表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様のおでまし  作者: 東雲しの
45/100

海神様5

「これはこれは……」


 赤獺は車を見て呆れ果てている。

 何と鹿静は昨日の今日で、高級車を用意して来たのである。


「赤獺。今日は私に任せて、ゆるりと過ごせ」


 鹿静がそう言うと、赤獺はびっくりして大神様を見た。


「今日は赤獺はゆるりと致すか?」


 大神様は呑気に言われた。


「かないますれば……」


 赤獺は、久しぶりのお休みにわくわくを隠せずに言う。

 大神様のお使いになってから、ずっとお側に居るから休む間もない。

 大体神使はお使いがお役目だし、他のお役目を仰せつかったとしても、これ程べったりお側に居ることは余りない。特に大神様は、寝るときもお側に置かれるし、体調を崩されたりもしたから、赤獺はずっと大神様のお側に仕えているのだ。

 流石にちょっと自由な時間が欲しい、と思うのは不埒だろうか?


「ならばゆるりと致すがよい」


 赤獺は畏まって礼をした。


「明日昼からでもいいぞ……」

 

 鹿静がこっそりと囁いた。


「それはありがたい……」


 赤獺はそう言うと、スッと消えた。


「鹿静よ。赤獺にゆるりとする時間を、与えねばならぬか?」


「大神様。赤獺はお仕えして間もありません。私の様には参りません。まして青孤の様には……」


「ふむ。あれは五月蝿いくらいであるからな」


 大神様は、気にも留める様子もなく言われた。


 そんな事をしている内に、鈴音がみことを連れてやって来た。

 みことは大神様とお出かけできると、昨日鈴音から連絡をもらいウキウキだ。


「凄い車だね!」


 みことがびっくりして鈴音に言った。


「ああこれ?大神様をお乗せするのに、汚い車って訳にいかないから……」


「ちょちょちょいと新車を購入致しました」


 鹿静が大神様に言った。


「えーちょちょちょいと?」


 みことが呆れる様に、どう見たってドヤ顔の鈴音を見て言った。


「大神様のお為よ。大神様の……」


「ほんと〝力〟凄いよね」


 計り知れない〝力〟の強力さに、圧倒されそうになりながら乗車する。


「鹿静さんって、()()の、運転免許証持ってるんですね」

 

「鹿静は()()に長いから、何でもできるのよ」


 車は驚くほどの振動の無さで出発して、走っているのかどうかも解らない程だ。


「えっ?鹿静さんて長いんですか?人間世界?」


「人間世界?ああ、半世紀程かな?その前は彼処の神祠に居たから」


「彼処の神祠って、裏の森林の?大神様もですか?」


「そうであるな……。彼処はなかなか良い所であった」


 大神様は、外の景色に気を取られながら言われた。


「大神様が代替わりと成られたので、私もいろいろと忙しくなって……。まあ今に至っているわけ」


「へえー。鹿静さんもあの祠に?」


「無論ご一緒致した」

 

「彼処って、めちゃ狭そうですけど?」


 みことの言葉に大神様が、ピクリと反応を示された。


「みことも豪華なのが好みであるか?」


「豪華?……って言うより、大神様おひとりでも狭そうじゃないですか?」


「中は至って広い……っていうか、空間だからね」


「くうかん?」


「祠の人間が見えるその先には、いろいろな所に繋がる空間が広がってるんだ」


「そんな空間に、どうやって大神様はお座すんです?」


「どうやって……と言っても」


「みことよ。前にも言うたが私は実体がないのだ、如何様にもなる」


「???でも鹿静さんは実体があるんでしょ?どうやって鹿静さんは、あの祠に居たんです?」


「鹿静は神使である、仕える時には如何様にもなる」


 何故か大神様はムッとなされた。


「みこちゃんは、昔から気にしなくていい所を気にするんです。これでいつも失敗するって言うか」


「失敗?」


「し、失敗なんてなんにもしてません」


 みことは慌てて否定した。

 鈴音が事あるごとに、高校生の時の事を引き合いに出すのを知っている。

 女子高生の頃からイケメンにうつつを抜かして、相手にされてないなんて、流石に知られたくないじゃないか……、鈴音ちゃん!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ