第四十四話 「帝都大決戦」
クァナグラ帝国帝都へ到着したキリとヒカル達は
上位魔族達の奇襲を受けていた…
もはや特攻とも思える魔族達の攻撃は人間の冒険者達を次々と薙ぎ倒していった。
「かなりの数いますわ」
「リヨンは後衛からサポート! ヒカル達はリヨンを守れ! レイヴィンは私と共に上位魔族達を蹴散らすぞ!!」
キリから指示を受けたパーティメンバー達はそれぞれが今出来る事を始め、キリとレイヴィンは二人で一匹ずつ魔族を倒していったのだった。
……戦いは長期戦を余儀なくされ疲弊した冒険者が目立ってきていた。
「クッソォォォッ…Sランク組は健闘しているみたいだが雑魚魔族が強よすぎじゃないか?」
「誰か回復魔法をかけてくれぇ〜」
「魔族を知らな過ぎた…」
「こっちにも回復魔法を…」
遂には弱音を吐く冒険者まで出てくる始末……。
一方、ヒカル達は…
「ヨロコフ、ガイル? 大丈夫か?」
「あぁヒカルこそ…」
「俺は大丈夫 …しかしここまで実力差があるとは」
戦況的は非常にマズイ状況だ、鑑定ところ上位魔族のレベルは1400〜1800…キリさんとレイヴィンさんの二人で、フットワークを合わせて何とか一匹ずつ倒してはいるが…他の冒険者達は正直厳しそうだ。
「大丈夫よヒカルくん! 私達は負けない!」
「!? リヨンさん…」
「私達は私達で今出来る事をするだけよ」
「ハイッ!」
リヨンさんに元気を貰ってしまった、しっかりしなくては……
「キリさん! そろそろ出てきますかね?」
「あぁ …戦況的に人間側が不利な今なら、そろそろ出張ってくるだろうなレイヴィンくん」
二人の予想はバッチリ的中!
スゥビルコップスが上位魔族達を引き連れて冒険者達の前に現れた……。
「人間共よ… 私はスゥビルコップス」
「貴様らを支配する者成り!」
「ヒカル…あれが 魔族のボスか?」
「…どうやらそうみたいだな」
「さぁ 大人しく我々に 下るが良い!!!」
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名前:スゥビルコップス・マヴィロ♂
種族:魔族(超高位)
レベル3080
HP210000/216000
MP278540/309000
称号:元魔界東方領主 魔界を追われた者
スキル:
●洗脳幻覚(Lv290)
〝広範囲の相手を意のままに出来る状態異常技〟
●幻魔体術(Lv174)
●闇魔法(Lv207)
「ガイル… ありゃバケモノだぞ」
「何言ってんだヒカル 俺達にとっちゃ魔族はみんなバケモノさ」
スゥビルコップスの登場に絶望感を感じずにはいられない冒険者達……そんな中一人の冒険者がスゥビルコップスに剣を向け、こう言い放つ。
「私は〝幻影のキリ〟貴様らを 屠る者だ!」
絶望の中冒険者達は一斉にキリに注目していたーー