第三十話 「上位魔族ザギ」
今この異様な扉を開けている俺達だが
実は好奇心からついつい扉に向かって
俺は鑑定スキルを使ってしまった…
・
・
・
名前:悪魔の扉
所在地:深緑の魔宮(15階層地下)
素材:ミスリル製
いやいやいや!
悪魔の扉って何!?
死ぬの?これから俺達死んじゃうの?
この中にいるであろう悪魔に殺されちゃうの?
…等と迷走しながら開けたーー。
「ふぅ 何とか開いたなヒカル」
何でそんな純粋に笑えちゃうのガイルくーん!
「しかし何だな中に悪魔的な奴でもいるのかと思ったけど居ないのかな?」
ガイルくんもやっぱり扉開けながら悪魔いるっぽいとは思っていたのねぇ〜
「!!! シッ! なんか居るな」
「ガイル松明じゃ奥までは見えないから 火炎玉でも撃ってみようか?」
「そうだな やってみてくれヒカル」
俺は部屋奥に向かって 火炎玉を放ってみた。
ズドォォォン!!!
「……」
「なんか居たね…」
「なんか居たなヒカル…」
「……」
火炎玉の灯りで微かに見えた変な生き物に俺達はキョトンとなっていた…
「ゴラァァァァ! なんばしよっとかぁ!!」
「!!!」
「人ん家に普通ファイアボール撃つかオドレら!」
っと喚きながら変な生き物がこっちに来た。
・
・
・
名前:ザギ
種族:魔族(上位魔族)
レベル1400
HP96500/97800
MP78594/99000
称号:深緑魔宮の主 魔界を捨てた者
スキル:???
うわぁ…魔族じゃん… しかも上位魔族じゃん…
レベル1400って絶対勝てない奴じゃん…
帰りてぇぇぇぇ。
「貴様ら死に晒したいか ボケェカスゥ!」
「お前はなんだ 魔物か?」
いやいやガイルくーん それ魔族でーす。
しかも上位の魔族さんでーす。
「あぁ? 貴様にゃ俺様が魔物風情に見えるんか?」
御立腹されてますよガイルくーん!
レベル83のガイルくんがレベル1400の魔族さんに失礼ぶっこきまくってスミマセーン。
「しかし愛らしい奴だなこの魔物は、なぁヒカル」
俺にフルなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
「どうやらマジで死にたいようだな貴様ら…」
魔族さーん〝ら〟はヤメテ
複数形で俺を入れないで下さぁぁぁい!
あぁ……もう帰りたい。
「俺様は上位魔族ザギ様だ 折角 魔界を捨て新天地を見つけ、静かに暮らそうと思っておったのにズカズカと邪魔しに来よって… 貴様らはここで死ね!」
いやいやいや ごめんなさい!
帰ります、静かに暮らされて下さい!!!
俺達は踏まなくて良い虎の尾を
わざわざ自ら踏みに来たみたいだーー