でも、こうやって村のみんなが一致団結して敵に立ち向かっている姿を見ていたら『いいな』って思った…
……だから。
「そのかわり、これからは僕とも仲良くしてください!」
そう言って僕は頭を下げた。
ヨナの行動を見た村人達は涙を流し笑顔でヨナを抱きしめた。
僕の目からは自然に涙が溢れ出した。
『上!』
リリムの声に咄嗟に頭上へみんなをカバーできる大きさの〔魔障壁〕を展開する。
「グギャガガグググゥうう!!」
空から降ってきたのはさっき自爆したと思っていた上級悪魔だった。
「さっき自爆したはずじゃ!?」
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