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眠り姫は異世界を謳歌する  作者: 狂った機械仕掛け
6/6

第6話  首都リラでの観光

お久しぶりです!二か月ぶりですね!

いや~なんか色々とありましたが、更新遅れてすみません。


 朝になりいつものメイドさんたちによって、


「朝だ!起きろ!」


 ・・・やさしく起こされるのとは正反対の大声で乱暴に布団を捲り上げられて起こされる。


「さあ、勝負だ。えっと・・・イブだったか」

「・・・誰?」


 目の前にいたのは山羊の角に一対の大きなコウモリ羽のある身長160㎝ぐらいの男の子だった。もちろんお互い初めましてだ。


「よし起きたな、外にいくぞイブ」

「え?いや、ちょっと待って」

「ん?なんだ?」

「えっと、まずは名前を聞いても」

「ああ、そうだったな。俺は憤怒の次期魔王候補であるグラン・サタンだ!好きなものは戦い、嫌いなものは弱いものだ!よし自己紹介終わり、さっさと勝負しに外に行くぞ」


 ああ、うん。完全に脳筋さんだ。


「てかなんで勝負?あとなんでぼくなの?」

「なんだお前、聞いてなかったのか?」

「何が?」

「俺の親父とお前の親父が昨日の夜自分の子供の方が強いかどうかの話になってだな」

「・・・それでぼくと戦って白黒つけるってことかな」

「その通りだ!ちなみにお前の兄貴たちはすでに倒している」


 あ~うん、ローレンス兄様だからね納得できる。ん?兄貴たち?


「えっと、ユリ兄とアル兄も倒したの?」

「もちろんだ!そしてお前が兄妹で一番強いと聞いたからこうして来たわけだ」

「・・・えっと、めんどいのでグラン君の勝ちってことで。それじゃあ」


 そう言ってぼくは二度寝を試みるけども。


「あーほーかー!」

「えっ、うわぁ!」


 グラン君はベッドのマットレスを思いっきりちゃぶ台返しのようにしてぼくを床に落とし、首根っこをつかまえられる。てかどんな怪力だよ。


「さあ、行くぞ」

「いや、ちょっと待って!」

「なんだ、まだあるのか」

「いやいや、ぼく起きたばっかりだし。身支度もまだなんだけど」

「むっ、それもそうだな。よし3分間待ってやる」


 それどこの大佐ですか。グラン君はそう言って部屋を出ていった。さすがに女性の着替えとかに対しての気遣いはできるんだ。

 そして数分後ぼくはグラン君と外に出ると兄様たち、父様にサタンさんがいた。なぜかオネエとギギさんも。


「よし、これを使え」

「えっと・・・これ真剣なんだけど」

「安心しろ、刃はつぶしてある」


 それでも危ない気がするんだけど、てか重くて持ち上がらないし。頑張って持ち上げても振れないんだけども。まあ、振れないだけだから違う使い方できるし。


「それじゃあ行くぞ!」

「え、あ、うん。どうぞ」

「はっ!」


 グラン君は真っ直ぐぼくに向かって走ってくる。予想通り脳筋なのか、それとも自信があるのかわからないけどもぼくのやることは決まってる。ぼくは剣を。


「うやぁっ!」

「は!?・・・がっ!」


 掛け声とともに下から上へぶん投げる。できる限りグラン君に当たるように投げたけど狙いは大きく外れてしまうが、あくまで視線を剣に向けるための陽動。狙い通りに視線が剣の方に、てか動きも止まって驚いているグラン君の懐に素早く潜り込み、顎に掌底を撃ち意識を刈り取りグラン君は倒れる。掌底を撃つとき身長が足りなくてジャンプして撃ったから追撃できなかったのは反省しないと、下手したらそのまま反撃されるし、あとドレスはやっぱり動きにくい。まあ一発で意識奪えたからいいか。

 グラン君が気絶し、剣が地面に落ちた音を合図に決着がつき、父様たちが近づいてくる。そしてそのままユリ兄とアル兄に撫でられる。心地いいんだよね、撫でられるのって。そんな横で父様たちが何やら変なことを話ている。


「ゼクス、この子俺にくれ。憤怒の魔王候補にするから」

「お前にやるわけないだろう、この子は私の子だぞ」

「そうだぞ、将来マルスと婚約させるのだからな」

「おい、初耳だぞ。あとどこにも嫁にやる気はない!」


 うーん、なんかくすぐったいような感じがする話だな。でもまあぼく自身もお嫁に行く気はないね、てか男より女の子の方が好きだからお嫁さんが欲しいかな。

 そんなことを考えているとグラン君は気絶したままお城の使用人さんたちに運ばれていき、丁度朝食ができたらしくぼくたちはそのまま朝食をとる流れになった。

 朝食の時に父様たちはこの後の会議とかがあるらしくぼくたち子供組は自由にしてていいと言われた。後で知ったのだけど会議と言うのは七大魔王たちだけの宴会だったらしい。


 さて、朝食も食べ終わったことだし、さっそくリラの城下町を探索しよう。目当ては魔法関連の本、特に魔導についてのことが書かれているのがベスト。あとは変わったアイテム探しとかかな。

 そう思い、部屋で支度をしていると扉がノックされたので返事をすると、アル兄だったので中に入ってもらう。


「えっと、どうしたのアル兄?」

「いや、イブはこれから街に行くんだろう。だから一緒に行かないか?」

「え、いいけどアル兄はユリ兄みたいに他の貴族の人と会わなくていいの?」

「ん、ああいいんだ。俺は」

「そうなんだ・・・じゃあデートだね」

「あ、ああ」


 そしてぼくとアル兄は城下町散策へと向かった。なぜかお城を出るときにグラン君に見つかって一緒に行くことになったけども。


 街にはさまざまな屋台が並んでおり、様々な人種の人が行き交っている。ぶらぶらと食べ歩きをしながら街を散策すること一時間、一件目のお目当ての本屋が見つかる。


「なんだ、イブは本が見たかったのか?それならあの城にたくさん」

「ぼくが探しているのは魔法についての本だからね、とりあえずグラン君も探すの手伝ってね」

「まあ、それはいいがよ、その君つけると止めてくれ」

「ん、わかった。じゃあ行こうかアル兄、グラン」


 ぼくは本屋さんの扉を開け中に入る。・・・中を一通り見て回るけども目当てである本はなかった。あったとしても家に置いてあった本だったな。その後五件ほど回ったけどどのお店も同じような感じだった。


「うーん、ないね」

「いや、ないだろうよ、魔導について書かれた本なんて。あったとしても国のモノだろうしよ」

「ところでイブ、体調は大丈夫か?」

「え、あーそうだね、そろそろ休憩しようか」

「ああ、それがいい」


 一応ステータスを確認するとMPは残り五割を切ったところだった。一時間で二割ほどなくなるからあと二時間ぐらいしか行動できないのか。

 近くのカフェで一度休憩もとい仮眠をとることにし、中に入る。中は前世と同じような感じで厨房の方には冷蔵庫が見える。やっぱり科学があるとファンタジー要素がなくなるんだよね。毎年のようにこの世界に元の世界の人が召喚される影響だと思うけど。そういえば電気ってどこから供給されているんだろうか、帰ったら調べてみよう。


 アル兄に寄りかかり眠り、約一時間後の正午に目を覚ましたのでカフェで昼食をとることになった。ちなみにグランはぼくが寝ている間に暇を持て余してどっかに行ったらしい。まああの性格だからジッとしていられないんだろうね。


「イブ、この後はどこに行く予定なんだ?」

「ん~もう少し本屋さんを見て回りたいかな。あと魔導具も見たいかな」

「そうか、だが三時には城に戻らないといけないぞ」

「何かあるの?」

「ああ、またパーティーがあるらしい。何でも今日のは子爵以上の階級の人しか来ないものらしい」

「それって出ないとダメかな?」

「ああ」


 うーん、とりあえず昨日のベルゲン伯爵の子とかは来れないならまだ楽かな?あ、でも階級が高いとその分面倒事が増えそう・・・


「とりあえず時間まで楽しもうよ」

「そうだな、せっかくだからな」

「ん、じゃあ行こう」

「ああ」


 ぼくとアル兄はカフェを出て再び街を散策し始める。しばらくの間街を見て回り、目的の魔導についての本はなかったけど、浮遊魔法について書かれた古書を見つけることができた。おいてあったお店の店主さんが言うには倉庫の奥で埃をかぶってたらしく、適当に出したものらしい。まあ結果オーライだね。他には面白そうなマンガや小説を数冊買っておいた。なんでも異世界のものをもとに作られたらしい、その所為かマンガは見覚えがあるもの多かった。


 そんなことをしているとお城に戻る時間になり、ぼくとアル兄は三時前にお城に戻ると入口にいたメイドさんが話しかけてくる。


「おかえりなさいませ、アルベルト様、イブ様」

「ただいま戻りました」

「ただいま」

「魔王様方からお二人にパーティーの時間までお部屋にいるようにとのことです」

「わかりました」

「わかったよ」

「では、失礼します」


 そういって、メイドさんはその場から離れていった。残されたぼくとアル兄はそれぞれ用意された自分の部屋に戻る。


「ただいまー」


 ぼくは誰もいないのを確認するように声を出しながら部屋に入る。もちろん返事はない。


「さてと、さっそく買ってきた本でも読みますか」


 ぼくはベッドに寝そべりながらマンガを開き読み始めた。浮遊魔法についての本を読まない理由は書いてある文字が今はあまり使われてない文字で解読に時間がかかってしまうからだ。


 コンコンッ


「・・・んっ、誰だろう」


 ぼくはいつの間にか眠っていたらしく、ノックの音で目を覚ました。なんか最近すぐに寝てしまうのは癖になっているからなのだろうか。


「失礼します。イブ様、そろそろパーティーのお時間になりますのでお着替えの方を」

「あ、うん。わかったよ」

「では失礼します」


 ぼくはメイドさんたちによって着替えさせられる。昨日は子供っぽさがあるようなスカート丈が膝あたりまでのコスプレっぽいドレスだったけど、今日はワインレッドなどの落ち着いた色合いの大人っぽいロングドレスだ。それに合わせて髪もまとめられ、軽く化粧もさせられた。

 やっぱり昨日のパーティーとは来る人が違うからちゃんとしたドレスコードがあるのだろう。

 約十分ぐらいで準備が終わり、そのままメイドさんに会場へ案内される。場所は昨日と同じ大広間みたいだ。

 メイドさんたちは入らないらしく、扉を開けぼくが中に入るように促してきたので中に入る。


 会場には豪華な食事が立食形式で振る舞われており、昨日よりは少ないのだろうけどたくさんの人が来ている。それも見るからに豪華な服装や貴金属や宝石をごちゃごちゃと身に付けている人達や、自分の取り巻きのような人達と話している人、偉そうに周りに威張っている人がいる。

 しかも大人だけでなく子供も同じようなのがたくさんいる、むしろ良いと思える人が少ない気がするのはぼくだけなのだろうか。昨日よりは階級が上の人が集まっているらしいけど、これじゃあ昨日の人よりもひどい気がする。


 まあ、ぼくにはそんなこと関係ないけどね。とりあえずお腹が空いてきたから適当に人が少ないところで食べるとしようかな。

 そんな感じにぼくはご飯を食べ、昨日と同じようにソファに座り遠目からパーティーを眺めている。ほとんど昨日と同じような感じだからあと少ししたら部屋に戻っていいよね。

 そんなことを考えた所為なのかぼくの方に近づいてくる人がいる。


「あら、あなたゼクスの子じゃないの」

「えっと、初めまして。イブです」

「初めまして。私は嫉妬の魔王、エンビィーよ。よろしく」

「あ、はい。よろしくお願いします」


 エンビィーさんは薄紫のゆるふわロングで黒目の部分が細い金色の目をしている女性だ。そして胸が大きい、巨乳と言うよりも爆乳って言うのだろうか。それに合わせて胸を強調するドレスを着ている。あ、あと髪の毛の先がメデューサみたく蛇になっている。そんな彼女が来た所為か一気にぼくに注目が集まってしまう。しかも誰だ?とかいうような視線よりも先に値踏みしてくる視線が気持ち悪い。ああ、早く帰りたい。


「あまり硬くならなくていいわ。それで、イブちゃんはどうしてこんな隅っこにいたのかしら?」

「えっとー、貴族とかとあまりかかわらないように、です」

「そう・・・もったいないわね」

「もったいないですか?」

「ええ、イブちゃんかわいいんだから適当にちょっかいかけてれば色々とコネができるわよ」

「う、うん」

「それに私がここに来たことでイブちゃんにも注目が集まったみたいだしね」

「えっ・・・」

「ふふっ、まあ、気が向いたらやればいいわ。それじゃあね」

「あ、はい・・・」


 うーん、なんとなく絡みづらいような、世話好きのような印象だったな。まあ、とりあえず。向こうで牽制し合っている貴族たちが来ないうちにさっさと自分の部屋に戻ってしまおう。そして寝てしまおう、うんそれがいい。


 そして部屋に戻ったぼくは着替えもせず、ベッドにもぐり眠りについた。

エンビィーの設定はラミアです。パーティーなどの人前に出るときには下半身は蛇ではなく人に変化するそうです。・・・まあ、関係ないですね。

あ、グランはただの脳筋ですね、まあいいやつではありますが。

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