第四話
夜中の22時頃程だろうか。チリンチリンと音がする。
「......ッチ!コレで何も用事が無ければ後でシメるか」
文之はシノビ装束に着替え......ず、黒の長袖と黒ズボンにスニーカーそして黒ヘルメットという黒黒尽くしの現代風シノビスタイル?で窓を開けて、音速移動でその場所へと向かう。
徒歩では四十分と、かからない位置だ。
「いた。」
文之はそう言い、鳴った音源がある家の青い屋根の上に無音で着地する。
「この下か。」
壁を歩き、窓の元へ向かう。窓を開けようとするが窓に鍵が掛かってるみたいだ。
コンコンと窓の上部を小さくノックする。
ガチャっという鍵が開けられる音。ガラガラと窓が開いた。
窓枠を掴んで、室内を汚さないように靴を脱いでから中へと入る。
「おおー!にーー」
咄嗟に、カーラの口を塞ぐ。
「...騒ぐな。他に人いるか?」
「ホームステイでゆかゆかのいえーデス」
「...声を抑えておけ」
「イエスデス」
思ったより風が強いためカーテンがなびく為、文之は窓を閉める。
そして、ヘルメットを脱ぐ。
カーラはパジャマ姿。ということは寝る前に連絡したかったと言う事だろう。
「...ブツを」
「楽しいデス。ふふふ......」
「...何言ってんだ」
「これデス。」
そう言って、一枚の紙を渡す。文之はそれをサッと目を通す。
「朝、暴れてた二人は見てないデス。今度また伝えるデス!」
「俺だけ酷くない?超裁縫って......」
「ミシンでよゆーデスネ」
「ソレを言ってしまえば終わりだ。」
紙を二つ折り。そこから三つ折りしてポケットに入れる。
「ソレと......コレ...電話が早いと思うデス?」
「俺、携帯持ってない。」
「!?」
カーラが珍獣を見るかのような目で文之を見る。
「マ、マァ、また呼ぶデス。ソレとそのヘルメットどうなっているデス?見せてくださいデス。」
「ほらよ」
黒ヘルメットをカーラに渡す。
「おお。ナント言う被り心地デス。」
するとカーラがヘルメットを被る。
「遊ぶなら返せ」
「ああ〜」
文之はヘルメットをひったくって被る。するとドアの向こうから、
「カーラちゃん?起きてる?一緒に寝よー?」
四田 結佳の声。それもそうだ。カーラのホームステイ先は 四田 結佳の家なのだから。
四田 結佳はガチャとドアを開けた。
「カーラちゃん?」
「うん、ねるデス。」
「カーラちゃん窓開けっ放しで風邪ひいちゃうよ?」
彼女はそう言って、カーテンがなびく窓を閉めて鍵を掛けた。
「開けっ放しだったデス。」
カーラはそう言い、ベットへと寝っ転がってスマホを仰向けで見る。
そして、地図を高速移動するピンを止まるまで眺めたのだった。
__________
忍者は自分の家に戻り、装備を脱ぐ。そして机へと座り、折り畳まれた紙を広げ、眺める。
「超裁縫だけしょぼいな。しかし、まあ明日にでも帰りに生地屋に行くか。」
そして、紙の内容を手帳に書いていく。
「アイツ割と字、綺麗だな」
その後に紙を手に持ち、燃やした。勿論灰も残さずに。
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忍者は遅刻ギリギリの時間に家を出る。
そして、丁度いい時間帯に着くであろう道まで走った。彼の足の速さは常人ではない為、数十秒程しか掛からなかった。
さて、今日は情報収集をしよう。能力が強そうな奴を片っ端から観察させて頂こう、と考えながら文之は学校へと向かう。
そして何事もなく、教室へと着く。
「(注目すべき者とすれば国谷、長月、行本、樫本、桐ヶ谷、椙山、宮山だろう)」
それぞれの観察対象をチラリと見て、自分の席へと行く。
憑依の 国谷 忠克、聖剣の 長月 陽佑、結界の 行本 文義、重力操作の 樫本 令奈、精霊使役の 桐ヶ谷 瑞加、霊体化の 椙山 涼夏、魔法少女の 宮山 咲弥。以上が文之の観察対象と認識した。
そいつらの様子を見終わった後、席へと座った。
それを見たカーラが文之がカーラ側を向いたため、文之に向けてウィンクする。しかし、それはスルーされた。
席に着くと頬杖をつき、文之は今日のプランを考え始めたがあっという間に時間が過ぎて学校のチャイムが鳴り、先生が入ってきた。
周りを見渡すと、来てないのは名川と桑島。
先生の話を文之はボーッと過ごしていると、何やら真っ白な紙を配られる。
「なんだこれ......」
文之とりあえず自分のを取って、後ろに回す。
「 四之宮。寝てるからやろうが!とりあえずああだこうだでそれぞれの異能の情報をなんやかんやでで政府が必要としているそうだ」
するとそれに配った先生が答えた。
与那城 鈴子
異能:超投擲。料理部顧問。今年で丁度、30歳。歳を気にしている未婚者。次々と結婚していく友人達により、合コンをしまくっている。理想が高い。
「(......アレ?アイツに調べさせた意味ある?............いや、嘘書かれたら判断出来ないだろうからな。職員室に行って後で見せてもらおう。ついでにこの学校の有力者の確認だ。)」
文之は何も隠すことがないと、名前と『超裁縫』を記入した。
「(もしや、アイツ、馬鹿みたいに自分の異能教えてんじゃ無いだろなぁ......くっそ有能だし。ここはちょっと、様子を見てくるか。)」
文之はなにかの印を組んだ後、普通に席を立ち、教室を歩く。
ショートホームルームの時間に急に立ち上がり、席から勝手に離れ歩いていく文之にクラスメイトは皆、文之がいないかのようにペンで紙に記入している。
カーラのそばに寄って紙を確認する。
「ふふふっ」
「(なんか怪しげな笑いをしている......)」
カーラは書き終えており、ペンも置いている。その紙には......
『我が目覚めし力......†神眼† 最強にして最恐!見通せぬモノ、無き伝説の目!!』
「......」
文之はそれを瞬時に消して、マイネームペンで『鑑定眼』と書いて差し上げた。
「っ!?」
その摩訶不思議な光景にカーラは驚き、こんなことが出来る人間は一人しかいないと文之の席の方を見た。
しかし文之は居ない。なので天井や椅子の裏を確認したが誰もいない。
「終わったなぁーー?一番後ろ集めてこーい!」
「はっ!?」
慌てて消しゴムで文字を消そうとする。しかし、それは油性のマイネーム。修正ペンが無ければ消える事が無い。
生憎、修正ペンは無く借りるにしても間に合わず、後ろの人に回収されてしまうのだった。
カーラは文之の席を見ると文之はちゃんと座っており、しばらく、文之を直視して頬を膨らませていたのだった。
コレはノリで30話書いて、飽きっちゃったモノですw
高評価ならば続けるけど、高評価は無いと思います。