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月魔法  作者: 今村天音
5/8

ルーナマジック5

「じゃあ、フレンド登録しようか」

突然のマシロさんの申し出にコウは硬直する。

「フレンド登録ですか……」

『いやだな……』正直そう思ったコウだが、マシロはそんなコウに全然気付く事もなく、明後日の解釈をする。

「あぁ。そうか、今日が初めてだからゲーム用語で言っても解らないよね」

意外と優しくそう言うが、言葉からその意味する所は理解している。

コウは単にこの二人との接点を減らしたいだけなのだ。

「フレンド登録っていうのは」

そんなコウの考えを無視してマシロが説明を始める。

「ゲーム内での会話やメールのやり取りを円滑に出来るようにプレイヤー同士が友達登録出来るシステムになっている」

「はい」

『何となく解るよ』コウはそう思うもマシロの説明に頷く。

「また、ゲームにインしているかどうかも確認出来るし、所在場所も検索出来る」

『ストーキングに近くないか?』

マジに思ったコウは軽く顔をひきつらせる。

しかし、そこはゲーム。

そんなコウの仕草がバレる訳がない。

「パーティーも組みやすいからお勧めだ。まぁ、それで言うとギルドを作成して入るって手もある」

「ギルドですか?」

何気に聞いてしまう。

「ギルド作成にはここの世界の金を使う。登録に10,000金かかる。また、ギルドの運営費として規模の小さいギルドで毎月10,000金中央管理局へと支払う事になる。又、ギルドを作るとギルドポイントとう制度があり、そのポイントで受注出来るクエストもあるんだ」

『正直面倒臭そうなシステムだな……と思った』

「基本的に個人のフレンド登録は99名まで、ギルドは規模によって運営費が違うだけで上限はない。フレンドが沢山いる人とかはギルドメンバーをフレンドから外す人もいるらしい」

『成る程ね、でも私は友達99人もムリだろうな』とコウは思った。

でもこの二人はフレンド沢山いそう……そう思いマシロを見る。

「そうそう、早くフレンド登録しようか」

そう言ってコウの話も聞かずに勝手にフレンド登録をして来る。


『マシロさんからフレンド登録の申請が来ました。受けますか?』


テロップに思わず『いや』って言いたい。

震える手でキーを押す。

『はい』と。


「これからは友達だな、共に頑張ろう」

そう言ってマシロは握手をしてきた。


ところで、と思う。

そろそろ終電の時間ではないかと……。

「あの……マシロさんとスバルさんは今自宅なのですか?」

『まさか会社ですか?とは聞けない』

気持ちは『早くログアウトしろよ』である。

「あぁ。今日はクリスマスイヴだろう。俺の家にスバルが泊まりに来ているから気にするな」

『何を気にするなと言うのだろうか?』コウはそう思ってしまった。

「取り敢えず、今夜はとことん回るぞ」

何となく『今夜はとことん飲むぞ』と言うオヤジ的のりに一瞬コウの意識が飛びそうになる。

『今夜一晩中こいつらの接待かよ』と。

そして、スバルの一言に再び撃沈してしまう。

「所でボスを倒してから10分過ぎてしまった。自動で入り口へ戻る機能が終了したようだから、このままここのダンジョンの宝箱取って帰ろうか」

あっさりと告げられた内容に、今夜は徹夜かもと思うコウでありました。

お読み頂きありがとうございます。

また読んで頂けたら幸いです。

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