第八十二話 「二対一の攻防」
ーーー信長達の前にクサナギとシラトリという女の人造生命体が姿を現した…クサナギは短髪で筋肉質な張りのある身体付きをしており、シラトリは清楚な乙女感が溢れている女性だった。
「オロチよ…下がってな! アタシらがコイツの相手をするわッ!!」
「クサナギ…シラトリ……我ノ会話ヲ邪魔スルカ?」
「ふふふっ 私達は忠実に仕事をするだけよ」
「そう…守護者のね!」
そうオロチに言い放つと二人の守護者は身構えると…信長に攻撃を仕掛けてきた!信長はすかさず圧切長谷部を取り出しクサナギの剣を受け止めたが、シラトリはその後方から風魔法の攻撃最上位魔法〝神風〟を放った!!!
ズドドドォォォンッッッ……と回避不能技の神風を受けた信長!粉塵が立ち込める中シラトリは風魔法の防御最上位魔法〝滅風鎧〟をクサナギに唱えた…クサナギの身体は瘴気を纏い呪われし風を呼び起こした、その風に触れた者に呪いをかける防御鎧を生成したのだ。
「さぁ信長とやら…このクサナギの剣の錆となりなッ!!」
「ふふふっ…天晴れ! 連係の取れた二人じゃな」
粉塵の中より立ち上がる信長を捉えたクサナギは剣術スキル(極)の剣技〝神速剣撃乱舞〟を発動させ信長に斬り込んだ!!!
だが信長も天魔剣術スキルを発動…
〝天魔剣技 受乃段 〜 清流〜 〟
信長は清らかな川の流れのような動きでクサナギの神速剣撃乱舞を全て的確に受け流した!それだけではなくクサナギの身体から溢れ出す黒い瘴気を瞬時に鑑定で確認し、クサナギの呪いの瘴気に触れないようにしていたのだ。
「くっ… シラトリィッ!!」
シラトリに援護を求めたクサナギだったがその隙を見逃すはずもない信長は攻めに転じる好機とみるや、天魔剣術スキルを発動!
「〝天魔剣技 〜 無想暁〜 〟」
受けからの攻め…天魔剣技の反撃技のひとつ無想暁は言わばカウンター技の為、クサナギは回避出来ずにまともに喰らってしまう。その斬撃にクサナギは目の前が仄暗くなり一瞬意識が飛び掛けた!
「ガハッ… 失態だわ隙を与えてしまうなんて……」
「クサナギ大丈夫!?」
「なかなかに見事なり! 二人ともその辺で刀を収めぬか?」
「ッ!!!」
まさに人智を超えた闘いであった…しかし信長は七界王の忘れ形見とも言える者達を屠る事を迷い、二人に戦闘の停止を求めたのだったーー