第三十一話 「ガイルとザギ」
どう考えても勝てる見込みが無いこの状況に色々逃げ切る算段を考えていた俺だったが、ふとガイルを見るとガイルは何故かこの魔族を気に入り始めていた。
「俺はガイル 冒険者だ なぁザギ 魔界捨てたって言ってたけど何で?」
中々聞き辛い事ズバズバ聞くなぁガイルくん!
「貴様に関係あるかボケェ 殺すぞ」
「んな事言うなよぉ〜 ケチだなぁ〜」
ガイルくん そろそろ危機感持とうか…
「馴れ馴れしい人間だな 何かバカバカしくなってきた… もういい帰れ」
えっ?えっ?今なんて?帰れって言った?
「えー ヤダ」
うおぉぉぉい!!! ガイルくんマジ俺が君を殺したくなるからヤメテくれぇぇぇぇ。
「いや帰れよ 何ヤダって? 舐めてんの?」
違います!
舐めてません、この子バカなんです!!
「とりあえず俺様はこの〝魔力溜まり〟の 場所でゆっくりと傷を癒したいんだ」
「え?お前怪我してるのか? 大丈夫か?」
はいバカ確定!
幾ら何でも冒険者が魔族の怪我心配するなよ
しかも相手は高レベルの方ですよぉぉぉ!
魔族の怪我の心配って…
誰かガイルくんに良い脳外科紹介して下さーい!!
「えっ、いや、大丈夫だし…傷って言っても怪我とか、そんなんじゃねーし」
ん?何?あれっ?
魔族さん?
その中学生的動揺は一体何?
「オイオイなんだよー 教えろよー」
うわっ ウザいクラスメイト的な返しだなオイ…
「……られ…んだよ」
「え?なんだよー」
「だから フ……れ…んだよ」
「ボソボソ言ってて聞き取れねーよー」
オイオイまさかとは思うが…
「フラれたんだヨォォォォ!!!」
やっぱりですかぁぁぁ ザギさーん!!
「ザギ…傷って… 失恋のってやつか……」
「笑うなら笑え魔族が失恋なんて人間からしたらお笑い 種だろう…」
「笑わねー」
「!!!」
「笑えねーよ …だって俺達 友達だろ?」
違います。
ガイルくーん目を覚ませぇぇぇ!!!
「ガイル……ありがとな…」
……もういいや。
何だかんだで俺達は無事にギルドへと戻ったーー




