妖狐になったようです。
「うーん…眠たいな…あっ、もうこんな時間か…起きなあかんな…」
おはようさん、みんな。平城剛やけど…なんか…違和感あるけど、気のせい?えっ?病気じゃないかって?まさか、それはないやろ、顔がほてってないし。とりあえず、起きなあかんしなって!もう6時!?ヤバイ!電車に遅れてまう!って!今日から両親、出張だった!
「まず、神棚に挨拶やな…二礼二拍手一礼。そこから着替えて…洗面所!」
なんか…この独り言、大きくて、寂しいやろ?まぁ、これからずっとあるからほっといて!
「洗面所、洗面!うん?なんだ、この頭の上にあるのは?」
ふーんしょ!よーいしょ!
「イタタタタタタタタ!!!!」
あっ!後ろ!これは?ふーんしょ!
「イタタタタタタタタタ!!!!!!」
なんやねん!?このしっぽと耳といい!なんやねん!えっ?
「稲荷である、私を呼んだ?」
「いや、呼んでませんよ?」
「ブルメゾン?」
「分かりまゾン」
「神棚に来たじゃないの?」
「はい…」
「私だよ、私!」
「あのう、オレオレ詐欺みたいなのでやめていただけませんか?その言い方。」
「私は、神棚に祀られているお稲荷さん。」
「稲荷さんでいいですか?」
「まぁ、いいけど。お父さん、お母さん出張でしょ?」
「あっ、はい。」
「ほれっ、朝ごはん!」
「ありがとうございます!」
「今日から私、お父さん、お母さん代わりに家の手伝いするからね!よろしく!」
うそやん!
「あっ、そうそう、そのしっぽと耳がある理由は剛の今日からの妹、結実から聞いといて。」
心、読まれてる?
「当たり前でしょ!神様だもん!」
はぁ…
「まぁ、とりあえず食べて!」
「はい…」
親が神様に代わりました。
「ところで、なぜ、ここに?」
「剛のお母さんに頼まれんだよ、おまもりくださいって言われて。」
「そうなんですか…」
「そんなことも知らないの!?」
「毎日、忙がしいんで、神棚で親が拝んでいる様子なんて見る暇もありませんでした。」
「なんで、みなかったの!?せっかく、祈ってもらっているのに?」
「仕方ないじゃないですか…」
「あっ!ごめん!後、5分で出発だね?」
「あっ!ヤベッ!ごちそうさまでした!」
あの神様、いつからいたん?って、神様が親代わりとか前代未聞やし…って妹ってどんなやつ?あの神様の子どもか実の妹かどっちかやろうな、きっと。
「いってきまーす!」
「いってらっしゃーい!」
まぁ、後になって分かるよな…
「おーい!」
誰やねん!
「ちょっと来てー!」
「どうしたん?」
見知らぬお嬢さんだけど大丈夫やろか?…
「一緒に行こう!」
まさか…妹とちゃうやろな?…
「お兄ちゃん、どうしたの?」
やっぱりか!
「いや…なんで耳としっぽがあるんやろか?と思って…」
「あぁ、お姉ちゃんの話ね!」
実の妹だった…
「これからずっとだけど私達をしてほしいの!」
「お仕事?」
「うん!妖狐の!」
妖狐!?うそやん!あの伝説上の?
「マジか…」
「分かった?お兄ちゃん」
うん…分かったけど…周りに聞こえてる…
「ちょっと来て、話を聞かれてる。」
「えっ!?うそ!ごめん!」
心で読んだろ。うん…はやくこっち来て、今日は特別に兄やんが特急券買ったろか?
「うん、お願い。はやく、二人で話したいことがいっぱいあるの!」
「分かった。じゃあ、買おう。」
一人510円の手痛い出費やけど仕方ないな…
「どうしたの?貸したろか?お兄ちゃん」
「いや、ええよ。」
「大丈夫?」
「大丈夫やって!」
「お兄ちゃん?」
「いや、大丈夫やで‼」
「本当?」
「いや、ほんまやって!」
大丈夫、大丈夫!!
「本当?」
「ほんまやってってそんな澄んだ目で見んなよ!」
「バレた?」
「簡単に分かるわ!どんだけこっちは劣ってるって思ってんねん!」
「トホホ…私の財布にこんなにあるのに?」
「うっ…コイツ…」
どんだけ入ってんねん!しかも1万円札まで!なんやねん、コイツは?
「でも…借りひんからな、お前から絶対に!」
「なかなかお兄ちゃん、しぶといね。」
「だって、俺をだと思ってねん!?人から金銭を貸してもらうことないからな!」
「まなもく、二番線に大阪難波行き特急、アーバンライナーが参ります。危険ですので黄色い線の内側までお下がりください。途中停車駅は鶴橋、大阪上本町です。特急には乗車券の他特急券が必要です。列車の番号は前から1号車、2号車の順です。」
「早く、買わないとって!?もしかして買った!?」
「お兄ちゃん、使い方分からないよ!」
マジか…
「はいはい…これは現金入れて行先と禁煙席を指定して枚数を指定して…それで特急券を取ると…はい!特急に乗れ!」
「特急?はい!」
「まなもく、二番線から大阪難波行き特急アーバンライナーが発車します。」(ブーーーーー)
「ギリギリセーフ…で、2号車1列ABやから、その座席を探す…あった。」
「ここね。」
「あぁ、ここだ。座ろう。」
「あっ!メール!」
間に合った?
「えぇと、お兄ちゃんに特急券を買ってもらって特急に乗りましたと…」
「稲荷さんに送っているんか?」
「うん、間に合ったか聞いてきたから特急に乗れたから大丈夫って送ったよ。」
「分かった…」
「どうしたの?」
「いや、何でもない…」
なんで、妖狐なんかになったんやろ?今もあるんやろか…あっ、ない、今…何やろな?いったい…
何が起こっているんやろか?
「大丈夫だよ。後で教えてあげるよ、お兄ちゃん。」
「あぁ…」