第2話 ぼくの秘密とこれからのこと
もっと上手に書けるようにがんばります。
異世界に転生してから早6年、今日はぼくの誕生日だ。
てなわけで、これからのことを振り返ることにしよう。
まず家族のことから。なんとぼくが2才の時に妹のメアが生まれました。めっちゃかわいい。どこに行くのもぼくの後をついて来ることとかすごくかわいい。初めてイブ姉って呼ばれたときは感動したね。うん。
さてと、次はユリ兄とアル兄についてだけど、10才なのにすでにユリ兄は王子様系、アル兄はクール系のイケメンに育っていて、街に行くと女の子から声援が上がり騒がしいそうだ。噂ではユリ兄派とアル兄派、なぜかユリ兄×アル兄派の三大派閥にができあがっているらしい。ちなみに家では二人ともグラムさんとの訓練を続けていて、ユリ兄は魔法の練習もしているそうだ。でもぼくには見せてくれないのはなぜだろう。
ローレンス兄様は6才ぐらいから父様と母様、ユリ兄以外の人に偉そうにふるまうようになってきている。ぼくとアル兄には特に偉そうにしている。アル兄は妾の子だからという理由で、ぼくには年下で呪い子だからという理由らしい。ちなみにローレンス兄様だけロー兄と呼ばない理由は、本人がすごく嫌がって怒ったからだったりする。
最後に父様と母様だけど、父様は昔よりもぼくと話すようになったけど、話の内容はいつもぼくのことが多い。たまに街の話をするくらいだ。母様はあのゴーレムを見せてくれたとき以来一度も魔法を見せてくれなくなった。あと書庫から魔法に関する本が絵本以外なくなっていることがわかったし、ぼくが魔法の話をするとすぐに話を逸らしてしまう。
最近では父様と母様はよく父様の書斎で内緒の話をしているようで、近付こうとしてもすぐに近くにいるメイドさんにつかまってしまう。余程聞かれたくない話みたいだ。
あと3才の頃から時々父様の仕事仲間と言うギギ・テスラさんが息子のマルスと家に来るようになった。
いつもギギさんと父様はどこかにいってしまうため、マルスと遊んでいたりする。
ちなみに些細なことだけど、マルスのことをリリスって呼ぶかオネエって呼ばないと怒ってくる・・・。なんでリリス何だろう。
それじゃあ次はぼくのことだけど、4才ごろから起きていられる時間が最長4時間ぐらいになり起きたり寝たりする間隔が長くなったことが一番の変化だろう。相変わらず眠ってしまう前は体がだるくなるけど。
あと今更だけど、最近になって体から何かが抜け出るような感覚があることに気付いた。たぶんそれがだるさの原因だと思う。
他には身長が伸び、どっからどう見てもかわいい美少女だと思う。あとローレンス兄様に呪い子と初めて言われた日に気が付いたんだけど、ぼくだけ銀髪赤眼みたいだ。なんで気づかなかったんだろう。
とりあえず女の子だから身だしなみには気を付けるようにしよう。
あとは魔法について知ることができないから、そのストレスを発散するように家の庭で薔薇園を作ったり、料理をしたり、書庫の本を読み漁ったり、街を散策したりしている。ちなみにメイドさんの妨害によって本屋さんには行けていなかったりする。魔法を使うためにも何とかしないと。
「イブ、どうしたんだい?」
「あ、いやなんでもないよ。父様」
「そうか、それならいいが。ああ、そうだセバス、イブにあれを」
父様が近くにいた執事長のセバスさんに指示を出し、ゼバスさんからぼくに腕輪が渡される。スイッチがついているだけのシンプルな腕輪だ。というか執事さんの名前ってセバスが普通なのか。
「その腕輪はステータスを見るための腕輪だ。ステータスと言うのはだな、まあ実際に見たほうがわかるだろう。腕輪についているスイッチを押してみなさい」
ステータスってあれだよね、ゲームとかにある。さっそくスイッチを押すと、腕輪からホログラムが出てくる。
=====================================
名前:イブ・クラウン 性別:女 職業:魔王 年齢:6才
種族:純血の吸血姫
身長:102㎝ 体重:18㎏ 視力:2.0・2.0 スリーサイズ:55・45・54
HP30/30 MP1320/37540 属性・闇
筋力:9 体力:36 速さ:18 近接武器攻撃力:0 中距離武器攻撃力:0
遠距離武器攻撃力:0 物理防御力:5
魔力:3754 魔力制御:0 詠唱速度:1
火属性適正:999 水属性適正:999 土属性適正:999 風属性適正:999
雷属性適正:999 木属性適正:999 光属性適正:999 闇属性適正:999
無属性適正:999 神属性適正:999
火属性攻撃力:0 水属性攻撃力:0 土属性攻撃力:0 風属性攻撃力:0
雷属性攻撃力:0 木属性攻撃力:0 光属性攻撃力:0 闇属性攻撃力:0
無属性攻撃力:0 神属性攻撃力:0
火属性防御力:0 水属性防御力:5 土属性防御力:2 風属性防御力:2
雷属性防御力:0 木属性防御力:5 光属性防御力:5 闇属性防御力:1
無属性防御力:5 神属性防御力:0
精神力:40 知力:137 幸運:500 魅力:888
毒耐性:0 麻痺耐性:0 石化耐性:0 催眠耐性:0 呪い耐性:0
ステータスダウン耐性:0 魅了耐性:0 恐怖耐性:0 拘束耐性:0
封印耐性:0 混乱耐性:10 命令耐性:10 暗闇耐性:1
痛み耐性:1 狂気耐性:10 快楽耐性:1 悪臭耐性:0
音耐性:0 病気耐性:1 洗脳耐性:0
状態:良好・呪い
呪い:魔力漏出・・・体内のマナが体外に漏出する現象
ユニークスキル:<魔法・魔術適正最上>・・・全属性適正が最大になる。
<眠り姫の秘密>・・・眠っている間以下の三つの効果を得る、①すべての自然回復力が上昇。②魔力の増加。③最大MPの超過分を体内に蓄積。 特定の条件を満たしたときこのスキルは進化する。
所持技能:
=====================================
・・・細か!細かすぎるし、スリーサイズとか余計だよ。攻撃力と防御力と耐性の種類多すぎるし、洗脳耐性とか怖すぎる。あと魔力の数値高すぎるし。MPが減っているのは呪いのせいで、寝てしまうのはたぶんMPがゼロになるからだろう。そして寝ている間に回復できるユニークスキルがあると。しかも全属性適正が最高値とかって結構なチートですね。あれだ、強くてニューゲームってやつだ。しかも進化するとかもあるし。
「開けたようだね」
「はい、父様」
「それじゃあイブの呪いについて話そうか」
「あなた、やっぱりまだイブに話すのは早い気が」
「アリア、そのことはもう決めたはずだ。それに早くに知っておいた方がいいとも言っただろう」
「そうですが・・・」
・・・今までの内緒話はぼくの呪いのことだったんだ。
「母様、ぼくは大丈夫だよ。だから話してください」
「イブ・・・」
「それじゃあ、話をするとしよう。ユリウス、アルベルトには話したが、ローレンスとメアにはまだ話してなかったな。三人も一緒に聞いてくれ。」
「はい、父様」
「わかりました」
「・・・」
ユリ兄とアル兄は真剣な表情に、ローレンス兄様は知らん顔だ、まあぼくのことだしね。メアは心配そうな顔でぼくの手を握って、ちらちらとこっちを見てくる。
「イブの呪いは魔力漏出と言って、本来なら魔法以外では体外にでない魔力が漏れ出てしまう呪いだ。今は病気として扱われる方が多いな」
「父様、質問があります」
「なんだユリウス」
「イブに魔法を見せないようにしている理由はなんですか?」
やっぱり見せないようにしてたんだね。たぶん魔法に興味を持たせないようにだろうけど。
「イブが魔法を使うと危ないからだ」
「それは魔力がさらになくなってしまうからですか?」
「そうだ。それじゃあ説明を続けるぞ」
「待ってください」
「なんだアルベルト」
「その呪いは、治るんですか?」
「・・・治ったという例はない」
「なっ!」
「それも合わせて説明するから落ち着きなさい」
ぼくの呪いが治らないということに対してアル兄とユリ兄が驚きの表情を見せる。ローレンス兄様は無関心みたいだ。メアはぼくの手を握る力が強めてきた。
「まず魔力漏出の症状は魔力がなくなっていくだけでなく、魔力がなくなると次は生命力がなくなり死に至る呪いだ」
「死・・・」
「イブ姉死んじゃうの?」
「いや、まだ死ぬ予定内から大丈夫だよ」
ぼくはメアの頭を撫でて安心させるようになだめるが不安そうなのは変わらない。
「今まで治ったという例や、治療法は見つかっていなく。できることと言えば魔力回復薬で延命治療しか方法がなく、ほとんどの子は1才から3才、長くても5才ぐらいで死んでしまう」
「・・・」
ユリ兄もアル兄も暗い表情をしている。ローレンス兄様はそろそろ関心を持ってもいいんじゃないかな。
メアなんて泣き始めちゃったのに。
「イブは今までの前例よりも長生きしているが、そろそろ危なくなってくると思っている」
「父様、その、危険だと判断するのはどんな時なんですか?」
「ふむ、魔力が切れると気を失うからな。気を失ったままだと最後だと思っていい」
「・・・わかりました」
やっぱりMP切れで寝るのか、そして寝ている間回復していると。
「父様、ぼくから質問なんだけど」
「なにかな」
「魔法なんだけど」
「だめだ」
即答・・・まあ普通そうだよね。
「じゃあ、せめて知識として知るだけでも」
「・・・魔法を使わないと約束できるなら」
うーん、現状それでいいような気がするけど・・・ぼくのユニークスキルについては知っているのかな?
「うん、約束する。それで違う話なんだけど、父様はぼくのユニークスキルについて知ってる?」
「ユニークスキルは知っているが、どんなのだ?」
「えっとね」
「いや、あとで書斎に来てくれ。その時話そう」
「あ、わかった」
なんだろう、ユニークスキルを他の人に知られたくないのかな。でもユリ兄やアル兄たちも気になっているようすだしあとで父様に話した後に話せばいいかな。それで安心してもらえればいいし。
「さてと、それじゃあもう遅い時間だし、お開きにしようか。アリアとイブはこのあと私の書斎で話をしようか」
父様がそう言って席を立つと、ユリ兄たちもそれぞれ部屋に戻っていきぼくと母様はそのまま父様の書斎に行くことになった。
「さて、イブのユニークスキルについて話してくれ」
「うん、えっと二つあって、一つが<魔法・魔術適正最上>」
「っ!・・・なんてことだ、魔力漏出さえなければいい魔法使いになっただろうに」
父様と母様が悔しそうな顔をして嘆いている。でももう一つのユニークスキルを聞いたらきっと考えもかわると思う。
「で、もう一つが<眠り姫の秘密>だよ」
「・・・すまん、初めて聞くスキルだ。効果はなんて書いてあるんだ?」
「えっと、自然治癒力が上がるのと、魔力が増えるのと、最大MPを超えた分が体内に蓄積されるの三つが
寝ている間発動されるみたいだね。あと特定の条件を満たすとスキルが進化するらしいよ」
「ふむ・・・だからイブは魔力漏出の影響が少ないのか?」
「このスキルあるから魔法使っても大丈夫だよね?」
「いや、まだ駄目だ。少なくとも来年まで様子を見てからだ」
「・・・わかった、来年まで我慢するよ。でも本を読むのはいいよね」
「もちろんだ。ちゃんと書庫に戻しておこう」
「ありがとう父様」
「ああ、もう遅い時間だから早く寝るといい」
「はい!おやすみなさい、父様、母様」
「ああ、おやすみ」
「おやすみ、イブ」
そしてぼくは父様の書斎をあとにし、ぼくの部屋のベッドで横になりながら明日からの予定を考える。
とりあえずはユリ兄たちにもユニークスキルの説明とかをした方がいいだろうとか。
まず何の魔法から覚えようとか。そんなことを考えているうちに眠くなってきたからそのまま睡魔に身をゆだねて眠ることにした。・・・おやすみなさい。
( ˘ω˘ ) スヤァ… ←・・・・・・(・ω・。) ジーッ