第六十四話 「天界の現状」
ーーー魔王と獣王そして…助けを求める天使!!
この異様な組み合わせとなったのには訳があった…
タナティーナの話によるとなんでも天界では今現在
〝現・天王派〟と〝旧・天王派〟の過激な派閥争いが勃発中!
天界には〝天翼族〟(旧 天王派)と〝聖翼族〟(現 天王派)の二翼族が存在しており、この二つの種族が派閥となっているそうだ。
大昔に天界が大きな争いに敗れ長い年月荒れ果てていたらしく、そんな天界を一から復興させた実力者が現在天界を治める 聖翼の王 リフィーシャ。
昔の過ちを糧に争いを嫌い他の世界とは鎖界していたのだが… そんなリフィーシャの気持ちとは裏腹に両派閥が互いに勢力をつけ内乱を起こしているそうだ。
タナティーナは天界で天王の副官を務めていたおり
天界で魔王の事を耳にしたという。
魔王である信長が人間界で疫病や飢餓から人々を救い
〝大英雄〟として讃えられていると…
「………成る程 それで儂に助けを?」
だがそんな話を信長とタナティーナがしている背後で、戦闘こそが全ての獣王は大事な闘いを邪魔されタナティーナに怒り狂っていた!
「ガルルルルルッ…」
ヤバいと思った信長は獣王を宥めながら
これは好機と考えていた…
天界は閉鎖的な場所だと国王から聞いていた為
信長は天界へ入り込む大義名分が欲しかったからだ。
信長は獣王にはこれからも立場抜きの良き喧嘩友達になろうと言い包め、タナティーナと魔守城へ戻る事にした。
◇◇◇◇◇◇
魔王とタナティーナは魔界に移動し、今後の展開について話し合う事にした。
「さて…タナティーナよ これからの事じゃが…」
信長はタナティーナに提案を出した。
まず信長が天界に行き、両派閥と単騎で戦闘!
そして信長を両派閥の共通の敵として一致団結させ
信長は両派閥を一人も殺さずに蹴散らす!
リフィーシャは疲れ切っているそうだが…
ここは無理を押してでも両派閥の窮地にリフィーシャを登場させる。
そして最後に信長とリフィーシャが〝対決〟するという図式であった!
「たっ、対決ですか!?」
「うむ! ダメか? 」
「天王様はパーティでいうところの後衛職(援護)系なので… 魔王様のような強き方と戦闘はちょっと……。」
回復系を得意とするリフィーシャが戦闘に特化した信長に勝てるはずもないとタナティーナはいう。
「ふむっ…では敢えて儂は決着を着けず撤退する形を取ろう」
「えっ?そっ、それでは魔王様の名に傷が付きませんか!!?」
「ふんっ! 名など傷つこうが我が覇道が成された時の事を考えれば大した事ではないわ!!!」
「ッッ!!!」
その魔王信長の言葉にタナティーナは絶対君主の魅力を感じずにはいられなかった!!ーー