ルーナマジック7
「ルーナマジック三周年企画って事でどうですか?今から告示すれば制作期間入れてギリギリ3月には出来ると思いますよ。イベントにもってこいの春休みに!!本当は夏とか冬ならな~」
ちょっと時期がね……と残念そうにしながらも、そう宣言してやる。
「取り敢えず告示とかは年内中にゲーム内の伝言板の様なもので『3月下旬』位でお知らせして、詳しい日時や場所は1月でも大丈夫だと思うんだけど」
そこまで言うとマシロが盛大に頭を抱えた。
「で?それをらどこでやるんだ?」
マシロの真面目な声に一瞬常春化していたコウの頭が冷静になる。
収益・予算の関係で決算までこのゲームの存続が危ぶまれている現状、何処からその資金を調達するか?
「つまり、会場にする場所と諸費用ですか?」
「当たり前だ」
思いっきりため息を吐きながらマシロは指摘して来る。
『ため息まで自キャラに再現させるってどんだけ?』
冷めた目になってしまうコウだが、確かにマシロの言っている事には一理ある。
「それについては少々時間を頂けませんか?」
「何か索でも?」
スバルがとても興味有気に問い掛けて来る。
「少し伝を……」
それだけ言って話題を変えた。
「取り敢えず、私にこのゲームのシステムを教えて下さい」
ワンコみたいに無邪気に振る舞いマシロの警戒心を削ぐ。
だって、始めたばかりでサービス終了はないよね。
そう思った。
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元々萩原光を知っている者がいれば、パソコンオタクと言うかもしれない。
一時プログラマーになろうと本気で思った時期もあったが、大学時代の苦い経験がその道を断念させた。
社会に入ってからは多少パソコンを仕事にする職務に就きたく、庶務と言う名の伝票整理をしている。
各部署から上がる経費や請求書など、兎に角伝票の量が半端ない。
今庶務にいる先輩達は花形の接待業務やお茶汲み等に力を入れて、殆どの事務処理を一人でしている状態だ。
何せエリートのお眼鏡に叶い玉の輿を決めるのに躍起になっているからね。
そんなにこんなで、普段目が悪い訳ではないのにPC眼鏡が基本装備になっている。
挙げ句化粧はファンデと口紅だけ、頭は面倒なのでゴムで一結わえしただけという既に女子を捨てているのだ。
ただ単に自分が求めているのは効率と能率。
それにつきた。
お読み頂きありがとうございます。
また読んで頂けたら幸いです。