表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様のおでまし  作者: 東雲しの
60/100

大神様の思い人10

「何と申されました?大神様」


 青孤は大神様に呼ばれ、誰も居ない神祠で声を上げた。


「再び読める様になったのだ」


「みことの心中が、でございますますか?」


「そうそう」


 大神様はうんうん頷かれた。


「また……如何して?」


「如何してであろう?」


「何かお二方の間に変化が?」


 青孤は言葉を選ぶ様に言う。


「みことに恩恵を与えた」


 青孤は自分の経験があるから


「情はまだ交わされて、おられますまいな?」


 念を押す様に言う。

 若い大神様だから念を押す。


「まだである」


「ご賢明でございます」


 ……つまりキスまでか……


 青孤は考えを巡らせた。


 ……それとも、思いが通じ合ったからか?……


「大神様。みことには読めぬままと、致しておられますように」


「如何してだ?」


「その方が良いのです。私など、熊の心中を読もうなとど、恐ろしくて致せませんでした」


「ならば、読めている可能性があるのか?」


「……やも知れません。試した事がございません故……」


 青孤は苦笑して言った。

 

「其方程のものが、そこまでになろうとは?」


「そうでなくとは、夫婦は円満には参りません」


「うーん、難儀であるな……」


「しかしながら、煩い事が一つ無くなり、何よりでございます」


「みことの事か?」


「さようで……」


 青孤は一瞬何かを感じて、そのまま聞き流した。



 大神様がスマホを持っているので、青孤はかんかんだ。


「何故そんなに怒るんだ?」


 現代慣れした鹿静は、反対に合点がいかない。


「あの様に聡すぎるお方を、これ以上にして如何致す?」


「はあ?」


「あのお方は全てに影響を受けやすい性質(たち)なのだぞ。今ですら懐古的なお考えの神々様には、疎まれておられるに……」


「しかし神々様とて、大神様であられる以上、従うより他あるまい?」


「当然だ。だからこれ以上賢くなられると、大神様が苦しまられる」


「青孤は確かに正しいが、スマホの一つくらい……」


「お、おう。私は面白くて、とても返す事はできそうにない」


 赤獺は頂いたばかりのスマホを、手放せぬ思いがいっぱいだ。


「私とてわからぬものではない。故に今後気をつけよ……という事だ」


 青孤は苦笑いを浮かべて言った。


「まさか其方も持っておるとか?」


「人間を知るには、これを知らねば如何ともならん」

 

「はあ?今の時代、これを監視するお役目すら、存在しておるくらいだからな」


 鹿静が力を入れて言った。


「未確認生物とか乗り物とか、直ぐに載るからな。だがまだ我らの方が一枚上手だが、いつどうなるか……」


「昨今では、こちらの方にも!進出している輩がいると聞いたが?」


「ああ……。それが監視を目的としたものだが、一番金になる」


「そ、そうなのか?」


「人間と調和を図る目的で、私の様に現世におるものは多いからな」


「神だけが増えぬのか?」


「不思議と太古の昔から変わらない。一番均整を取っている証拠だろうな」


「特に大神様は特別だ。神々様とはまた違う」


「そ、そうなのか?確かに大神様にお仕えするは、眷属の誇りだと親父に喜ばれた」


「その中でも大神様は特別だ。これからの地球の均整の為に、誕生された様なお方だからな。懐古的なお考えの神々様ですら、疎まれても否定はできない存在だ」


「そうなのか?」


 赤獺が関心深く言った。


「私も初めて聞いた」


 鹿静も唖然として言った。


「とてもその様には見えない」


 大神様を知る全てのものがいう台詞だ。




「みことよ。今日は散策でも致すとするか?」


 大神様はモーニング珈琲を、堪能されながら言われた。


「嫌です。大神様が散策されると、女性が周りに集まって来ます」


「それは其方の責任であるから、如何様ともならん」


「猫男爵って訳にはいかなかったんです。それに長く滞在なさるとは、思ってなかったから……」


「イケメンを目の保養と致したのか?」


「へへへ……」


 みことの周りは春爛漫。

 仮令真冬でも、大神様がおいでになれば、桜も咲くし桃も咲く。梅も咲いて鶯が時を告げる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ