第九話 「魔界西方領」
シュン…
「!!!」
驚く信長の前に超高位魔族が現れた。
「貴様が信長か?」
そう問いかけるとシャドゥベルク…
すかさず信長は突然現れた男のステータスを確認した。
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名前:シャドゥベルク・ナビロン♂
種族:魔族(超高位)
レベル:2993
HP159883/179095
MP110056/119956
称号:魔界西方領土支配者
スキル:
●転移(Lv149)
〝自身の領土を自在に移動出来る〟
●幻魔体術(Lv395)
〝魔族が使う格闘技〟
「超高位魔族…貴様が西方領土の長か」
「如何にも我はこの魔界西方領土の支配者…シャドゥベルクだ」
「ふっ 手間が省けたわシャドゥベルクよ 儂は其方に会いに参ったのよ」
「信長よ…」
「……なんじゃ?」
「貴様と酒が呑みたい」
「!!!」
「支配者は暇なのだ 付き合え信長」
3000近いレベルの超高位魔族に注意深く構えていた信長であったが、シャドゥベルクの砕けた人柄に緊張の糸がプツリと切れた。
「さぁ我が城へ来い今宵は宴じゃ」
困った信長はオワリを見ると警戒していない様子に気づき、この誘いを受けた。
シャドゥベルクにより城に転移した信長とオワリはシャドゥベルクと共に夜通し宴を楽しんだーーー
「のぉ〜シャドゥベルクよ」
「なんだ信長?酒か?」
「儂の下に付かぬか?」
この信長の一言により宴で騒いでいた場内のシャドゥベルクの兵や臣下達は顔色を変え、空気が変わりオワリはいつ何があっても動けるように気配に気を配っていた。
「儂は力でお主を抑え込み臣下にしたい訳ではないが、儂はお主を気にいった…是非欲しいのじゃ……どうじゃシャドゥベルク」
「信長……面白いのぉ〜 実に面白い」
「…面白いか?」
「4人の魔界領主の中でも我は穏和な性格で通っておる…だが我とて超高位魔族だからこの地位にある訳ではない… それなりに仲間を集め戦争を勝ち抜き今の地位におるのだ」
「儂に主を降せと?」
「我は腐っても魔族を束ねる者……力を示さぬ輩に降るつもりはない」
「それもそうじゃな… よかろう勝負の方法は?」
「タ・イ・マ・ン♪」
「!!! わははははっ 愉快じゃシャドゥベルク」
「主は立派な漢よ 尊敬してやるぞ」
信長は実に気分が良かった…
敵城にて失礼極まりない態度をしたにも関わらず
束で平伏させず一対一の勝負を挑んだシャドゥベルクの心意気に尊敬の念を感じたのだったーー