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あの日見た夢
俺が最後に見たのはただただひたすらに
暗い世界だった――――――
魔界歴30年12月
『あの日見た夢』
風が頬を撫でる。その寒さで俺は夢から覚める。
いつからここで眠ってしまったのだろうか辺りは既に
うっすらと暗い。
冬は日が落ちるのが早い。完全に真っ暗になる前に家に帰らなければ。
「そういえば頼まれ事があったっけな」
そういえば俺は頼まれ事をされていた隣の家の少女に俺が外の世界に行くといったら、花を取ってきてと言われたのだった。
しかしこれから村に帰ると門が閉まってしまう。
抜け道が無いわけではないが見つかると厄介だ。
「どう言い訳をしようかな。」
俺は言い訳を考えながら村に帰って行った。
その時の俺はあんな事になるとは思っていなかった。
まさかさっき見た夢が現実になるとは―――――――