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月魔法  作者: 今村天音
3/8

ルーナマジック3

クリスマスイヴは特別なイベント。


『はい。良く聞くね。だから何?』


そう思い前を向く。



『クリスマスイヴボス:セイレーンが現れた』


「………………?なに……」

思わず光は目を疑う。


敵のHPが100万台なのである。


「これが初心者最初のボス?」

光は遠い昔にやっていたゲームを思い出す。

「あぁ。ムリゲー並みの良く見かける最初の敵に必ず殺られるってやつ?」

冷静にそんな事を考えながら光は今後の戦闘をどうしようか考える。

だって丁度必殺技のリミッターが貯まったので繰り出して見るとダメージ10って既に積んでるよね。

「そうか。殺られれば良いのか」

安直な答えが出ると後方から駆け寄ったプレイヤーが参戦の申し出をして来る。

『マシロさん、スバルさんが参戦を申し込んでいます。許可しますか?』

突然のテロップに思わず思考が現実に戻る。

「馬鹿殺られるぞ、早く許可しろ」

怒鳴り声に光は思わず許可をしてしまった。


『マシロさんとスバルさんが参戦しました』

バトルメニューに三人の名前が並ぶ。


ユーザー名:マシロ

人種:魔族

性別:男

職業:魔剣士レベル99

称号:暁

個人補助スキル:非表示

HP:150700/150700

MP:15090/15090



ユーザー名:スバル

人種:エルフ

性別:男

職業:召喚師レベル99

称号:静寂

個人補助スキル:非表示

HP:120800/120800

MP:28050/28050



「滅茶苦茶強い」

思わず本音が溢れる。

何せ光は必殺技を繰り出してもダメージが10しか与えられない。

はっきり言ってムリゲー確定していた所だ。

そんな光の隣からマシロが一歩踏み出す。

剣に何やら魔法のような物を掛けてボスめがけて戦闘を開始した。

後方に控えているスバルは何やら長い詠唱を済ませると召喚魔法を発動。

巨大なイフリートが現れセイレーンに遅い掛かる。

そんなあり得ない光景をバトルフィールドギリギリの位置から眺めている。


2人のプレイヤーはものの5分で戦闘を終了させた。

目の前に現れた宝箱が自動で開く。


『クリスマスイヴボスセイレーンを倒しました。

アイテム:イヴの奇跡1個

習得金:10,000金』

そしてレベルアップのファンファーレがなり気づけばレベルが25になっていた。


『これって……』

ほおけながらそう思っている光の肩を叩く人物がいる。

マシロである。

「君初心者だよね?」

そう訪ねられて光は「はい」とだけ答えた。

すると、マシロが深くため息を吐く。


「取り敢えず話をしようか」

スバルがそう言うとマシロが

「そうだな」

と同意する。


「じゃあ、まず自己紹介からね」

そう言ってその場を仕切るのはスバルというプレイヤー。

「私はスバルで、こっちがマシロ」

そう言って各々を指すスバルさん。

スバルさんは青緑のロングヘアーに緑の瞳。

本人 (いわ)くハイエルフだと言う。

マシロさんは銀髪に赤い目の「魔族だ文句あっかー」的な反応。

さっきの勢いもさる事ながら結構喧嘩早い性格に思う。

「今日と明日はこのゲームの世界にランダムにクリスマス限定ボスが出ているんだ」

スバルはそう言いながら光の方を見る。

「まさかクリスマスにゲームを始める奴がいるとは思わなかったからな」

マシロが毒舌な意見を言う。

「悪かったですね。どうせクリスマスイベントに乗っかれなかった奴ですけど」

思いっきり喧嘩を買ってやるとスバルが間に入り込む。

「まぁまぁ。取り敢えずこうして来たんだから、えぇっと『コウ』さんで良いかな?今日から始めたようだけどなかなかダンジョンを進まなくってヤバイと思っていたんだ。何せ最初の方のダンジョンはダンジョン入りしてから2時間以上してからしかイベントボスが出ない様に設定していたからね」

スバルの不穏なセリフに嫌な予感がする。

「まさか……運営側の人ですか?」

そう問い掛けていた。

「うん。オフレコで」

そう言って一本の指を立てるとウインクして来る。

『こいつキザだ~』

と思わず光はひいてしまった。

そして、こいつはリアルで同じ職場の同僚だと認識してしまう。

つまり、光はもしかしたら同じ会社で遭遇しているかもしれないと言う事だ。

『下手な態度で後でバレたらヤバイし……』

そう考えていると、マシロが光の肩に手を乗せた。


お読み頂きありがとうございます。

また読んで頂けたら幸いです。

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