第十五話 王令
え?
どうなってるのこれ!?
『おうおう、いい反応』
いやいや、ステータスが7桁って…
レベルがこんだけ高いと皆んなこんなステータスなの?これが普通なの!?
いや、まずこんなレベルの人いるの!?
『まぁ、まず悪魔以外でそのステータスは無いな。ああ、エルフの中で不老と言われるハイエルフの10万年ぐらい生きている個体ならありえるか。まぁ見たことないけどな』
え、悪魔の中だったら居るの?
『そら、地上の種族とはレベルが上がった時ステータスの上昇倍率は圧倒的な差があるからな』
そ、そうなんだ…
『おるって言うてもお前か上級悪魔の魔王候補ぐらいやからな。まぁ、そん中でもお前のステータス上昇倍率はずば抜けとるけど』
『あとは、勇者とか賢者とか言われる者に神族が気紛れに加護とか、イかれてるスキルを付与するとそう言うステータスになる』
それも、また戦争を起こすため?
『それは分からんアイツらはこの世界を1つの遊びとしか思ってないからな。完全に気紛れだ』
そう言えば僕にも神の加護が…あるけど大丈夫なの?
『お前のはこの世界で神を信仰しとる人間にその眼を見ただけで殺したくなるとか酷く醜く憎いと言う憎悪の感情を引き出すって言う加護や』
うわぁ………
『…まぁ、今は神話時代ほど神々は信仰されてないし。そないに気にせんでええ』
ありがと、そうするよ。
『ああ』
それから僕とリリムの会話は途切れた。
しばらくの時間僕はシルクさんの事を考える。
なぜ怒ったのか…正直分からない。
なんでなんだろう?
怒る前の話は…えっと。
確かシルクさんが好きでもない僕に催淫効果によって半強制的にキスをさせてしまった事を大丈夫か?と心配を口にした瞬間しかめた顔をして怒鳴って部屋を出て行った…
うーん……
分からん。
『ヨナ』
うん?
『例えば。魔物に襲われている人が居たらお前はどうする?』
それは、助けに入るに決まってるよ。
『まぁお前ならそうするな。ほんでや助けた者がどっかの上級貴族やとする』
うん。
『ほんでお前は貴族に「どうせ私が貴族だから助けたのだろう?」と言われる。どう思う?』
うーん。
ちょっとそれは失礼じゃないかなと思う。
『そう、お前は善意で助けたのに相手は悪意を持って助けたと勝手に勘違いする』
『お前も一緒や。お前はあの女を勘違いしとる』
なに、それってシルクさんが僕に好意を持っているってこと?
『そうや』
いや、ないでしょ!
こんな短期間にそれも僕は何もしてないよ?
『さぁ、何で惚れたんかは知らんけど。見るからにお前の事を好きみたいやな』
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「シルクさんの好意を踏みにじる様な真似をしてごめんなさい!」
僕はあの後急いでシルクさんを探し。
見つけた瞬間頭を深く下げた。
「………」
シルクさんは黙っている。
まだ怒ってるのだろうか。
「本当にごめんなさい!まさかシルクさんが僕に好意を持っていてくれているなんて思いもしなくて!」
「あ、のヨ、ナ君?」
シルクさんの声は消え入るようだった。
「どうして、謝罪したらいいのか分からなくて。シルクさんが僕に好意を持っているって分かった時はすごく嬉しかったです」
「ヨナ君!」
「は、はい!」
「その。私の気持ちに気づいて謝罪してくれたのはすごく嬉しいのだが…」
「はい」
僕は嬉しいと言う言葉に少し安心した。
「こう言うのは二人っきりの時に…皆の目もあるし」
「へ?」
僕は顔を上げる。
「やぁ」
シルクさんの隣にはニヤニヤしたアランさんが居た。
そしてアランさんの後ろには。
「クレア様、エミル様!」
顔が真っ赤なクレア様と頬をプクッと膨らませ僕と目が合ったらそっぽを向くエミル様が居た。
「シルク、話は聞かせてもらいますからね」
「シルク、観念。」
そう言って二人はシルクさんの両脇を持って引きずって行った。
そして取り残された僕とアランさん。
「すみません。四人で話し中だったのに」
「いや、逆にいい所に来てくれたよヨナ君は」
アランさんは真剣な顔で話し出す。
「丁度今からヨナ君を呼びに行こうと思っててね」
「えっと、僕に何か?」
「ヨナ君、きみには私達と共に王都に来てもらう」
はい?
ああ騎士団の勧誘の事か。
しっかり断っておかないと。
「すみません。騎士団の入団の件はお断りさせていただきます」
「ああ、違う違うその話はまた今度」
いや、違うって何?また今度って今断ったんですけど…
「では、何故僕が王都に?」
「君には王令で王都に来てもらう」
はい?
「王令って王様が直接出す命令って事ですよね?」
「そうだが」
「いや、何かの間違いじゃ。僕が何か失礼なしてしまいましたか?」
やっぱりクレア様やエミル様に失礼な事をしてしまったからか?
「そんなに心配しなくても君を罰するとかそんな意味じゃないよ」
アランさんは手を振りながら僕の考えを否定する。
「そうなんですか?なら尚更なんで呼ばれたのか分かりませんよ?」
「いやいや双姫の命を救い、王国最強の騎士に軽々と勝利した君をそのまま放っておく訳ないじゃないか」
『ややこしい事なったなぁ。ヨナ』
リリムの顔は見えないけど多分ニヤケながらこの状況を面白がっているんだろう。
『正解や』
ほら。
と言うかリリム他人事みたいに言ってるけど、きみのせいでもあるんだからね。
『おうおう、すまんすまん』
絶対思ってないじゃん。
『これ又正解や』
「それって断る事とか出来ないですか?」
「うん」
アレンさんは単調な返事をする。
「強制ですか?」
「王令だからね」
はぁ。
「分かりました…行きます」
「うん、そうしよう」
アランさんは満面の笑みだ。




