第十話 「初の異世界バトル」
宴から一変…信長にとって異世界に来て初めてまともな戦闘が今はじまるーー
無言のままゆっくりとした足取りで城の庭へ出た二人…お互い言葉はいらなかった。
城内にいた者達とオワリが見守る中、シャドゥベルクが叫ぶ。
「いくぞぉぉぉ!!!」
その瞬間信長の目の前に対峙していたシャドゥベルクが消え、次の瞬間信長の腹部に強烈な一撃が入る。
「ぐぅ…」
続け様に蹴りや拳の連弾が信長を襲う。
ドドドドドッと地響きの様な豪打が城内を揺らす様な連弾であった。
超高位魔族の中でも魔法を使わぬタイマン勝負なら間違いなく上位に入ると言われるシャドゥベルクの連弾は止む事はなく…
「身体強化及び速度上昇!!!」
シャドゥベルクが強化魔法を唱え更にスピードを上げて信長を襲う。
「ふふっ これが痛みか…」
ボソリと信長が呟き次の瞬間フルにオーラを解放した。
ドドドドドーンッと天を貫く柱の如く信長のオーラが吹き上げ、流石のシャドゥベルクもオーラにぶっ飛ばされてしまった。
周りに居たシャドゥベルクの配下の者達の中で7割の者がその絶望的オーラを浴び気を失い始めたのだった。
「くっ…… ばっ…化物か」
あまりの魔力量の差にシャドゥベルクは信長に次元の違いを感じずにはいられなかった。
「さぁ儂の番じゃな」
不敵に笑う信長の顔はその場に居た辛うじて気絶していない上位魔族達に恐怖を与えていたーー